サルポグレラート塩酸塩

成分名

サルポグレラート塩酸塩

適応症状

慢性動脈閉塞症の潰瘍の改善
慢性動脈閉塞症の虚血性諸症状の改善
慢性動脈閉塞症の疼痛の改善
慢性動脈閉塞症の冷感の改善

簡易説明

血小板や血管のセロトニン受容体に対する拮抗作用により、血小板の凝集や血管収縮を抑制し、血を固まりにくくし血流を良くします。これにより末梢循環障害による手足の痛み・冷感、潰瘍などの症状を改善します。
通常、慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、虚血性諸症状の治療に用いられます。

サルポグレラート塩酸塩の薬は先発品がアンプラーグの名称で販売されています。剤形(薬の形)錠剤と細粒があります。この記事ではこの薬の名称をサルポグレラート塩酸塩に統一して記載します。サルポグレラート塩酸塩とアンプラーグは同じ成分の薬です。

処方可能な診療科目

循環器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~2,000円
薬代先発品の目安:50mg約47.30円/100mg約76.70円/細粒10%約98.70円
薬代後発薬1錠の目安:50mg約21.90円/100mg約35.90円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になることがあります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

アンプラーグ錠 50mg
製造販売承認年月日:1993 年 7 月 2 日
薬価基準収載年月日:1993 年 8 月 27 日
発売年月日:1993 年 10 月 7 日

アンプラーグ錠 100mg
製造販売承認年月日:1993 年 7 月 2 日
薬価基準収載年月日:1993 年 8 月 27 日
発売年月日:1993 年 10 月 7 日

アンプラーグ細粒 10%
製造販売承認年月日:1999 年 3 月 4 日
薬価基準収載年月日:1999 年 5 月 14 日
発売年月日:1999 年 5 月 20 日

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

田辺三菱製薬株式会社
アンプラーグ錠 50mg
アンプラーグ錠 100mg
アンプラーグ細粒 10%

関連製品(ジェネリック)

サルポグレラート塩酸塩錠100mg(大興製薬/小林化工/ニプロ/陽進堂/辰巳化学/富士製薬/共和薬品/日本ジェネリック/日新製薬/鶴原製薬/シオノケミカル/サンド/沢井製薬/日本ケミファ/東和薬品/日医工/大原薬品/キョーリンメディオ/高田製薬/武田テバファーマ/ファイザー)

サルポグレラート塩酸塩錠50mg(大興製薬/小林化工/ニプロ/陽進堂/辰巳化学/富士製薬/共和薬品/日本ジェネリック/日新製薬/鶴原製薬/シオノケミカル/サンド/沢井製薬/日本ケミファ/東和薬品/日医工/大原薬品/キョーリンメディオ/高田製薬/武田テバファーマ/ファイザー)

効果・作用

●慢性動脈塞栓症について
四肢の動脈が狭くなり、血行が悪くなり、その結果手足の冷えの症状が起こり、進行すると痛みやしびれを感じるようになり、最悪の場合、潰瘍や壊死(手や足が腐る)を引き起こしてしまうのが慢性動脈塞栓症です。動脈硬化では血管壁にコレステロールなどが蓄積されます。その結果それらの物質からプラークが形成されます。このプラークは非常にもろく、破れてしまうと出血により血栓ができます。この血栓が四肢の動脈を詰まらせた状態が慢性動脈塞栓症です。

●5-HT2について
サルポグレラート塩酸塩は5-HT2に分類されます。5-HT2拮抗薬は血小板や血管に作用し、血を固まりにくくし血流を良くして手足の冷たさやしびれなどを改善する薬です。セロトニンが5-HT2受容体へ作用することで、血小板凝集や血管収縮が促進されます。サルポグレラート塩酸塩は5-HT2受容体の活性を抑える作用があります。

●サルポグレラート塩酸塩の作用機序
動脈で血栓が作られる過程としては血小板が大きく関わっています。血小板は血液凝固に関わっており、血流の早い動脈で血小板が活性化されて血栓が作られます。よって、血小板が固まる過程を阻害すれば、血栓の生成を抑制することができ、その結果血流を改善することが分かります。この効果により、低下した血流量を回復することができます。この作用機序からサルポグレラート塩酸塩は慢性動脈閉塞症による冷感や疼痛、潰瘍などの症状を改善します。

使用方法

・通常、成人は1回1錠(主成分として100mg)を1日3回食後に服用しますが、年齢・症状により適宜増減されます。必ず指示された服用方法に従ってください。
・飲み忘れた場合は、気がついた時にできるだけ早く飲んでください。ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分は飲まないで1回分を飛ばしてください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
・誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談してください。
・医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないでください。

副作用

主な副作用
嘔気 、 胸やけ 、 腹痛 、 出血 、 発疹 、 発赤 、 ビリルビン上昇 、 出血傾向 、 鼻出血 、 皮下出血 、 便秘

重大な副作用
ALT上昇 、 AST上昇 、 脳出血 、 吐血 、 下血、 LDH上昇 、 γ-GTP上昇 、 Al-P上昇 、 肝機能障害 、 消化管出血 、血小板減少 、 黄疸 、 無顆粒球症

その他の副作用
頭痛、 咽頭灼熱感 、 尿沈渣 、 食道異物感 、 胸痛 、 咽頭不快感 、 眩暈 、 紅斑 、 蛋白尿 、 倦怠感 、心悸亢進 、 過敏症 、 しびれ感 、 BUN上昇 、 血清カルシウム減少、 体重増加 、 眠気 、 下痢 、 食欲不振 、 白血球減少 、 口内炎 、血清アルブミン減少 、 蕁麻疹 、 味覚異常 、 尿潜血 、 浮腫 、 腹部膨満感 、 そう痒 、 丘疹 、 ほてり 、 血清中性脂肪上昇 、 嘔吐 、 尿糖 、 咽頭痛 、 発熱 、 クレアチニン上昇 、 貧血 、 血清コレステロール上昇 、 息切れ

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・出血している方(血友病,毛細血管脆弱症,消化管潰瘍,尿路出血,喀血,硝子体出血等)
・妊娠または妊娠している可能性の高い女性の方

使用に注意が必要な方
・生理中の方
・出血傾向並びにその素因のある方
・抗凝固剤(ワルファリン等)あるいは血小板凝集抑制作用を有する薬剤(アスピリン,チクロピジン塩酸塩,シロスタゾール等)を服用中の方
・重篤な腎障害のある方

《重要な基本的注意(全員共通)》
サルポグレラート塩酸塩の服用中は血液検査を定期的に受けて下さい。

上記にあてはまる方は、サルポグレラート塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
サルポグレラート塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
いずれも出血傾向を増強させる可能性があります。
・血液凝固阻止剤
・ワルファリン
・血小板凝集抑制作用を有する薬剤
・アスピリン
・チクロピジン塩酸塩
・シロスタゾール

上記を使用している方は、サルポグレラート塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
サルポグレラート塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
該当するものはありません

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
錠剤を割って服用してもいいですか?

もとからこの薬には割線がなく、割って服用することは勧められていません。もし、錠剤での服用が難しい場合は、細粒タイプのものも販売されているので、医師にご相談ください。

妊娠中は服用してはいけないのはなぜですか?

ラットによる実験の結果、胚胎児死亡率が増加したほか、新生児生存率も低下しました。妊娠中の方、妊娠している可能性のある方、妊娠を計画されている方はご注意ください。

透析をしていますが注意する点などはありますか?

サルポグレラート塩酸塩は腎臓より尿となり排出されます。そのため、腎機能が低下している方は血中濃度が高くなる可能性があります。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。