ベリムマブ(遺伝子組換え)

成分名

ベリムマブ(遺伝子組換え)

適応症状

既存の治療では効果が不十分な全身性エリテマトーデス

<適応症状に対する注意>
・過去の全身性エリテマトーデスに対する治療において、ステロイド、免疫抑制薬などの適切な治療を行っても疾患活動性が確認される場合にのみベリムマブ(遺伝子組換え)を上乗せして使用してください。
・抗dsDNA抗体、抗核抗体などの自己抗体検査において、陽性が確認されている全身性エリテマトーデス患者に使用してください。
・臨床試験においては、重症の中枢神経ループス、重症のループス腎炎を併発している全身性エリテマトーデスに対する安全性や有効性は検討されていません。

簡易説明

ベリムマブ(遺伝子組換え)は、既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデスに使用されます。ベリムマブ(遺伝子組換え)は可溶型BLySに対するモノクローナル抗体であり、可溶型BLySに対して結合することで自己反応性Bリンパ球の活動をブロックし、Bリンパ球が免疫グロブリン産生形質細胞へ分化するプロセスも併せてブロックすることで効果を発揮します。

処方可能な診療科目

内科/代謝・内分泌科/アレルギー内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~3,000円
薬代1瓶あたりの目安:120mg約16,616円/400mg約54,609円
薬代後発薬1瓶の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2017年12月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ベンリスタ点滴静注用120mg/400mg【製薬メーカー:グラクソスミスクライン】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

ベリムマブ(遺伝子組換え)は、既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデスに使用されます。
全身性エリテマトーデスは、Bリンパ球(B細胞)機能の異常、抗核抗体や抗DNA抗体などの自己抗体の産生など、免疫機能に対して異常がおこる自己免疫疾患です。自己抗体が異常生産され、免疫複合体が体の組織に沈着して引き起こされる組織障害をメインの病態として、その他にも様々な全身性の炎症病変が併発します。全身性エリテマトーデスは難病指定されていて、よくなったり悪化したりを繰り返して慢性的な経過をたどることが多く、既存治療で効果が不十分であればベリムマブ(遺伝子組換え)の使用が検討されます。
ベリムマブ(遺伝子組換え)は可溶型BLySに対する遺伝子組換えヒトIgG1モノクローナル抗体であり、全身性エリテマトーデスで過剰発現している可溶型BLySに対して結合することができます。BLySは、全身性エリテマトーデス以外の自己免疫疾患でも過剰発現しており、BLySの血液中濃度が上昇するとループス疾患の活動性が高まるという相関関係が明らかになっています。ベリムマブ(遺伝子組換え)のBLySへの結合によって、自己反応性Bリンパ球を含むBリンパ球の生存をブロックし、またBリンパ球が免疫グロブリン産生形質細胞へ分化するプロセスをブロックし効果を発揮することができます。

使用方法

成人(15歳以上)および5歳以上の小児:ベリムマブ(遺伝子組換え)として、1回10mg/体重kgを初回、2週間後、4週間後に点滴静注します。その後、4週間の間隔で継続使用します。

<使用上の注意>
・ベリムマブ(遺伝子組換え)による治療効果は、通常使用開始から6ヶ月以内に現れます。6ヶ月以内に治療効果が確認できないケースでは、ベリムマブ(遺伝子組換え)の治療継続を慎重に検討しなおすことが推奨されています。
・臨床試験では、ベリムマブ(遺伝子組換え)とその他の生物学的製剤またはシクロホスファミド静注剤との併用に対する安全性や有効性が検討されていないので注意が必要です。

副作用

重大な副作用
・自殺念慮、うつ病、自殺企図
・進行性多巣性白質脳症
※マヒ症状(片マヒ、四肢マヒ)、意識障害、言語障害、認知障害などの症状が引き起こされたケースでは、必要な検査を実施するとともにベリムマブ(遺伝子組換え)の使用を中止してください。
・間質性肺炎
※せき、発熱、呼吸困難などの呼吸器関連の病態に十分注意してください。異常が確認された場合には、必要な検査を実施するとともにベリムマブ(遺伝子組換え)の使用を中止してください。
・感染症
※敗血症、肺炎、結核など重篤な感染症が引き起こす可能性があります。
・重篤な過敏症
※じんましん、血圧の低下、血管性浮腫、呼吸困難などのアナフィラキシー、ショックが引き起こされる可能性があります。また、悪心、発疹、倦怠感、筋肉の痛み、頭痛および顔面浮腫などを含む遅発性の反応が引き起こされる可能性もあるのでどちらにも注意してください。

その他の副作用
・皮膚系:発疹、じんましん
・過敏症:血管性浮腫
・その他:発熱

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・ベリムマブ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、ベンリスタ点滴静注用はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼ベンリスタ点滴静注用の有効成分
ベリムマブ(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
クエン酸ナトリウム水和物、クエン酸水和物、ポリソルベート80、精製白糖

・重篤な感染症を患っている方
※感染症の悪化を引き起こす可能性があります。
・活動性の結核を患っている方の患者
※活動性結核の悪化を引き起こす可能性があります。

使用に注意が必要な方
・うつ状態、うつ病、自殺念慮または自殺企図の経験のある方
※自殺をほのめかす可能性があります。
・間質性肺炎を患ったことのある方
※定期的に問診を行ってください。
・結核を患ったことのある方、または結核感染が疑われる方
※結核を患ったことのある方では、結核の活動化が引き起こされる可能性があります。
※結結核を患ったことのある方、または結核感染が疑われる方では、専門の医師に相談してください。
・感染症または感染症が疑われる方(重篤なケースを除く)
※感染症の症状悪化が引き起こされる可能性があります。
・B型肝炎ウイルスキャリアの方、HBs抗原陰性かつHBc抗体またはHBs抗体陽性の方
※肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーの確認を行いながら、B型肝炎ウイルスが再活性化する兆候に注意してください
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※動物実験(サル):出生児において末梢血B細胞数の低値が確認されています。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※動物実験(サル):ベリムマブ(遺伝子組換え)が乳汁中へ移行したことが確認されています。
・生殖能力のある方(妊娠を希望する女性)
※治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。ベリムマブ(遺伝子組換え)を継続使用後に中止する場合は、中止後少なくとも4ヶ月間までは必ず避妊を行ってください。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら使用してください。
・小児など
※5歳未満の小児を対象としている安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。

上記にあてはまる方は、ベリムマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
ベリムマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ベリムマブ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
ベリムマブ(遺伝子組換え)のうつ状態の副作用に対する対処法はありますか?

うつ状態の副作用が引き起こされるリスクについて患者さんとその家族などに十分説明し、不安、不眠など精神状態の変化、初期症状が確認された場合には直ちに担当医に連絡する体制を構築しておいてください。ベンリスタ点滴静注用 【ベンリスタ点滴静注用 添付文書】

ベリムマブ(遺伝子組換え)は溶解後、どのくらいの安定性を保持しますか?

ベリムマブ(遺伝子組換え)を溶解してからは8時間以内に点滴静注を完了することが推奨されています。ベンリスタ点滴静注用 【ベンリスタ点滴静注用 添付文書】

参考元一覧

ベンリスタ点滴静注用 【ベンリスタ点滴静注用 添付文書】

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