成分名 |
アミノ酸製剤高濃度アミノ酸液 |
適応症状 |
低タンパク血症、低栄養状態、手術前後におけるアミノ酸の補給 |
簡易説明 |
アミパレン輸液はアミノ酸製剤の中の「高濃度アミノ酸液」に分類され、低タンパク血症、低栄養状態、手術前後におけるアミノ酸の補給に使用されます。BCAA含有率が高く、必須アミノ酸を増量することでE/N比も1.79と高く、また過量投与によって毒性となるアミノ酸を減量していて、侵襲時に特に有用とされていることから侵襲時用アミノ酸輸液とも呼ばれています。 |
処方可能な診療科目 |
外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~2,000円
薬代1袋あたりの目安:200ml約348円/ 300ml約422円/400ml約527円
薬代後発薬1袋の目安:アミパレン輸液に対する後発品はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:1988年5月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
モリプロンF輸液【製薬メーカー:エイワイファーマ】
アミニック輸液【製薬メーカー:エイワイファーマ】
モリアミンS注【製薬メーカー:エイワイファーマ】
アミパレン輸液【製薬メーカー:大塚製薬】
アミゼットB輸液【製薬メーカー:テルモ】
プロテアミン12注射液【製薬メーカー:テルモ】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
※本ページは、代表的なアミノ酸製剤(高濃度アミノ酸液)に分類されているアミパレン輸液に関する記載となります。
※この分類は「輸液製剤協議会」の分類方法を参照しております。
■アミパレン輸液の組成
1袋(200mL)中に下記成分を含んでいます。
<アミノ酸>
・グリシン:1.18g
・L‐グルタミン酸:0.20g
・L‐メチオニン:0.78g
・L‐ヒスチジン:1.00g
・L‐アラニン:1.60g
・L‐セリン:0.60g
・L‐イソロイシン:1.60g
・L‐バリン:1.60g
・L‐チロシン:0.10g
・L‐システイン:0.20g
・L‐ロイシン:2.80g
・L‐トレオニン:1.14g
・L‐トリプトファン:0.40g
・L‐フェニルアラニン:1.40g
・L‐プロリン:1.00g
・L‐アルギニン:2.10g
・L‐アスパラギン酸:0.20g
・L‐リシン酢酸塩(L‐リシンとして):2.96g(2.10g)
<添加物>
・氷酢酸:適量
・亜硫酸水素ナトリウム:0.04g
<組成>
・総遊離アミノ酸量:20.00g
・非必須アミノ酸量:7.18g
・必須アミノ酸量:12.82g
・必須アミノ酸/非必須アミノ酸:1.79
・分岐鎖アミノ酸含有率:30.0w/w%
・総窒素量:3.13g
<電解質>
・クロライドイオン:含まない
・ナトリウムイオン:約0.4mEq
・酢酸イオン:約24mEq
<性状>
・pH:6.5〜7.5
・浸透圧比(生理食塩液に対する比):約3
<効果・作用>
アミパレン輸液はアミノ酸製剤の中の「高濃度アミノ酸液」に分類されます。アミノ酸輸液検討会から提唱された基準(TEO基準)に準拠して組成が作成されており、その組成から侵襲時用アミノ酸輸液とも呼ばれています。
具体的には分岐鎖アミノ酸(BCAA)含有率が30.0w/w%と高く、必須アミノ酸を増量することでE/N比(必須アミノ酸/非必須アミノ酸)も1.79と高く、また過量投与によって毒性となるアミノ酸を減量していて、侵襲時に特に有用とされています。
アミパレン輸液は大きい分類としては「アミノ酸製剤」に該当します。アミノ酸製剤はタンパク質を構成するアミノ酸を主成分とする輸液製剤であり、一般的には、経口摂取が困難な状態の方に対して、栄養補給や治療のために静脈内投与されます。
アミノ酸は日々の食事や、生化学的反応(タンパク質の分解など)によって生体内に蓄積されて言いますが、一方で尿中への排泄や、生化学的反応(タンパク質の合成など)も起こっており、1日のターンオーバーは全タンパク質の1~2%に及ぶとされています。つまり、アミノ酸製剤によるアミノ酸補給を行ってアミノ酸の量を維持させたい場合は、1日のタンパク質排泄量を加味し、必要なタンパク質をバランスよく摂取する必要があります。その必要なタンパク質のバランスは病態や年齢によって異なるため、アミノ酸製剤は以下のとおり4種類に分類されています。
・高濃度アミノ酸液:バランスがよく、長期処方に向いている「総合アミノ酸輸液」と、BCAAが高く、必須アミノ酸が増量され、過量投与によって毒性となるアミノ酸を減量していて侵襲時に使用が推奨される「侵襲時用アミノ酸輸液」があります。
・腎不全用アミノ酸液:腎不全、とくに透析導入に至る前の保存期腎不全の方に対して末梢静脈栄養、中止静脈栄養で使用されます。腎機能を維持しながら尿毒症の改善を図り、栄養状態の改善と維持を目的に使用します。
・肝不全用アミノ酸液:肝不全の方に使用します。肝性脳症に対して、BCAAを多く、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファンを少なく、チロシンを含まない特殊な構成となっています。
・小児用アミノ酸液:新生児、乳児、1~3歳の幼児に対するアミノ酸補給として使用します。この時期の小児は急速な成長が起きている反面、アミノ酸の分解能力が未熟であり、成人用アミノ酸輸液を使用してしまうと特定のアミノ酸の過剰摂取、欠乏状態をきたす可能性があるので、小児用に最適なアミノ酸構成となっています。 |
使用方法 |
■末梢静脈投与
・成人(15歳以上)のケース:1回200〜400mLをゆっくりと点滴静注します。
投与するスピードは、60分間に10グラム前後(アミノ酸の量として)が体内利用として望ましく、成人であれば100mLあたり約60分での投与を基準とし、小児、高齢者、各種疾患が重篤な方に対してはさらにスピードを落として点滴静注します。
※なお、体重、年齢、症状に応じて、医師の判断のもと適宜増量、減量することができます。
※生体のアミノ酸利用効率を考慮し、糖類輸液剤と同時に使用することが望ましいとされています。
■中心静脈投与
・成人(15歳以上)のケース:1日400〜800mLを高カロリー輸液法によって、中心静脈内に持続点滴注入します。
※なお、体重、年齢、症状に応じて、医師の判断のもと適宜増量、減量することができます。 |
副作用 |
主な副作用
・大量、急速投与:アシドーシス
・消化器系:嘔吐、吐き気、悪心
・肝臓系:ALTの上昇、ASTの上昇、総ビリルビンの上昇
・腎臓系:BUNの上昇
・過敏症:発疹
・循環器系:胸部不快感、動悸、息切れ
・その他:血管部の痛み、悪寒、熱感、発熱、頭痛
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・L‐グルタミン酸、L‐メチオニン、L‐ヒスチジン、L‐アラニン、L‐セリン、L‐イソロイシン、L‐バリン、L‐チロシン、L‐システイン、L‐ロイシン、L‐トレオニン、L‐トリプトファン、L‐フェニルアラニン、L‐プロリン、L‐アルギニン、L‐アスパラギン酸、L‐リシン酢酸塩を配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、アミパレン輸液はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼アミパレン輸液の有効成分
L‐グルタミン酸、L‐メチオニン、L‐ヒスチジン、L‐アラニン、L‐セリン、L‐イソロイシン、L‐バリン、L‐チロシン、L‐システイン、L‐ロイシン、L‐トレオニン、L‐トリプトファン、L‐フェニルアラニン、L‐プロリン、L‐アルギニン、L‐アスパラギン酸、L‐リシン酢酸塩
▼代表薬の添加物
氷酢酸、亜硫酸水素ナトリウム
・重篤な腎障害を患っている方、または高窒素血症を患っている方
・肝性昏睡または肝性昏睡の可能性のある方
・アミノ酸代謝機能に異常を持っている方
※アミパレン輸液中のアミノ酸を分解することができず、アミノ酸インバランスが助長される可能性があります。
使用に注意が必要な方 ・高度のアシドーシス状態の方
※アシドーシスがさらに悪化する可能性があります。
・うっ血性心不全を患っている方
※体内の血液量の増加によって、上記症状が悪化する可能性があります。
・低ナトリウム血症状態の方
※低ナトリウム血症が悪化する可能性があります。
・重篤な腎障害を患っている方、または高窒素血症の方(透析または血液ろ過を実施している方)
※アミノ酸が分解されて生成される尿素などが体内に蓄積し、上記症状が悪化する可能性があります。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ投与してください。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
・小児
※低出生体重児および新生児を対象としている、安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、投与スピードをゆっくりにし、用量を減量するなどの注意が必要です。
上記にあてはまる方は、アミノ酸製剤高濃度アミノ酸液を使用する事が出来ない可能性があります。 アミノ酸製剤高濃度アミノ酸液を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
アミノ酸製剤高濃度アミノ酸液に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
アミパレン輸液 【アミパレン輸液 添付文書】
組成表検索 【輸液製剤協議会】 |
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