成分名 |
肝臓エキス・フラビンアデニンジヌクレオチド |
適応症状 |
栄養補給/肝疾患/ビタミンB2欠乏など |
簡易説明 |
肝臓エキス:ブタの新鮮な肝臓から抽出した液を徐蛋白後に生成した核酸構成成分
フラビンアデニンヌクレオチド:活性型ビタミンB2
海外では肝臓病、特に慢性肝臓病に肝臓の抽出エキスで治療する試みは19世紀から行われていて、1930年台にドイツのBergmann、Horsterらによって体系化されました。また、フラビンアデニンヌクレオチドは肝臓エキスの作用を助ける働きをするとともに、不足しているビタミンB2を補充します。
日本国内では株式会社三和化学研究所が肝臓エキスとフラビンアデニンヌクレオチドを配合したアデラビン(以下、本剤)を1957年に発売しました。
本剤は当初は薬物中毒、酒害、糖害、ニコチン中毒の適応症もありましたが、1989年3月1日に結果が示された再評価(最新の知見による薬の承認条件の再確認)で「提出された資料から有効性が確認できなかった」ため、削除となりました。また、当時、肝臓機能障害、ビタミンB2欠乏による疾患、消耗性疾患としていた適応症も現在の表記に変更されました。
アデラビンは2010年4月にマイラン製薬株式会社に製造販売承認が承継され、現在はヴィアトリス製薬株式会社が販売しています。 |
処方可能な診療科目 |
内科/消化器内科/皮膚科など |
健康保険の適応 |
・慢性肝疾患における肝機能の改善
・下記疾患のうちビタミンB2の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合
湿疹・皮膚炎群、口唇炎・口内炎、びまん性表層角膜炎
・ビタミンB2の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給
(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦など) |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
この薬は処方薬ではありません(薬価記載)
アデラビン9号注 1mL1管 146.00円/2mL1管 242.00円【製薬メーカー:ヴィアトリス製薬株式会社】 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
薬価基準収載年月日:1974年3月1日 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
アデラビン9号注(1mL、2mL)【製薬メーカー:ヴィアトリス製薬株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
韓国で販売されています。
販売名:ADELAVIN9_inj、販売会社:CHOONGWAE PHARMA CORPORATION、発売年 1983年 、効能・効果:慢性肝疾患における肝機能の改善、ビタミンB2欠乏による疾患 |
効果・作用 |
本剤は慢性肝疾患の方の肝機能の改善、ビタミンB2欠乏に伴う皮膚炎群等の改善、食事からのビタミンB2摂取が不十分な方へのビタミンB2補給の目的で使用されます。これらに対する作用は動物実験等の非臨床試験にて確認されています。
(肝機能障害改善作用)
・急性肝障害ラットのAST、AL-P上昇を有意に抑えました(フラビンアデニンヌクレオチド、生理食塩水との比較試験)
・慢性肝疾患のラットのAST、ALT上昇を有意に抑えました(無投薬との比較試験)。
・肝障害惹起物質によるラットの肝障害(GPT逸脱)を50%に抑えました(肝臓エキス、フラビンアデニンヌクレオチドとの比較試験)。
・ラットの培養肝細胞を用いた実験で、蛋白合成促進効果を確認しました(肝臓エキス、フラビンアデニンヌクレオチドとの比較試験)。
・ラットの肝臓組織内血流量・酸素分圧(肝臓の機能維持、障害の再生、治癒の過程で重要な因子とかんがえられています)を有意に増加させました(フラビンアデニンヌクレオチド、生理食塩水との比較試験)。
・肝切除(68%切除)したラットのDNA合成能を高め、生存率を高めました(無投薬との比較試験)。
(ビタミンB2作用)
・ビタミンB2欠乏ラットで生じる肝臓内チオバルビツール酸、グルタチオン還元酵素の増加を抑えたことから、欠乏するビタミンB2を補充する効果が確認されました(フラビンアデニンヌクレオチド、無投薬との比較試験)。
この薬理作用は臨床試験で確認されました。
・慢性肝疾患(215例):プラセボ群を対象とした二重盲検試験
1日2mLをブドウ糖250mL又は500mLに混入し4週間連日点滴投与した結果、AST、ALT、TTT、血清ビリルビン、ICGの有意な改善が認められました。特に慢性活動性肝炎、HBs抗原陽性、飲酒歴のない方に対して有用でした。
・代償性肝硬変(338例):本剤、フラビンアデニンヌクレオチド単剤、プラセボの3群比較試験
1日2mLをブドウ糖に混入し8週間連日点滴投与した結果、血清ビリルビン、AST、ALT、Ch-E、アルブミン、γ-グロブリン、ZTTの有意な改善が認められました。
・ビタミンB2欠乏症(104例):フラビンアデニンヌクレオチド単剤を対象とした二重盲検試験
1日2mLを週3回、2週間皮下注射した結果、紅斑又は潮紅、びらん・湿潤、痂皮の有意な改善が認められ、有意な有用性が認められました。
・消耗性疾患(胃癌、結腸癌、直腸癌等の消化管悪性腫瘍患者113例)フラビンアデニンヌクレオチド単剤を対象とした二重盲検試験
1日2mLを手術直後から7日間連日静脈投与した結果、血清蛋白亜分画の有意な改善が見られました。 |
使用方法 |
1日1~2mLを1~2回に分けて、皮下、筋肉内、静脈内に注射します。
年齢や症状により適宜増減します。
※適用上の注意
(静脈内投与の場合)
急速な投与により、一過性の胸部不快感、血圧低下、房室ブロックをおこすことがあるので、補液で希釈するなどして、できるだけゆっくり投与します。
(筋肉内投与の場合)
筋肉内投与はやむを得ない場合にのみ必要最低限に行い、同一部位への反復注射は行わないでください(低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児へは特に注意が必要です)。なお、注射部位は神経走行部位を避けて注射してください。注射時に激痛や血液の逆流があった場合は、直ちに針を抜き、部位を変えて注射してください。 |
副作用 |
副作用発現率:1.32%(43例/3,248例)
主な副作用:嘔気 0.34%(11件)、胸部不快感 0.34%(11件)、発疹 0.25%(8件)
重大な副作用
ショック:胸内苦悶、急激な血圧低下、呼吸困難等の以上が認められた場合には、直ちに使用を中止し、適切な処置を行います。
※本剤は尿を黄色に変色させ、尿検査に影響を与えることがあります。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■本剤および肝臓エキス・フラビンアデニンヌクレオチドと配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、アデラビンはアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼アデラビンの有効成分
肝臓エキス・フラビンアデニンヌクレオチド
▼アデラビンの添加物
塩化ナトリウム、ベンジルアルコール
※プリックテスト(*)を90例で実施しましたが、全例陰性でした(アレルギー反応をおこした方はいませんでした)。
(*)プリックテスト:本剤の即時型アレルギーの有無を確認するためのアレルギー検査。プリック針という針で本剤を少量皮膚に入れ、15分後に出現する皮膚反応(膨疹径)を調べます。
使用に注意が必要な方 ・高齢者:一般に生理機能が低下しているので、減量するなどの注意が必要です。
・小児:低出生体重児、新生児に使用する場合は十分な注意が必要です。外国で、ベンジルアルコール(本剤の添加物)の静脈内大量投与により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が発現したとの報告があります。
上記にあてはまる方は、肝臓エキス・フラビンアデニンジヌクレオチドを使用する事が出来ない可能性があります。 肝臓エキス・フラビンアデニンジヌクレオチドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
肝臓エキス・フラビンアデニンジヌクレオチドに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
肝臓エキス・フラビンアデニンヌクレオチド(アデラビン 添付文書、インタビューフォーム) 【PMDA 医療用医薬品 情報検索】 |
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