チアミンジスルフィド

成分名

チアミンジスルフィド

適応症状

・ウェルニッケ脳炎
・脚気衝心
・食事からの摂取が不十分/甲状腺機能亢進症/授乳婦/消耗性疾患/妊産婦/激しい肉体労働時のビタミンB1の補給
・ビタミンB1欠乏症の治療/予防/胃腸運動機能障害/関節痛/筋肉痛/術後腸管麻痺/神経痛/便秘/末梢神経炎/末梢神経麻痺
・ビタミンB1代謝障害の胃腸運動機能障害/関節痛/術後腸管麻痺/神経痛/便秘/末梢神経炎/末梢神経麻痺

簡易説明

・ビタミンB1が不足するとエネルギー生産が滞り疲労物質が蓄積しやすくなり、中枢神経や末梢神経の働きが不調をきたし、ウェルニッケ脳症、コルサコフ症候群、脚気などの症状を起こします。チアミンジスルフィドは、ビタミンB1製剤であり、ビタミンB1不足によっておこる中枢神経障害を改善する作用があります。また、輸液施行時などによるビタミンB1不足を予防する目的で使われる場合もある。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1000円~
薬代1管あたりの目安:1管50mg 約57円
薬代後発薬1管の目安:1管10mg 約50.0円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 1975年1月

国内のジェネリック認可

あります

関連製品(先発薬)

チアミンジスルフィド錠10mg「ツルハラ」【製薬メーカー:鶴原製薬】
バイオゲン静注50mg【製薬メーカー:扶桑薬品工業】

関連製品(ジェネリック)

チアデラ静注10mg/25mg/50mg【製薬メーカー:東和薬品】
ビーカップ注10mg【製薬メーカー:コーアイセイ】
ビーカップ静注50mg【製薬メーカー:コーアイセイ】
プラチアミン50注射液【製薬メーカー:共和薬品】

効果・作用

・ビタミンB1欠乏症の予防及び治療につかわれております。
・ビタミンB1は、糖分のエネルギー変換や、神経の働きにかかわっています。また、アルコールの分解にも必要です。その欠乏症として、脚気がよく知られています。また、栄養補給の目的で使用したり、神経痛や筋肉痛、関節痛、さらに腰痛や肩こりの治療に用いることがあります。お酒をたくさん飲む人にも向いています。ビタミンB群は水溶性ビタミンなので、尿から容易に排泄されます。
・ビタミンBは水溶性(水に溶けやすい性質)ビタミンで、B1・B2・ナイアシン・パントテン酸・B6・B12・ビオチン・葉酸などに分かれます。

≪薬効病理≫
・チアミンジスルフィド(TDS)はアノイリナーゼによる分解をほとんど受けず腸管からそのままの型で吸収されて、生体内でビタミンB1作用を示す。

≪食生活とビタミン≫
・普通に食事をとっている健康な人では、ビタミンが欠乏することはありません。栄養剤としてビタミンの補給が必要なのは、消耗性の病気や胃腸に病気のある人などです。妊娠中の女性や、ひどい肉体疲労時などにも用いますが、十分に食事がとれていれば、必ずしも必要ではありません。無理なダイエットや偏食が続くと、ビタミンが不足がちになってくるかもしれません。そのような場合は、薬やサプリメントだけに頼るのではなく、普通に食事をとることが何より大切です。

≪ビタミンB1誘導体とは≫
体のなかでビタミンB1になって、効果を発揮するプロドラッグです。疲労改善を目的にビタミンB1を補給することは有用です。そこで、効果的にビタミンB1をとるのに適しているのが、ビタミンB1誘導体なのです。
①腸管吸収がよい
食事から摂ったビタミンB1は小腸から体内に吸収されますが、吸収性が低く、一度に大量に摂っても10mgまでしか吸収されません。ビタミンB1とビタミンB1誘導体の吸収性を比べると、はるかにビタミンB1誘導体の方が高いことがわかっています。
②吸収されてから、各組織により多く移行
食事からのビタミンB1では移行しにくい筋肉や脳にもより多く移行します。健康を維持するためには、ビタミンB1をはじめとするビタミンを食事から十分に摂ることが必要です。しかし、時に疲れ、だるさなどが長く続くことがあります。このようなときは、ビタミンの必要量を考慮して医薬品などにより補給することが必要です。

≪ウェルニッケ脳症≫
ウェルニッケ脳症とは、ビタミンB1(チアミン)の欠乏によって意識障害、失調性歩行、眼球運動障害などが引き起こされる脳の病気です。アルコール依存症の人や偏食のある人などにみられ、ビタミンB1の欠乏の程度が重度になると、脳の奥のほうに位置する脳幹部、視床、乳頭体といった場所に小さな出血を伴う病巣が生じます。その影響から、意識障害、失調性歩行、眼球運動障害などの症状が急激に現れます。早期にビタミンB1を大量に投与すれば回復しますが、見逃された場合、昏睡こんすいをきたして死に至ることもあります。死に至らなくても、治療が遅れると記銘力障害や失見当識、作話などを特徴とするコルサコフ症候群に移行します(移行率56~84% )。コルサコフ症候群へ移行後は回復が難しくなるため、ウェルニッケ脳症の段階で早期発見し、早期治療を行うことが重要となります。

≪脚気衝心≫
・ビタミンB1欠乏症による心不全のこと。衝心脚気・脚気心・脚気衝心とも呼ばれる。脚気には神経症状もみられるが、心不全とは別の病態と明治期には主張するものがいた。現在ではビタミンB1欠乏症であることが判明しており、ビタミンB1投与で改善することが知られている。

▼一般的な商品とその特徴▼
・アリナミン
天然のビタミンB1より体内で利用されやすくなっている製剤です。
錠剤、注射剤があり用途などによって選択が可能です。

使用方法

1回10mg1日1〜3回経口投与する
なお、年齢、症状により適宜増減する

副作用

過敏症状、悪心、嘔吐、かゆみ、口内不快感

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■チアミンジスルフィドを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方チアミンジスルフィドは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼チアミンジスルフィドの有効成分
チアミンジスルフィド
▼代表薬の添加物
グルクロノラクトン10mg、pH調節剤、黄色4号(タートラジン)、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、精製白糖、タルク、沈降炭酸カルシウム、アラビアゴム末、硫酸カルシウム、カルナウバロウ

■その他の仕様出来ない方
・過敏症

上記にあてはまる方は、チアミンジスルフィドを使用する事が出来ない可能性があります。
チアミンジスルフィドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ビタミンB1が多く含む食品はなんですか?

酵母、米、豚、小麦、ひまわり、けし、まいたけ、ごま、青のりなどが多く含まれております。

チアミンジスルフィドでコルサコフ症候群は完治しますか?

チアミンジスルフィドでビタミンの補給、治療をしても症状がなかなか改善しない場合が多いとされております。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。