トレチノイントコフェリル

成分名

トレチノイントコフェリル

適応症状

・下腿/糖尿病性/熱傷/皮膚潰瘍
・褥瘡

簡易説明

・布団などと触れる部分の皮膚が長い間の圧迫での血流悪化により皮膚や筋肉などの組織が壊死する瘡(床ずれ)などの皮膚潰瘍に使用されます。
・感染制御、壊死組織の除去、創面の修復、血管新生など作用は様々であり、創面(傷口)の状態に合わせて薬剤を使い分けます。
・褥瘡以外にも外傷、熱傷、手術の傷などの皮膚潰瘍の治療にも使用されております。

処方可能な診療科目

内科/皮膚科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1000円~
薬代1mgあたりの目安:1mg約44.2円/g
薬代後発薬1mgの目安:1mg約152円/g
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 1992年12月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外製品ジェネリックあり)

関連製品(先発薬)

オルセノン軟膏0.25%【製薬メーカー:サンファーマ】

関連製品(ジェネリック)

オルセノン軟膏0.25%【製薬メーカー:ポーラファルマ】

効果・作用

・トレチノイントコフェリルは、創傷自然治癒の増殖過程や組織修復過程において創傷部に出現するマクロファージ、線維芽細胞及び血管内皮細胞に創傷部位で直接作用し、血管新生を伴った肉芽形成を促します。
・褥瘡は布団やベッドなどと触れる部分の皮膚が、長い間圧迫され続けることで血流が悪くなり皮膚や筋肉などの組織が壊死する状態です。創面の色調により病期が黒色期、黄色期、赤色期、白色期の4期に分かれます。治療目標は、大きく分けると以下の通りになります。
「黒色期」は、壊死した組織の塊が黒く変色して付着した状態です。
「黄色期」は、塊状の黒色壊死組織が取り除かれ、黄土色の深部壊死組織や不良肉芽が露出するようになる状態です。
「赤色期」は、傷が治る過程で「肉芽組織」と呼ばれる血管に富む組織が成長してくる時期のことです。
「白色期」は、肉芽組織が盛り上がり、周囲の皮膚との段差がなくなると周囲皮膚から「上皮化」と言って皮膚ができて傷が塞がる過程の時期のことです。

≪褥瘡の症状≫
・褥瘡の症状は、急性期か慢性期かによってことなります。
・急性期は発生して1~2週間、発赤、紫斑、水疱、びらん等の症状を伴います。この時点では褥瘡の深さは鑑別できないため、褥瘡部位の観察と保護が重要です。のちに治癒するか、深い褥瘡の慢性期に移行します。
・慢性期の症状・病態は日々変化するため「DESIGN-R」によって褥瘡の状態・重症度を評価します。
DESIGN-Rとは以下の頭文字です。最後のRはRating(評価)の頭文字となります。
Depth(深さ)
Exudate(滲出液)
Size(大きさ)
Inflammation・Infection(炎症・感染)
Granulation(肉芽組織)
Necrotic tissue(壊死組織)
つまり、褥瘡を「深さ」と「浸出液」と「大きさ」と「炎症・感染」と「肉芽組織」と「壊死組織」で「評価」するのが、DESIGNーRとなります。

≪トレチノイントコフェリルの特徴≫
・乳剤性基剤を用いていることが特徴となっており、水分含有量が多く、補水効果により湿潤環境の不足を補う。湿潤過多による浮腫性肉芽や、抗菌作用を持たないため感染に注意する必要があります。

≪副作用を避けるためのポイント≫
①部分的に試し塗りをしてみる
皮膚の赤みや痛み、皮むけなどが多く起きますので、最初は全体に塗らずに部分的に試し塗りをするのがよいでしょう。注意点として、皮膚が慣れてしまうことを避けるため、試し塗りは1~2週間程度の短い期間にした方がよいでしょう。顔の中では、目や口の周り、小鼻周辺は荒れやすく、荒れるようであれば避けたほうがよいでしょう。塗布する時には、洗顔後にタオルでやさしく拭いた後、20~30分待ってから塗るようにした方が、副作用のリスクが下がるといわれています。
②皮膚に刺激を与えない
治療中は、皮膚がいつもより敏感なので、日焼けや皮膚の摩擦、化粧品の成分などには気を付ける必要があります。皮膚をこすってしまうと皮膚の黒ずみや肌荒れ、乾燥の原因になることがあります。特に頬骨があるような固い部分は、皮膚をこすることによる炎症が起きやすい場所なので注意が必要となります。洗顔、クレンジング、メイク、タオルで顔を拭く時は、皮膚をこすらないように気を付けましょう。化粧水や乳液などの基礎化粧品はアルコールが入っていないような皮膚に刺激の少ないものを使用した方が、皮膚の炎症症状を引き起こすリスクが低くなります。風や寒さ、乾燥なども皮膚への刺激になりますので、乾燥を防ぐために、丁寧な保湿を心がけましょう。

≪創面の状態に合わせた薬剤選択をする≫
・滲出液が多いウエットな創面に対しては、創面の水分を吸収する「吸水性基剤」を選択するのが基本となります。
・滲出液が少ないドライな創面に対しては、創面に水分を与える「補水性基剤」を選択して用いるのが基本となります。
・水溶性基剤には、吸水性があり
・O/W乳剤性基剤には、補水性があり
・油脂性基剤,W/O乳剤性基剤には、創面保護・保湿性がある

▼他の褥瘡・皮膚潰瘍治療薬▼
ユーパスタ カデックス ヨードコート/ゲーベン/ブロメライン/プロスタンディン/フィブラスト

使用方法

・症状及び病巣の大きさに応じて適量を使用すること
・潰瘍面を清拭後、1日1〜2回ガーゼなどにのばして貼布するか、又は患部に直接塗布すること

副作用

主な副作用
発赤、皮膚症状、感染、疼痛、刺激感、紅斑、皮膚そう痒、出血

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・過敏症の方

■トレチノイントコフェリルを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方オルセノンは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼オルセノンの有効成分
トレチノイントコフェリル
▼代表薬の添加物
ジブチルヒドロキシトルエン、軽質流動パラフィン、セタノール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、濃グリセリン、D-ソルビトール液、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、乳酸、水酸化ナトリウム

併用禁忌薬

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
薬を塗れば日焼けサロンに行っても大丈夫ですか?

治療中に、海やアウトドアスポーツなどで強い紫外線を浴びると、日焼けによって皮膚が黒くなってしまう場合があるので要注意となります。医師にご相談ください。

効果が落ちてきた場合はどうしたらいいでしょうか?

効果を高めるためには、2~3か月使ったら1か月休むというようにするとよいでしょう。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。