成分名 |
システアミン酒石酸塩 |
適応症状 |
腎性シスチン症 など |
簡易説明 |
「システアミン酒石酸塩」は、腎臓、眼の角膜、甲状腺、膵臓など全身のさまざまな臓器の細胞にシスチンが蓄積する病気である腎性シスチン症の治療に用いられる薬剤です。
日本では、マイラン製薬がニシスタゴンの商品名で販売しています。
腎性シスチン症は、シスチンを排出する輸送体のシスチノシンの遺伝子(CTNS遺伝子)がうまく働かなくなることが原因で、CTNS遺伝子が変化するとシスチノシンがシスチンをライソゾームから排出することができなくなり、全身の臓器の細胞に蓄積します。
「システアミン酒石酸塩」は、全身に蓄積しているシスチンを取り除くことにより、病気の進行を遅らせる効果があります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器科/眼科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
ニシスタゴンカプセル50mg 218.9円/カプセル(薬価)
ニシスタゴンカプセル150mg 573.5円/カプセル(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2014年9月認可 |
国内のジェネリック認可 |
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関連製品(先発薬) |
ニシスタゴンカプセル50mg 【製薬メーカー:マイラン製薬】
ニシスタゴンカプセル150mg 【製薬メーカー:マイラン製薬】 |
関連製品(ジェネリック) |
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効果・作用 |
「システアミン酒石酸塩」は、腎性シスチン症に用いられる薬で、腎臓、眼の角膜、甲状腺、膵臓など全身のさまざまな臓器の細胞に蓄積しているシスチンを取り除くことにより、病気の進行を遅らせます。
腎性シスチン症では、シスチン輸送を担うシスチノシン遺伝子の変異により、ライソゾーム内にシスチンが蓄積することにより、各種臓器障害が生じますが、「システアミン酒石酸塩」は、ライソゾームに蓄積するシスチンと反応して、システイン-システアミン混合ジスルフィド及びシステインを生成し(ジスルフィド交換反応)、細胞内のシスチン濃度を低下させます。 |
使用方法 |
▼用法用量
・12歳未満の患者又は体重50kg未満の患者には、システアミンとして1日1.3g/m2(体表面積)、体重50kgを超える12歳以上の患者には、システアミンとして1日2gを4回に分割し経口投与します。投与は少量より開始し、4~6週間以上かけて上記用量まで漸増します。なお、患者の状態に応じて適宜増減しますが、1日1.95g/m2(体表面積)を上限とします。 |
副作用 |
重大な副作用
▼中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
■良性頭蓋内圧亢進(偽性脳腫瘍)、視神経乳頭浮腫(頻度不明)
良性頭蓋内圧亢進(偽性脳腫瘍)、視神経乳頭浮腫があらわれることがあります。頭痛、悪心・嘔吐、一過性視力障害や複視等の症状が認められた場合には減量又は投与を中止するなど、適切な処置を行ってください。また、無症状のことがあるので定期的な眼科の診察を行うなど注意してください。
■エーラース・ダンロス症候群(Ehlers-Danlos症候群)様の症状(頻度不明)
1日1.95g/m2(体表面積)を超える高用量で治療された小児には、エーラース・ダンロス症候群様の症状があらわれることがあります。高用量投与時には注意してください。また、投与開始に先立ち、主な副作用及びその初期症状について患者に説明して、特に、良性頭蓋内圧亢進(偽性脳腫瘍)又は視神経乳頭浮腫、エーラース・ダンロス症候群様の症状、痙攣、脳症等の中枢神経系症状、消化性潰瘍、消化管出血の初期症状が認められた場合には速やかに主治医に相談するよう指導してください。エーラース・ダンロス症候群様の症状として、皮膚血管障害、関節痛、皮膚の過伸展、骨病変があらわれることがあります。定期的な皮膚の診察や必要に応じて骨病変を評価するためのX線検査を行うなど観察を十分に行うことや、皮膚や骨に異常が認められた場合には速やかに受診するよう患者に指導してください。異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
■痙攣、脳症(頻度不明)
痙攣、脳症があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
■消化性潰瘍、消化管出血(頻度不明)
消化性潰瘍、消化管出血があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
■間質性腎炎(頻度不明)
腎不全を伴う尿細管間質性腎炎があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
その他の副作用
・γ-GTP増加、AST増加、ALT増加、ALP増加等の肝機能検査値異常
・白血球減少症
・嘔吐、悪心、下痢
・腹痛、呼気臭、消化不良、胃腸炎
・関節過伸展、下肢痛、X脚、骨減少症、圧迫骨折、側弯症
・頭痛
・傾眠
・食欲不振
・皮膚臭異常、発疹
・毛髪変色、皮膚線条、皮膚脆弱性(肘にモルスクム様偽腫瘍)
・嗜眠、発熱
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■システアミン又はペニシラミンに対し過敏症の既往歴のある患者
システアミン又はペニシラミンに対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。
使用に注意が必要な方 ■消化性潰瘍又はその既往歴のある患者
消化性潰瘍又はその既往歴のある患者は、消化性潰瘍を悪化又は再発するおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■嚥下困難を合併する等、誤嚥を起こすおそれのある患者
嚥下困難を合併する等、誤嚥を起こすおそれのある患者は、投与する際には十分注意してください。誤嚥による窒息の危険性があります。
■透析中の患者
透析中の患者は、本剤投与の可否を慎重に検討して、投与する場合には定期的に患者の状態を観察しながら用量を調節してください。血液透析中患者において、血漿中システアミンのAUCが21-66%低下したとの報告があります(外国人データ)。また、副作用の発現が増加する傾向があります。
■肝障害又はその既往歴のある患者
肝障害又はその既往歴のある患者を対象とした臨床試験は実施していません。
■妊婦又は妊娠している可能性のある女性
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。また、これらの患者に投与する場合には、本剤による催奇形性について十分に説明してください。動物実験(ラット)において、ヒトの臨床用量を下回る用量で催奇形性(口蓋裂、脊柱後弯、心室中隔欠損、小頭症、外脳症)を含む胎児毒性が認められています。また、動物試験(ラット)において、2.25g/m2の用量(推奨維持用量の1.7倍)で受胎能の低下が報告されています。
■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮して、授乳の継続又は中止を検討してください。動物実験(ラット)でシステアミンを投与された母動物に哺育された児動物に離乳時生存率の低下が報告されています。
■小児等
誤嚥の危険性がある小児に投与する際には十分注意してください。誤嚥による窒息の危険性があります。
■高齢者
誤嚥の危険性がある高齢者に投与する際には十分注意してください。誤嚥による窒息の危険性があります。また、高齢者は一般に生理機能が低下していることが多いことから、患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。
上記にあてはまる方は、システアミン酒石酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 システアミン酒石酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
報告なし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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