エロスルファーゼアルファ(遺伝子組換え)

成分名

エロスルファーゼアルファ(遺伝子組換え)

適応症状

ムコ多糖症IVA型

簡易説明

エロスルファーゼ アルファ(遺伝子組換え)は、ムコ多糖症IVA型の症状を改善する薬剤です。当疾患は、特定の遺伝子が不足していることで発症する遺伝性の疾患であり、予後も悪いことが特徴です。根本的な治療法はまだ見つかっていませんが、本剤の投与によって不足している酵素を補充する作用をもっています。早期から治療を開始する必要があり、週1回の投与で治療を継続することができます。現在国内の推定患者人数は27名ほどとされています。

処方可能な診療科目

小児科/耳鼻咽喉科/神経科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
ビミジム点滴静注液5mg【製薬メーカー:BioMarin Pharmaceutical Japan】5㎎1瓶132314円(薬価)

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2015年4月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ビミジム点滴静注液5mg【製薬メーカー:BioMarin Pharmaceutical Japan】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。アメリカやカナダ、オーストラリア、ブラジル、韓国など世界30か国以上で販売されています。

効果・作用

エロスルファーゼ アルファ(遺伝子組換え)はムコ多糖症IVA型に用いられる薬剤です。当疾患は、先天的に遺伝子が変異しており、必要な酵素が不足することによって発症します。根本的に病状を改善する薬剤はいまだ開発されていませんが、本剤は不足している酵素を補うことで症状を抑制する効果を持っています。ムコ多糖症IVA型は、N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼが不足しているため、本剤は前記述の酵素を補充し、GAGの異化を促進することで、蓄積しているものを減少させる効果があります。

本剤の臨床試験は6つほど行われており、合計で235名の患者が参加しました。174名の方が25週以上、86名の方が48週以上服薬を継続していました。

5~57歳のムコ多糖症IVA型患者176名を対象に海外第3相臨床試験を実施しています。プラセボ群59名、本剤1kgあたり2mgを週投与した群を58名、本剤1kgあたり2mg/kg隔週で投与した群59名割り当てました。日本人は毎週投与群に2名、隔週投与群に4名含まれていました。全ての患者がインフュージョンリアクションの対策として抗ヒスタミン剤の前投与を受け、必要に応じて解熱鎮痛剤や副腎皮質ホルモン剤等の前投与を受けました。結果、本剤投与24週後の6分間歩行試験の歩行距離では毎週投与した群がプラセボに対して有意な延長を示しました。
本剤を毎週投与した群において、第24週までに58名中57名、割合として98.3%に抗エロスルファーゼ アルファ抗体があらわれ、中和抗体も58例中57例に認められました。また、本薬のIgE抗体は58名中5名、割合として8.6%に認められました。

上記試験に参加した患者のうち173名を対象に長期投与試験を実施しています。投与していた方法、用量で継続しましたが、プラセボを投与していた患者については、本剤毎週投与もしくは隔週投与としました。
結果、6分間歩行試験の歩行距離の投与前から第72週までの変化量は、毎週投与群で30.1mであり、有効性が維持されていました。また、毎週投与群においては、第24週~72週の間で、新たに1名の方にIgE抗体が認められました。

試験から、1週間おきに投与する群では大きく有効性が高くない傾向がみられなく、一方で毎週投与した群は有意差をもって優れた有効性が確認されました。そのため、本剤の用法用量でもある毎週投与の根拠となりました。また、日本人は6名試験に含まれていましたが、外国の方と有効性や安全性に差はなく、同様の結果でした。

使用方法

1回体重1kgあたり2mgを週1回、点滴静注します。
本剤を投与する際は、注入ポンプを使用して4時間以上かけて投与してください。

副作用

主な副作用
主な副作用として、発熱や悪寒、疲労、頭痛、嘔吐や悪心や下痢、腹痛や口腔咽頭痛などがあげられます。上記は10%以上の発現率であることが臨床試験より認められています。

項目別の発現頻度は以下の通りです。
免疫系障害・・過敏症(10%以上)
一般・全身障害および投与部位の状態・・発熱/悪寒/疲労(10%未満)
神経系障害・・頭痛(10%未満)めまい(10%以上)
胃腸障害・・嘔吐/悪心/下痢/腹痛/上部腹痛/口腔咽頭痛(10%未満)
呼吸器/胸郭および縦隔障害・・呼吸困難(10%以上)

重大な副作用
重大な副作用としては、5.4%の割合で重篤なインフュージョンリアクションが報告されています。本剤の投与中もしくは投与終了後翌日までに発現することが多いとされており、症状としては頭痛、悪心、嘔吐、発熱、悪寒や腹痛などがみられます。これらの症状は、アナフィラキシーショックを起こす可能性があるので、投与中もしくは投与後も注意をして症状をみてください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■エロスルファーゼ アルファを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ビミジム点滴静注の有効成分
エロスルファーゼ アルファ
▼代表薬の添加物
酢酸ナトリウム水和物、リン酸二水素ナトリウム一水和物、L-アルギニン塩酸塩、ソルビトール、ポリソルベート20

・以前、エロスルファーゼ アルファを使用してアナフィラキシーショックとなったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・急性熱性もしくは呼吸器疾患のある方は、症状が急性的に増悪する可能性があります。投与前や投与中は患者の症状をみながら、もし悪化がみられた場合にはすぐに適切な処置をしてください。
・遺伝性果糖不耐症の方は、本剤に添加されているソルビトールによって、果糖が正常に代謝されず、低血糖や肝不全や腎不全などの症状をきたす恐れがありますので注意をしてください。
・腎機能に高度な障害のある方は、安全性有効性を確立する臨床試験を実施していないため、投与する際は注意をしてください。
・肝機能に高度な障害のある方は、安全性有効性を確立する臨床試験を実施していないため、投与する際は注意をしてください。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性もしくは授乳婦
・5歳未満の小児は、対象とした臨床試験を実施していないため注意をしてください。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、副作用の発現など慎重に投与をしてください。

上記にあてはまる方は、エロスルファーゼアルファ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
エロスルファーゼアルファ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

エロスルファーゼアルファ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
投与に関して注意はありますか?

本剤の投与によってインフュージョンリアクションが発現する可能性があるため、抗ヒスタミン剤を単独投与もしうは解熱鎮痛剤との併用で使用する際は、本剤を投与する30分から60分ほど前に投与をしてください。

用法及び用量に関連する注意

【上記引用元:ビミジム点滴静注液5mg 医薬品インタビューフォーム】

本剤投与後気にかけておくべき症状はありますか?

はムコ多糖症 IVA 型の患者に多く合併症としてみられる脊髄/頚髄圧迫に注意をしてください。初期症状としては、背部痛、圧迫レベル以下の四肢麻痺、尿失禁、便失禁などがありますので、定期的に様子を観察し、あらわれた場合には適切な処置を実施してください。

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【上記引用元:ビミジム点滴静注液5mg 医薬品インタビューフォーム】

参考元一覧

ビミジム点滴静注液5mg 添付文書

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