成分名 |
アミノ酸製剤腎不全用アミノ酸液 |
適応症状 |
低栄養状態、低タンパク血症、手術前後の状態にある急性・慢性腎不全時のアミノ酸補給 |
簡易説明 |
キドミン輸液はアミノ酸製剤の中の「腎不全用アミノ酸液」に分類され、低栄養状態、低タンパク血症、手術前後の状態にある急性・慢性腎不全時のアミノ酸補給に使用します。腎不全状態においても安全性や有効性を担保するため、必須アミノ酸を中心に最低限の非必須アミノ酸の組成バランスとし、BCAA含有量は45.8w/w%と高くしています。 |
処方可能な診療科目 |
外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~2,000円
薬代1袋あたりの目安:200ml約439円/300ml約612円
薬代後発薬1袋の目安:キドミン輸液に対する後発品はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:1996年9月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ネオアミユー輸液【製薬メーカー:エイワイファーマ】
キドミン輸液【製薬メーカー:大塚製薬】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
※本ページは、代表的なアミノ酸製剤(腎不全用アミノ酸液)に分類されているキドミン輸液に関する記載となります。
※この分類は「輸液製剤協議会」の分類方法を参照しております。
■キドミン輸液の組成
1袋(200mL)中に下記成分を含んでいます。
<アミノ酸>
・L-トリプトファン:0.500g
・L-グルタミン酸:0.200g
・L-アルギニン:0.900g
・L-プロリン:0.600g
・L-セリン:0.600g
・L-アラニン:0.500g
・L-トレオニン:0.700g
・L-ヒスチジン:0.700g
・L-メチオニン:0.600g
・L-システイン:0.200g
・L-フェニルアラニン:1.000g
・L-イソロイシン:1.800g
・L-チロシン:0.100g
・L-ロイシン:2.800g
・L-バリン:2.000g
・L-アスパラギン酸:0.200g
・L-リシン酢酸塩(L-リシンとして):1.420g(1.007g)
<添加剤>
・亜硫酸水素ナトリウム:0.040g
・氷酢酸:適量
<組成>
・総遊離アミノ酸量:14.41g
・必須アミノ酸量:11.11g
・非必須アミノ酸量:3.30g
・必須アミノ酸/非必須アミノ酸:3.37
・分岐鎖アミノ酸含有率:45.8w/w%
・総窒素量:2.00g
<電解質>
・クロライドイオン:含まない
・ナトリウムイオン:約0.4mEq
・酢酸イオン:約9mEq
<性状>
・pH:6.5〜7.5
・浸透圧比(生理食塩液に対する比):約2
<効果・作用>
キドミン輸液はアミノ酸製剤の中の「腎不全用アミノ酸液」に分類されます。腎臓の機能を維持し、尿毒症の治療を行いつつ、栄養の改善・維持をするために使用します。腎不全状態では、腎臓でのアミノ酸代謝が障害されており、また治療としてタンパク質の摂取が日々制限されているため、血中必須アミノ酸(とくにBCAAとスレオニン)が低下してしまい、チロシン、ヒスチジン以外の非必須アミノ酸の濃度は高値を示すケースが多くなります。安全性や有効性を鑑み、必須アミノ酸を中心に最低限の非必須アミノ酸の組成とするためE/N比を調整し、BCAA含有量は45.8w/w%と高くしています。
キドミン輸液は大きい分類としては「アミノ酸製剤」に該当します。アミノ酸製剤はタンパク質を構成するアミノ酸を主成分とする輸液製剤であり、一般的には、経口摂取が困難な状態の方に対して、栄養補給や治療のために静脈内投与されます。
アミノ酸は日々の食事や、生化学的反応(タンパク質の分解など)によって生体内に蓄積されて言いますが、一方で尿中への排泄や、生化学的反応(タンパク質の合成など)も起こっており、1日のターンオーバーは全タンパク質の1~2%に及ぶとされています。つまり、アミノ酸製剤によるアミノ酸補給を行ってアミノ酸の量を維持させたい場合は、1日のタンパク質排泄量を加味し、必要なタンパク質をバランスよく摂取する必要があります。その必要なタンパク質のバランスは病態や年齢によって異なるため、アミノ酸製剤は以下のとおり4種類に分類されています。
・高濃度アミノ酸液:バランスがよく、長期処方に向いている「総合アミノ酸輸液」と、BCAAが高く、必須アミノ酸が増量され、過量投与によって毒性となるアミノ酸を減量していて侵襲時に使用が推奨される「侵襲時用アミノ酸輸液」があります。
・腎不全用アミノ酸液:腎不全、とくに透析導入に至る前の保存期腎不全の方に対して末梢静脈栄養、中止静脈栄養で使用されます。腎機能を維持しながら尿毒症の改善を図り、栄養状態の改善と維持を目的に使用します。
・肝不全用アミノ酸液:肝不全の方に使用します。肝性脳症に対して、BCAAを多く、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファンを少なく、チロシンを含まない特殊な構成となっています。
・小児用アミノ酸液:新生児、乳児、1~3歳の幼児に対するアミノ酸補給として使用します。この時期の小児は急速な成長が起きている反面、アミノ酸の分解能力が未熟であり、成人用アミノ酸輸液を使用してしまうと特定のアミノ酸の過剰摂取、欠乏状態をきたす可能性があるので、小児用に最適なアミノ酸構成となっています。 |
使用方法 |
■急性腎不全の場合
成人(15歳以上)のケース:1日600mLを高カロリー輸液法で中心静脈内に持続点滴注入します。
※なお、体重、年齢、症状に応じて、医師の判断のもと適宜増量、減量することができます。
※生体におけるアミノ酸利用効率を考慮し、投与窒素1グラム(キドミン輸液:100mL)あたり300kcal以上の非タンパク熱量を投与してください。
■慢性腎不全の場合
・末梢静脈より投与するケース:成人(15歳以上)には1日1回200mLをゆっくり点滴静注します。投与スピードは100mLあたり60分をベースとし、高齢者、小児、重篤な方にはさらにゆっくり投与します。
※なお、体重、年齢、症状に応じて、医師の判断のもと適宜増量、減量することができます。
※透析療法施行時では、透析終了90〜60分前より透析回路の静脈側に注入します。
※生体におけるアミノ酸利用効率を考慮し、摂取する熱量を1日あたり1500kcal以上とすることが推奨されています。
・高カロリー輸液法で投与するケース:成人(15歳以上)には1日400mLを中心静脈内に持続点滴注入します。
※なお、体重、年齢、症状に応じて、医師の判断のもと適宜増量、減量することができます。
※生体におけるアミノ酸利用効率を考慮し、投与窒素1グラム(キドミン輸液:100mL)あたり300kcal以上の非タンパク熱量を投与してください。 |
副作用 |
主な副作用
次の副作用が引き起こされる可能性があります。観察を十分に行って、異常が確認された場合には使用を中止するなど適切な処置を行ってください。
循環器系:動悸、胸部の不快感
・消化器系:悪心、嘔吐、吐き気
・・腎臓系:クレアチニンの上昇、BUNの上昇
・肝臓系:ALT、AST、Al-P、γ-GTP、LDH、総ビリルビン上昇などの肝機能検査の値異、高アンモニア血症
・大量、急速投与:アシドーシス
・過敏症:発疹
・その他:熱感、下肢のむくみ、高カリウム血症、口の渇き、悪寒、頭痛、発熱、血管痛
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・L-トリプトファン、L-グルタミン酸、L-アルギニン、L-プロリン、L-セリン、L-アラニン、L-トレオニン、L-ヒスチジン、L-メチオニン、L-システイン、L-フェニルアラニン、L-イソロイシン、L-チロシン、L-ロイシン、L-バリン、L-アスパラギン酸、L-リシン酢酸塩を配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、キドミン輸液はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼キドミン輸液の有効成分
L-トリプトファン、L-グルタミン酸、L-アルギニン、L-プロリン、L-セリン、L-アラニン、L-トレオニン、L-ヒスチジン、L-メチオニン、L-システイン、L-フェニルアラニン、L-イソロイシン、L-チロシン、L-ロイシン、L-バリン、L-アスパラギン酸、L-リシン酢酸塩
▼代表薬の添加物
亜硫酸水素ナトリウム、氷酢酸
・肝性昏睡または肝性昏睡のリスクのある方
・高アンモニア血症を患っている方
※高アンモニア血症の悪化が引き起こされる可能性があります。
・先天性アミノ酸代謝異常症を患っている方
※キドミン輸液中のアミノ酸が分解されず、アミノ酸インバランスが助長される可能性があります。
使用に注意が必要な方 ・肝臓に障害をお持ちの方(肝性昏睡、肝性昏睡の可能性がある方を除く)
※高アンモニア血症、アミノ酸の過剰蓄積が引き起こされる可能性があります。
・消化管に出血のある方
※高アンモニア血症、アミノ酸の過剰蓄積が引き起こされる可能性があります。
・心臓や循環器系に機能障害をお持ちの方
※全身の血液量増加によって、上記症状が悪化する可能性があります。
・高度の電解質異常または酸・塩基平衡に異常のある方
※症状が悪化する可能性があります。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ投与してください。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら使用してください。
・小児
※小児などを対象としている安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。
※アミノ酸分解能力が未熟なため、投与スピードをゆっくりにし、減量するなど注意してください。
上記にあてはまる方は、アミノ酸製剤腎不全用アミノ酸液を使用する事が出来ない可能性があります。 アミノ酸製剤腎不全用アミノ酸液を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
アミノ酸製剤腎不全用アミノ酸液に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
キドミン輸液 【キドミン輸液 添付文書】
組成表検索 【輸液製剤協議会】 |
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