ブロスマブ(遺伝子組換え)

成分名

ブロスマブ(遺伝子組換え)

適応症状

FGF23関連低リン血症性くる病、骨軟化症

<適応症状における注意>
ポリマルトース鉄、含糖酸化鉄の使用によって発症するFGF23関連低リン血症性くる病、骨軟化症に対しては、ブロスマブ(遺伝子組換え)は使用せず、FGF23過剰の原因となっている各薬剤の使用中止を検討してください。

簡易説明

ブロスマブ(遺伝子組換え)はFGF23関連低リン血症性くる病、骨軟化症に用いられます。ブロスマブ(遺伝子組換え)は抗FGF23完全ヒト抗体製剤であり、FGF23の働きをブロックすることでリンの再吸収促進、活性型ビタミンD3の産生促進の働きを正常化して血液中のリン濃度を増加させることで最終的にくる病、骨軟化症の症状改善に寄与すると考えられています。

処方可能な診療科目

内科/整形外科/代謝・内分泌科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~3,000円
薬代1瓶あたりの目安:10mg約304,818円/20mg約608,282円/30mg約911,812円
薬代後発薬1瓶の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2019年12月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

クリースビータ皮下注10mg/20mg/30mg【製薬メーカー:協和キリン】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

ブロスマブ(遺伝子組換え)はFGF23関連低リン血症性くる病、骨軟化症に用いられます。
くる病・骨軟化症は骨石灰化障害を引き起こす疾患の総称です。ビタミンD抵抗性くる病の主な症状は、成長障害、骨変形、関節腫脹、脊柱の湾曲などがあり、治療をしないと成長障害によって低身長となるケースもあります。とくに、ビタミンD抵抗性くる病、骨軟化症の原因は繊維芽細胞増殖因子23(FGF23:fibroblast growth factor23が過剰に産生されることによるとされています。FGF23は腎臓でのリンの再吸収抑制、ビタミンD3の活性化抑制といった作用を発揮し、通常リンが高くなりすぎないようにリンの血液中濃度を調節していますが、腫瘍や遺伝的要因などによってFGF23が過剰に産生されると、重度な低リン血症を引き起こしてしまい、これが長期的に継続することでくる病・骨軟化症が引き起こされると言われています。
ブロスマブ(遺伝子組換え)は抗FGF23完全ヒト抗体製剤であり、上記のFGF23の作用をブロックすることができます。FGF23の働きがブロックされることでリンの再吸収促進、活性型ビタミンD3の産生促進の働きが正常化して血液中のリン濃度が増加します。最終的にくる病、骨軟化症の症状改善に寄与すると考えられています。

使用方法

■ブロスマブ(遺伝子組換え)の使用開始において、活性型ビタミンD3製剤、経口リン酸製剤が使用されている場合には、これらの薬剤の投与を中止したうえで血液中のリン濃度が基準下限値を下回ってからブロスマブ(遺伝子組換え)の使用を開始してください

■ブロスマブ(遺伝子組換え)の開始用量および用量調節は以下を参考にしてください。
<FGF23関連低リン血症性くる病、骨軟化症(腫瘍性骨軟化症を除く)>
・成人(15歳以上)のケース:以下を参考にしながら体重に応じて投与量を調節してください。それ以降は血液中のリン濃度や症状に応じて適宜減量してください。

成人患者の開始用量(体重:開始用量)
35〜44kg:40mg
45〜54kg:50mg
55〜64kg:60mg
65〜74kg:70mg
75〜84kg:80mg
85kg以上:90mg

・小児のケース:以下を参考にしながら体重に応じて投与量を調節してください。それ以降は、血液中のリン濃度、症状などに応じて適宜増減してください。

小児患者の開始用量(体重:開始用量)
7〜18kg :10mg
19〜31kg:20mg
32〜43kg:30mg
44〜56kg:40mg
57〜68kg:50mg
69〜81kg:60mg
82〜93kg:70mg
94〜106kg:80mg
107kg以上:90mg

<腫瘍性骨軟化症>
・成人(15歳以上のケース):以下を参考にしながら体重に応じて投与量を調節してください。それ以降は血液中のリン濃度や症状に応じて適宜減量してください。

・腫瘍性骨軟化症の方の開始用量(体重:開始用量)
17〜49kg:10mg
50〜83kg:20mg
84〜116kg:30mg

■ブロスマブ(遺伝子組換え)の使用開始および用量調節をした際は、血液中のリン濃度が安定するまで投与毎(2週間に1回または4週間に1回)に血液中のリン濃度をモニタリングしてください。

■血液中のリン濃度が基準上限値を超えたケースでは、血液中のリン濃度が基準下限値を下回るまでブロスマブ(遺伝子組換え)の使用を中止してください。再開するケースでは中止前の投与量の半分量を目安に減量しながら使用を再開してください。

■FGF23関連低リン血症性くる病を患っている方にブロスマブ(遺伝子組換え)を使用する際、骨年齢が女性で15歳、男性で17歳に達したケースでは、その方の病態に応じて成人用法、用量を用いることが可能です。

副作用

主な副作用
・内分泌、代謝系:ビタミンD異常、血液中のリン増加、PTH増加、ビタミンD欠乏、血中カルシウム減少
・投与部位:注射部位における反応(発疹・かゆみ・痛み)
・皮膚系:かゆみ、発疹、じんましん
・消化器系:悪心、吐き気、歯膿瘍、下痢、腹痛、歯の痛み
・筋、骨格系:下肢不快感、筋骨格痛、筋けいれん
・腎臓系:腎石灰化、腎結石、腎超音波検査の異常
・その他:めまい、頭痛、倦怠感、疼痛、Al-P増加

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・ブロスマブ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、クリースビータ皮下注はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼クリースビータ皮下注の有効成分
ブロスマブ(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
ポリソルベート80、L-ヒスチジン、等張化剤、pH調節剤、L-メチオニン

・重度の腎臓機能障害を患っている方
・末期腎不全を患っている方

使用に注意が必要な方
・腎機能障害を患っている方
※腎臓などの臓器の石灰化、高リン血症などを引き起こす可能性があります。
・高カルシウム血症を患っている方
※高カルシウム血症の悪化を引き起こす可能性があります。
・軽度または中等度の腎臓機能障害を患っている方
※ブロスマブ(遺伝子組換え)の使用中は、定期的に腎機能をモニタリングして使用の要否を検討してください。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※ブロスマブ(遺伝子組換え)の乳汁中への移行は確認されていません。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※動物実験(サル):生殖発生毒性試験において胎盤の重量増加および鉱質沈着、流産および胎児死亡率の増加が確認されています。
・小児など
※1歳未満の小児などを対象としている安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。

上記にあてはまる方は、ブロスマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
ブロスマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・活性型ビタミンD3製剤(ファレカルシトリオール、カルシトリオールなど)、経口リン酸製剤
※高リン血症が引き起こされる可能性があります。

上記を使用している方は、ブロスマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
ブロスマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ブロスマブ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
ブロスマブ(遺伝子組換え)はその他の注射薬と混注することはできますか?

ブロスマブ(遺伝子組換え)に関して、混注は行わないことが推奨されています。クリースビータ皮下注 【クリースビータ皮下注 添付文書】

ブロスマブ(遺伝子組換え)の投与部位で推奨されている部位はありますか?

投与部位は上腕部、腹部、大腿部、でん部が推奨されています。なお同じ部位へ繰り返し皮下注射することは避けることが推奨されています。クリースビータ皮下注 【クリースビータ皮下注 添付文書】

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