成分名 |
ソルビトール加乳酸リンゲル |
適応症状 |
・エネルギー補給
・代謝性アシドーシスの補正
・組織間液減少時の細胞外液の補給/補正
・循環血液量減少時の細胞外液の補給/補正 |
簡易説明 |
・ソルビトール加乳酸リンゲルは「細胞外液補充液」と呼ばれております。
・水/電解質(イオン)を主な成分とし、細胞外へ分布して細胞外液量を増やせる輸液剤です。
・理由はわかりませんが、なにかしらの原因により、体内の電解質濃度や水分量が崩れると生命活動が正常に維持できなくなります。水分や電解質を含む輸液剤を点滴により補給することで体液のバランスを整え病態の治療効果を高められる働きがあります。
・電解質の浸透圧が体液とほぼ同じで、細胞外へ分布して細胞外液量を増やすことができます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/消化器内科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1000円~
薬代1錠あたりの目安:1袋 約146円~
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
販売開始年月 : 1987年10月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ソルラクトS輸液 (250ml/500ml)【製薬メーカー:テルモ】
ラクトリンゲルS注「フソー」(200mLポリアル/500mLポリアル/200mLバッグ/500mLバッグ)【製薬メーカー:扶桑薬品工業】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
・ソルビトール加乳酸リンゲルには「リンゲル液」「生理食塩液」「乳酸」「生理食塩液」「酢酸」「リンゲル液」などがあります。
・注射以外にも創傷面/皮膚/粘膜などの洗浄、吸入薬、医療用器具の洗浄などの基剤として使用するなど多くで使われております。
・生理食塩液、リンゲル液より血漿に近い電解質組成を持っている輸液剤です。
・通常のリンゲル液・乳酸/酢酸リンゲル液より血漿に近い電解質組成を持つ輸液で、カルシウム、ナトリウム、カリウム、クロールと体内で重炭酸イオンに変換される乳酸(酢酸)イオンを含みます。
≪薬理作用≫
・ヒトは水を飲んだり食事などから水分や電解質を摂っていて、それとほぼ同等の量を体外に排泄することで体内バランスを保持してます。体内の水分量や電解質の濃度を一定に保つことを「からだの恒常性」といって生命活動に必要不可欠なものとなります。また、なんらかの原因により、この恒常性が崩れてしまった時、水分や電解質を含む輸液剤を点滴により補給することで、体液のバランスを調整し、治療効果を高めることなどが期待できます。
・ソルビトール加乳酸リンゲルは、等張電解質輸液に分類されます。
・「酢酸ナトリウム」や、「乳酸ナトリウム」は体内で代謝を受けることで「重炭酸イオン」に変換され、細胞外液の補正を行います。
・重炭酸リンゲル液は、重炭酸イオンをふくみ、体内での代謝を必要としないので、救命救急領域、ショック状態による循環不全時、代謝が遅延する肝機能低下時などで、より有効となることが考えられます。
・投与した時、輸液が細胞内へは移動しないので、細胞外に分布して細胞外液量を増やします。この時電解質の浸透圧は体液とほぼ同じです。
≪体液の電解質組成とは≫
・細胞内液には、カリウム(K+)やリン酸(HPO42-)イオンが多く、細胞外液ではナトリウム(Na+)やクロール(Cl-)イオンが主な電解質です。体液の電解質組成が細胞の内と外で著しく異なるのは、細胞を包んでいる細胞膜が電解質の移動を制御しているためです。細胞膜は水は自由に通しますが、電解質などほとんどの物質の出入りを制御しています。また毛細血管壁は、水・電解質・アミノ酸のような低分子物質は自由に通しますが、血漿タンパクのような高分子物質は通しません。このため、タンパク質が血管内に留まり、この血漿タンパクにより血管内に水分が保持されます。
≪リンゲル液とは≫
生理食塩水にはナトリウムイオンNaやクロールイオンClが含まれているが、さらにカリウムイオンKやカルシウムイオンCaの電解質を加え、人間の細胞外液(血漿成分)に近づけたもので、以下の種類がある。
①乳酸リンゲル液
・Ringerが作ったリンゲル液は、クロールイオンClが多く、重炭酸イオンHCO3が存在していなかったことが欠点であった。乳酸を入れることで、体内代謝を利用してHCO3を生成することに成功し、細胞外液に近づけた乳酸リンゲル液が完成した。
②酢酸リンゲル液
・酢酸は肝臓だけでなく、全身の臓器で代謝することができるため、乳酸リンゲル液より投与しやすく優れていると言われている。
③重炭酸リンゲル液
・乳酸・酢酸リンゲル液に比べて、人間の細胞外液に近い、最も優れたリンゲル液だと言われており、速やかにアシドーシスを改善させる製剤としても期待されている。
≪等張電解質輸液とは≫
血漿とナトリウム濃度がほぼ等しい輸液製剤のことです。電解質だけで血漿と浸透圧がほぼ等しいことから、等張性電解質輸液ともいわれます。出血などによる循環血液量が減少したときの補給・充填や、ナトリウムを投与したい低張性脱水などの補給・充填に用いられます。生理食塩液、リンゲル液などがこれにあたります。
▼他の等張電解質輸液▼
大塚生食注、テルモ生食など/ラクテック注、ソルラクト輸液、ハルトマン輸液など/ヴィーン輸液、ソルアセト輸液など/ビカネイト輸液、ビカーボン輸液
引用
6% HES70/0.5 (サリンヘスⓇ) と乳酸リンゲル液 (ソルラクトⓇ) の容量効果, 酸素化, 電解質・酸塩基平衡への影響の検討
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/37/2/37_141/_pdf |
使用方法 |
1回500〜1000mLを点滴静注する
投与速度はD−ソルビトールとして1時間あたり0.5g/kg体重以下とする
なお、年齢、症状、体重により適宜増減する |
副作用 |
主な副作用
過敏症、紅斑、蕁麻疹、そう痒感、脳浮腫、肺水腫、末梢浮腫
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・遺伝性果糖不耐症
・乳酸血症
使用に注意が必要な方 ・高齢者
・腎疾患に基づく腎不全/閉塞性尿路疾患により尿量が減少/重篤な肝障害/心不全/高張性脱水症
上記にあてはまる方は、ソルビトール加乳酸リンゲルを使用する事が出来ない可能性があります。 ソルビトール加乳酸リンゲルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。
6% HES70/0.(5 サリンヘス®
)と乳酸リンゲル液
(ソルラクト®
)の30分間,1,000mLの投与で,78.4%,
36.8%の容量効果を認めた.両者とも,急速投与で
は良好な容量効果を期待できるが,サリンヘス®は
電解質・酸塩基平衡の変化に,ソルラクト®は組織
間質液の増加による酸素化障害に,それぞれ注意が
必要である.
利益相反なし.
6% HES70/0.5(サリンヘスⓇ)と乳酸リンゲル液(ソルラクトⓇ)の容量効果,酸素化,電解質・酸塩基平衡への影響の検討 【上記引用元:日本臨床麻酔学会】
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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