成分名 |
低張性電解質液術後回復液(4号液) |
適応症状 |
・術後早期および乳幼児の手術に関連した水分や電解質の補給
・カリウム貯溜のリスクのあるケースの水分や電解質の補給 |
簡易説明 |
KN4号輸液は、カリウム貯溜の可能性のある場合の水分・電解質の補給、手術後早期および乳幼児の手術における水分・電解質の補給をする目的で使用されます。体内の電解質の濃度や水分バランスが崩れるとホメオスタシスが維持できなくなりますが、失われている水分や電解質を含んでいる輸液を点滴静注することでバランスが正常化され治療効果を高めることができます。その輸液には多くの種類がありますが、KN4号輸液は低張性電解質液の術後回復液(4号液)に該当し、含まれるブドウ糖液の割合が多いので水分補給効果が高い特徴があります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
薬代1袋あたりの目安:500ml約183円
薬代後発薬1袋の目安:KN4号輸液に対する後発品はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:1990 年10月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ソリタ-T4号輸液【製薬メーカー:エイワイファーマ】
KN4号輸液【製薬メーカー:大塚製薬】
ソルデム6輸液【製薬メーカー:テルモ】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
KN4号輸液は、手術後早期および乳幼児の手術における水分・電解質の補給や、カリウム貯溜の可能性のある場合の水分・電解質の補給をする目的で使用されます。
何かしらの原因によって、体内の電解質(イオン)の濃度や水分バランスが崩れるとホメオスタシスが維持できず、生命活動において大きな支障をきたします。その際、欠乏している水分や電解質(イオン)を含んでいる輸液を点滴静注することで全身の体液バランスを正常に整え、脱水症状などの病態の治療効果を高めることができます。
その輸液には多くの種類がありますが、KN4号輸液は低張性電解質液の術後回復液(4号液)に該当します。 規格は1号〜4号ありますが基本的に水分、電解質、ブドウ糖の割合の違いとなります。KN4号輸液は含まれるブドウ糖液の割合が多いので水分補給効果が高いのが特徴です。
KN4号輸液は大きい分類として「低張性電解質液」に該当すると前述しましたが、具体的に解説すると、低張性電解質液は、体液よりも電解質濃度が低く設計されている輸液です。ブドウ糖を配合することで浸透圧のバランスを等張状態にしていますが、ブドウ糖は体内で代謝されると水に変換されるので、最終的には体液よりも浸透圧の低い輸液を投与したようなイメージとなります。そのため低張性電解質液は、細胞内液を含むからだ全体に水分を供給することが可能です。低張電解質輸液の代表的な分類としては、開始液(1号液)、脱水補給液(2号液)、維持液(3号液)、術後回復液(4号液)があり以下のような特徴があります。
・開始液(1号液):病態がわからない時や、ナトリウム・カリウム負荷に対する安全性に配慮してカリウムを含まない電解質の構成となっています。主に緊急時などに水分や電解質を補給する際の第一選択として用いられます。
・脱水補給液(2号液):細胞内に多く存在している電解質のバランスで構成されています。そのため、主に低カリウム血症や細胞内の電解質が不足している脱水時に用いられます。
・維持液(3号液): 人間の1日に必要な水分および電解質のバランスで構成されています。主に経口での水分、電解質の摂取が不可な状態、または不十分な状態における水分と電解質の補給・維持に用いられます。
・術後回復液(4号液):電解質の濃度が低く設計された構成になっています。水分の補給を目的としていて、主に腎臓の機能が低下している方、腎臓の機能が未熟な小児、術後間もない方などを対象として用いられます。 |
使用方法 |
成人(15歳以上)のケース:1回500〜1000mLを点滴静注します。
※投与する速度は、成人の場合1時間あたり300〜500mL、小児の場合1時間あたり50〜100mLとします。
※なお、体重、年齢、症状に応じて、医師の判断のもと適宜増量、減量することができます。 |
副作用 |
主な副作用
KN4号輸液は、副作用の発現頻度が明らかとなる使用成績調査などの調査が実施されていませんが、次に挙げるような副作用が引き起こされる可能性があります。使用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止するなど適切な処置を行ってください。
・大量投与、急速投与:KN4号輸液の大量投与、急速投与によって肺水腫、脳浮腫、末梢のむくみ、水中毒が引き起こされる可能性があります(1978年に行われた一次再評価の結果より)。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・塩化ナトリウム、L-乳酸ナトリウム、ブドウ糖を配合した医薬品の成分や添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分や添加物にアレルギーをお持ちの方、KN4号輸液はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼KN4号輸液の有効成分
塩化ナトリウム、L-乳酸ナトリウム、ブドウ糖
▼代表薬の添加物
pH調整剤(氷酢酸)
使用に注意が必要な方 ・高乳酸血症を患っている方
※KN4号輸液の投与によって、高乳酸血症に関与する症状の悪化が引き起こされる可能性があります。
・心不全を患っている方
※KN4号輸液の投与によって、全身の循環血液量が増加する可能性があります。その結果、心不全症状の悪化が引き起こされる可能性があります。
・腎不全を患っている方
※KN4号輸液の投与によって水分や電解質の過剰投与状態に陥りやすく、腎不全に関与する症状の悪化が引き起こされる可能性があります。
・糖尿病を患っている方
※糖尿病の病態ではブドウ糖の各組織への移行が制限されている状態にあるので、KN4号輸液の投与によって、高血糖を生じ、糖尿病の病態悪化が引き起こされる可能性があります。
・重篤な肝障害を患っている方
※KN4号輸液の投与によって、水分や電解質代謝異常の悪化が引き起こされる可能性があります。
・閉塞性尿路疾患によって尿量が減少している方
※KN4号輸液の投与によって、水分や電解質の負荷が過剰となって、閉塞性尿路疾患の症状が悪化する可能性があります。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、投与速度を落としたり、減量したりするなど注意をしながら使用してください。
上記にあてはまる方は、低張性電解質液術後回復液(4号液)を使用する事が出来ない可能性があります。 低張性電解質液術後回復液(4号液)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
低張性電解質液術後回復液(4号液)に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
KN4号輸液 【KN4号輸液 添付文書】
組成表検索 【輸液製剤協議会】 |
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