細胞外液補充液生理食塩液

成分名

細胞外液補充液生理食塩液

適応症状

・身体において細胞外液が欠乏している時の補給
・身体においてナトリウムが欠乏している時の補給
・身体においてクロールが欠乏している時の補給
・注射剤の溶解希釈剤
・皮膚、キズ部位、粘膜に対する洗浄、うがい、噴霧吸入剤として気管支粘膜の洗浄、喀痰の排出促進
・各種医療用器具の洗浄

簡易説明

生理食塩液「フソー」は細胞外液に対してほぼ等張の塩化ナトリウム液であり、水および電解質が不足しているような脱水症状に対して細胞外液量を増加、維持し、体内循環を安定化させる効果があります。また、細胞を傷害する作用を持たないので、皮膚や傷口、粘膜の洗浄、医薬品の溶剤、医療機器の洗浄としても活用されます。

処方可能な診療科目

内科/外科/麻酔科/耳鼻咽喉科/アレルギー内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約800円~1,000円
薬代1管あたりの目安:5ml約62円
薬代後発薬1管の目安:生理食塩液「フソー」に対する後発品はありません
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:1957年6月

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

カーミパック生理食塩液L(SBカワスミ)、カーミパック生理食塩液(SBカワスミ)、大塚生食注TN(大塚製薬)、大塚生食注(大塚製薬)、生理食塩液「ヒカリ」(光製薬)、生理食塩液「フソー」(扶桑薬品)、生理食塩液PL「フソー」(扶桑薬品)、生理食塩液バッグ「フソー」(扶桑薬品)、生理食塩液「AY」(エイワイファーマ)、生理食塩液「NP」(ニプロ)、生理食塩液「VTRS」(マイランEPD)、生食注「トーワ」(東和薬品)、生食注20mL「CMX」(ケミックス)、生食注100mL「CMX」(ケミックス)、生食注500mL「CMX」(ケミックス)、テルモ生食(テルモ)、生食注20mL「Hp」(原沢製薬)、生食液NS(日新製薬)

関連製品(ジェネリック)

大塚生食注2ポート50mL(大塚製薬)、大塚生食注2ポート100mL(大塚製薬)、テルモ生食TK(テルモ)、生食注シリンジ「オーツカ」5mL(大塚製薬)、生食注シリンジ「オーツカ」10mL(大塚製薬)、生食注シリンジ「オーツカ」20mL(大塚製薬)、生食注シリンジ「SN」5mL(シオノケミカル)、生食注シリンジ「SN」10mL(シオノケミカル)、生食注シリンジ「SN」20mL(シオノケミカル)、生食注シリンジ「NP」(ニプロ)、生食注キット「フソー」(扶桑薬品)、生食注シリンジ「テルモ」5mL(テルモ)、生食注シリンジ「テルモ」10mL(テルモ)、生食注シリンジ50mL「ニプロ」(ニプロ)、生食注シリンジ「NIG」5mL(日医工)、生食注シリンジ「NIG」10mL(日医工)、生食注シリンジ「NIG」20mL(日医工)、生食溶解液キットH(ニプロ)

効果・作用

生理食塩液「フソー」は、身体において細胞外液、ナトリウム、クロールが欠乏している時の補給、注射剤の希釈、傷口の洗浄や医療機器の洗浄など幅広く活用されます。
生理食塩液「フソー」は細胞外液に対してほぼ等張のバランスのとれた塩化ナトリウム液であり、水および電解質が不足しているような脱水症状に対して細胞外液量を増加、維持し、体内循環を安定化させる効果があります。また、生理食塩液は、細胞を傷害する作用を持たないので、皮膚や傷口、粘膜の洗浄や医療機器の洗浄、医薬品の溶剤としても活用され、粘性をもった痰の液化や排出促進に対しては噴霧吸入として用います。
生理食塩液「フソー」は大きい分類として「細胞外液補充液」に該当します。細胞外液補充液は、各種電解質の浸透圧が人間の体液とほぼ同じの構成になっているので、投与した輸液が細胞内へは移行せず、細胞外にそのまま分布していき細胞外液量を補充することができます。等張電解質輸液とも呼ばれていて、血管の内部や組織と組織の間に水分や電解質を補給する目的で使用される輸液です。代表的な分類としては、生理食塩液、リンゲル液、乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液、重炭酸リンゲル液などがあり以下のような特徴があります。

・生理食塩液:塩化ナトリウムと水で構成される等張性の輸液です。主に、体液量の補充や電解質バランスの維持などに使用されます。
・リンゲル液:生理食塩液に各種電解質を加えた輸液で、生理食塩液よりも体内での水分吸収効率が高いとされています。
・乳酸リンゲル:リンゲル液に乳酸を加えた輸液です。乳酸リンゲル液が体内に入った際に、乳酸が代謝されpH値を調整する効果があります。
・酢酸リンゲル液:リンゲル液に酢酸を加えた輸液です。酢酸リンゲル液が体内に入った際に、酢酸が代謝されpH値を調整する効果があります。
・重炭酸リンゲル液:リンゲル液に重炭酸塩を加えた輸液です。重炭酸リンゲル液が体内に入った際に、重炭酸が代謝されpH値を調整する効果があります。

※以下、代表的な生理食塩液(細胞外液補充液)である生理食塩液「フソー」に関する記載となります。

■生理食塩液「フソー」の組成
・1管(アンプル)中:塩化ナトリウム0.9w/v%(無色澄明の水性注射液)
・pH:4.5~8.0
■生理食塩液「フソー」の電解質濃度
・ナトリウムイオン:154.0 mEq/L
・クロライドイオン:154.0 mEq/L

使用方法

・注射で使用するケース
通常20〜1,000mlを静脈内注射、皮下または点滴静注します。
※年齢や症状に応じて、医師の判断のもと適宜増量、減量することができます。
※適量を摂取して注射用医薬品の濃度を薄めたり、溶解したりする目的で用いることができます。
・外用で使用するケース
皮膚、キズのある面、粘膜の洗浄や湿布に、またはうがいや噴霧吸入する際に使用します。
・その他
様々な医療用器具の洗浄に目的で使用します。

副作用

主な副作用
生理食塩液「フソー」は使用成績調査などの副作用発現頻度を明確とする調査、試験が実施されていません。大量の投与、急速な投与をすると、血液中の電解質異常、うっ血性心不全症状、むくみ、アシドーシスなどが引き起こされる可能性があります。万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置が必要です。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・塩化ナトリウムを配合した医薬品に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分にアレルギーをお持ちの方、生理食塩液「フソー」はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼生理食塩液「フソー」の有効成分
塩化ナトリウム

使用に注意が必要な方
・心臓の機能障害、循環器系の機能障害のある方
※生理食塩液「フソー」の使用によって、身体の循環血液量が増します。その結果として心臓に負担をかける可能性があり、心臓の機能障害、循環器系の機能障害が悪化する可能性があります。
・腎臓に機能障害のある方
※水分、塩化ナトリウムの過剰投与が引き起こされる可能性があります。結果的に腎臓の障害が悪化する可能性があります。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量、投与速度を遅くするなど注意をしながら使用してください。

上記にあてはまる方は、細胞外液補充液生理食塩液を使用する事が出来ない可能性があります。
細胞外液補充液生理食塩液を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

細胞外液補充液生理食塩液に関する
よくある質問
生理食塩液「フソー」の投与部位で注意する点はありますか?

皮下注射を行う際は、組織・神経などへの悪影響を避ける必要がありますので、神経走行部位を避けるよう投与してください。生理食塩液「フソー」 【生理食塩液「フソー」 添付文書】

生理食塩液「フソー」のアンプルカットの際に注意する点はありますか?

生理食塩液「フソー」にはアンプルカットをする際にガラスの破片が混入する可能性の低いクリーンカットアンプルが使用されていますが、より安全性を担保するため、通常どおりエタノール綿などで拭くことが望ましいとされています。生理食塩液「フソー」 【生理食塩液「フソー」 添付文書】

生理食塩液「フソー」の皮下注射で注意する点はありますか?

繰返し注射をするケースでは、左右交互に注射するなど注射部位に配慮する必要があります。なお、乳児・幼児・小児に対してはそもそも連用しないことが望ましいとされています。また、注射針を刺したときに強い痛みを感じたり、血液が逆流したりしたケースではすぐに針を抜いて、注射部位を変えて改めて注射してください。生理食塩液「フソー」 【生理食塩液「フソー」 添付文書】

参考元一覧

生理食塩液「フソー」 【生理食塩液「フソー」 添付文書】

組成表検索 【輸液製剤協議会】

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