成分名 |
デュラグルチド(遺伝子組換え) |
適応症状 |
2型糖尿病 |
簡易説明 |
デュラグルチド(遺伝子組換え)は持続性GLP-1受容体作動薬として作用する2型糖尿病治療薬になります。デュラグルチドはジペプチジルペプチダーゼ(DPP-4)による不活性化を回避し、且つ免疫原性を軽減する事を目的としてGLP-1アナログ領域のアミノ酸配列が改良されています。デュラグルチドは膵臓におけるβ細胞に存在するGLP-1受容体に結合する事により発現し、グルコース動態とグルコール代謝を調節し、空腹時及び食後血漿中グルコース濃度を低下させることで血糖コントロールを改善します。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/消化器内科外科/精神科/など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~5,000円
薬代1キットあたりの目安:0.75mg約2,800円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
デュラグルチド(遺伝子組換え)を主成分とする医療用医薬品であるトルリシティ皮下注0.75mgアテオスは、2015年7月3日に製造販売が承認されました。その後2015年8月31日に薬価基準に収載され、2015年9月16日に販売が開始されました。 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
トルリシティ皮下注0.75mgアテオス【製薬メーカー:日本イーライリリー株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
米国(国名)では、Trulicity(販売名)をEli Lilly and Company(会社名)が2014年に発売しました。
欧州(国名)では、Trulicity(販売名)をEli Lilly Nederland B.V.(会社名)が2015年に発売しました。 |
効果・作用 |
デュラグルチド(遺伝子組換え)を主成分とする医療用医薬品であるトルリシティ皮下注0.75mgアテオスは、は2型糖尿病にたいして効果のある医薬品になります。
「作用機序について」
デュラグルチド(遺伝子組換え)は、膵臓におけるβ細胞膜上のGタンパク質共役受容体であるGLP-1受容体を介してアデニル酸シクラーゼを活性化させ、膵β細胞内のcAMP濃度を増加させます。その結果、細胞内カルシウムイオン濃度が高まり、グルコース刺激を介するインスリン分泌の作用機序(惹起経路)を増強する事で、高濃度グルコース存在下でインスリン分泌を亢進します。(増幅経路と呼びます)
「惹起経路とは」
グルコースが膵β細胞内に糖輸送担体を介する事によって取り込まれ、細胞内ミトコンドリアにより代謝される事により、細胞内において、アデノシン三リン酸(ATP)濃度が上昇し、感受性カリウムチャネルが閉じられることによって細胞膜の脱分極が起こります。これによって電位依存性カルシウムチャネルが開き、カルシウムイオンが流入してきます。細胞内のカルシウムイオン濃度が高まる事によってインスリンが分泌されます。これを惹起経路と呼びます。
デュラグルチドの主な薬理作用は。①グルコース応答性インスリン分泌作用、②グルカゴン分泌抑制作用、③胃内容排出遅延作用が報告されています。これらの薬理作用により、グルコース動態及びグルコース代謝を調節する事によって、空腹時及び食後血漿中グルコース濃度が低下し、血糖コントロールを改善します。 |
使用方法 |
通常、2型糖尿病を治療する目的で成人へ投与する場合には、デュラグルチドとして、0.75mgを1週間毎に1回、皮下注射します。 |
副作用 |
重大な副作用
1)低血糖(頻度不明)
低血糖症状として脱力感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、知覚異常等が現れる事があります。
2)アナフィラキシー、血管浮腫(頻度不明)
蕁麻疹、口唇腫脹、咽・喉頭浮腫、呼吸困難等の異常が認められることがあります。
3)急性膵炎(0.1%)
嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等の異常が認められることがあります。
4)腸閉塞(頻度不明)
高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められる事があります。
5)重度の下痢、嘔吐(頻度不明)
重度の下痢、嘔吐から脱水を続発し、急性腎障害に至った例も報告されています。
6)胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞黄疸(いずれも頻度不明)
その他の副作用
循環器、消化器、肝胆道、注射部位、過敏症、その他の副作用が報告されております。
発生頻度は以下の通りです。
1)循環器
心拍数増加(1%未満)
洞性頻脈、PR間隔延長/第一度房室ブロック(頻度不明)
2)消化器
便秘、悪心、下痢(5%以上)
食欲減退、消化不良、嘔吐、腹部不快感、腹痛、腹部膨満感(1~5%未満)
胃食道逆流性疾患、おくび、胃炎(1%未満)
3)肝胆道
胆石症(頻度不明)
4)注射部位
注射部位反応(紅斑、炎症、掻痒感、腫脹、発赤等)(1~5%)
5)過敏症
過敏症反応(浮腫、蕁麻疹等)(1%未満)
6)その他
疲労(1%未満)
過敏症の反応等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■デュラグルチド(遺伝子組換え)を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、トルリシティ皮下注0.75mgアテオスはアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼トルリシティ皮下注0.75mgアテオスの有効成分:
デュラグルチド(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物:
・クエン酸ナトリウム水和物、無水クエン酸、D-マンニトール、ポリソルベート80
2)糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、Ⅰ型糖尿病の患者
インスリン製剤による速やかな治療が必要となる為、使用できません。
3)重症感染症、手術等の緊急の場合
使用に注意が必要な方 1)合併症・既往歴等のある患者
①重症胃不全麻痺等の重度の胃腸障害のある患者
使用経験がなく、胃腸障害の症状が悪化する恐れがある為使用には注意が必要です。
②膵炎の既往歴のある患者
③低血糖を起こすおそれがある以下の患者又は状態
・脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
・栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態
・激しい筋肉運動
・過度のアルコール摂取
④腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者
2)妊婦
動物実験において母動物の摂餌量の減少及び体重の低下に起因した胎児の発育遅延や骨格への影響が認められた為使用には注意が必要です。
3)授乳婦
4)小児等
5)高齢者
高齢者では一般的に生理機能が低下していることが多い為使用には注意が必要です。
上記にあてはまる方は、デュラグルチド(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。 デュラグルチド(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)糖尿病用薬(ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、αーグルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、DPP-4阻害剤、インスリン製剤、SGLT2阻害剤等)
血糖降下作用が増強され、低血糖のリスクが増加する恐れがある為併用には注意が必要です。
2)血糖降下作用が増強される薬剤(β遮断剤、モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤等
血糖降下作業が増強される為併用には注意が必要です。
3)血糖降下作用が減弱される薬剤(アドレナリン、副腎皮質ステロイド、甲状腺ホルモン等)
血糖降下作用が減弱される為併用には注意が必要です。
4)クマリン系薬剤(ワルファリンカリウム):
本剤の胃内容物排出遅延作用によりワルファリンのtmaxが遅延する為併用には注意が必要です。
上記を使用している方は、デュラグルチド(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。 デュラグルチド(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
デュラグルチド(遺伝子組換え)に関する よくある質問 |
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