フルオシノニド

成分名

フルオシノニド

適応症状

湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、女子顔面黒皮症、ビダール苔癬、放射線皮膚炎、日光皮膚炎を含む)/痒疹群(じん麻疹様苔癬、ストロフルス、固定じん麻疹を含む)/乾癬/掌蹠膿疱症/円形脱毛症(悪性を含む)/尋常性白斑など

簡易説明

フルオシノニドはステロイドの外用薬です。炎症を鎮める作用を持っており、短期間で皮膚の炎症を抑えます。腫れや赤みを取り、かゆみや痛みを和らげる効果があります。日本では、田辺三菱製薬がトプシムの商品名で販売しており、また、帝國製薬がフルオシノニドの商品名で販売しています。軟膏やクリームをはじめ、スプレーやローションなど様々な種類の薬剤があります。

処方可能な診療科目

内科/皮膚科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~10,000円
薬代1錠あたりの目安:トプシムクリーム0.05% 18円/g(薬価)
トプシム軟膏0.05% 18円/g(薬価)
薬代後発薬1錠の目安:フルオシノニド軟膏0.05%「テイコク」7.3円/g(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1975年10月販売開始【トプシムクリーム0.05%/トプシム軟膏0.05%】

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

トプシムクリーム0.05%【製薬メーカー:田辺三菱製薬】
トプシム軟膏0.05%【製薬メーカー:田辺三菱製薬】
トプシムスプレー0.0143% 【製薬メーカー:田辺三菱製薬】
トプシムEクリーム0.05%【製薬メーカー:田辺三菱製薬】
トプシムローション0.05%【製薬メーカー:田辺三菱製薬】

関連製品(ジェネリック)

フルオシノニド軟膏0.05%「テイコク」【製薬メーカー:帝國製薬】
フルオシノニドクリーム0.05%「テイコク」【製薬メーカー:帝國製薬】
フルオシノニドゲル0.05%「日医工」【製薬メーカー:東興薬品工業】
フルオシノニドクリーム0.05%「日医工」【製薬メーカー:東興薬品工業】
フルオシノニド軟膏0.05%「日医工」【製薬メーカー:東興薬品工業】

海外での使用実績

・アメリカ
1971年にFDAから初めてフルオシノニドが承認されました。
最初にLidexという商品が発売され、のちにVANOS、Fluoxiv、Fluocinonide creamなどの商品が取り扱われています。

・イギリス
Metosynという商品名で発売されています。

効果・作用

フルオシノニドは抗炎症作用や免疫抑制作用などにより、皮膚炎などにおける湿疹、痒み、赤みなどを和らげる薬です。
アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎(かぶれ)などは何らかの原因によりアレルギー反応がおこり、湿疹や痒みなどの皮膚症状があらわれます。
副腎皮質ホルモンの一つであるコルチゾールは、抗炎症作用、免疫抑制作用、細胞増殖抑制作用、血管収縮作用など様々な作用をあらわします。
フルオシノニドは、コルチゾールを元に造られたステロイド外用薬で、抗炎症作用や免疫抑制作用などにより湿疹、赤み、痒みなどの皮膚症状を改善する作用をあらわすことや、また、細胞増殖抑制作用などにより、表皮の過剰増殖などが原因でおこる乾癬の治療などに使用する場合もあります。
フルオシノニドは、速効性にすぐれており、目先の皮膚症状に非常によい効果を発揮して、患部に直接作用するので、飲み薬のような全身性の副作用がほとんどない利点があります。
フルオシノニドは代表的なステロイド外用薬で、ステロイド外用薬の強さは、もっとも強い1群から、弱い5群の5段階にランク付けされますが、フルオシノニドは2群[非常に強力]に入り、かなり強力であることから、症状の重いときに用いるほか、苔癬(たいせん)化した湿疹など皮膚が厚くなっている部分に適しています。

使用方法

▼用法用量
・1日1~3回、適量を患部に塗布します。

▼効能または効果に関連する注意
・皮膚感染を伴う湿疹、皮膚炎には使用しないことを原則としますが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤(全身適用)、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮してください。

▼重要な基本的注意
・大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用により、副腎皮質ステロイド剤を全身的投与した場合と同様の症状があらわれることがあります。
・本剤の使用により症状の改善がみられない場合や、症状の悪化がみられる場合は使用を中止してください。
・症状改善後はできるだけ速やかに使用を中止してください。
▼スプレー剤の注意点
患部までおよそ10㎝の距離で噴射して下さい。同じ個所に連続で3秒以上噴射しないようにしましょう。

副作用

重大な副作用
▼眼圧亢進、緑内障(いずれも頻度不明)
眼圧亢進、緑内障など、眼瞼皮膚へ使用した際に起こることがあります。

▼後嚢白内障、緑内障(いずれも頻度不明)
後嚢白内障、緑内障など、大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)によりあらわれることがあります。

その他の副作用
・皮膚の真菌性(カンジダ症、白癬等)及び細菌性(伝染性膿痂疹、毛嚢炎等)感染症
・魚鱗癬様皮膚変化、紫斑、多毛、色素脱失、刺激感、乾燥
・ざ瘡疹、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎(口囲、顔面全体に紅斑、丘疹、毛細血管拡張、痂皮、鱗屑を生じる)、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張)
・紅斑、丘疹、腫脹
・接触皮膚炎
・大量又は長期にわたる広範囲の使用又は密封法(ODT)による下垂体・副腎皮質系機能の抑制

極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症及び動物性皮膚疾患
細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症及び動物性皮膚疾患(疥癬、けじらみ等)は、感染症を悪化させるおそれがあります。投与しないでください。

■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

■鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎の患者
鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎の患者は、穿孔部位の治癒の遅延及び感染のおそれがあります。投与しないでください。

■潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷の患者
潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷の患者は、皮膚の再生が抑制され、治癒が遅延するおそれがあります。投与しないでください。

■フルオシノニドを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方トプシムは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼トプシムの有効成分
フルオシノニド
▼トプシムクリーム0.05%の添加物
・クエン酸
・ステアリルアルコール
・プロピレングリコール
・1,2,6-ヘキサントリオール
・マクロゴール6000

▼トプシム軟膏0.05%の添加物
・炭酸プロピレン
・プロピレングリコール
・ラノリンアルコール
・ワセリン

使用に注意が必要な方
■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては、大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けてください。動物実験(ラット、マウス:連日皮下投与)で催奇形作用(外形異常)があらわれたとの報告があります。

■小児等
長期・大量使用又は密封法(ODT)により発育障害を来すおそれがあります。また、おむつは密封法(ODT)と同様の作用があるので注意してください。

■高齢者
高齢者は一般に副作用があらわれやすいことから、大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用に際しては特に注意してください。

上記にあてはまる方は、フルオシノニドを使用する事が出来ない可能性があります。
フルオシノニドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
報告なし

上記を使用している方は、フルオシノニドを使用する事が出来ない可能性があります。
フルオシノニドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
顔に使用しても良いですか?

ステロイド薬は顔周りやデリケートゾーンに使用することが出来ます。大量に目に入った場合、眼圧が上昇し緑内障を発症する恐れがある為、目の周りはできるだけ避けて下さい。

細菌などの皮膚感染症に効果はありますか?

フルオシノニドは、細菌やウイルスや真菌(カビ)などによる皮膚感染症には原則用いません。

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