PPN(末梢静脈栄養輸液)

成分名

PPN(末梢静脈栄養輸液)

適応症状

以下の状態時における電解質、アミノ酸、ビタミンB1および水分の補給
・手術の前後
・経口摂取が不可能で、軽度の低タンパク血症または軽度の低栄養状態にあるケース

簡易説明

ビーフリード輸液はPPN(末梢静脈栄養輸液)に分類され、経口摂取が不可能で軽度の低タンパク血症または軽度の低栄養状態にあるケースや、手術の前後に用いることで電解質、アミノ酸、ビタミンB1および水分を補給することができます。おもに10日以内の使用期間の際に用いられ、それ以上の期間投与が必要な場合は使用が適さないので注意が必要です。

処方可能な診療科目

外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~2,000円
薬代1キットあたりの目安:500ml約539円/1000ml約755円
薬代後発薬1キットの目安:ビーフリード輸液に対する後発品はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2006年6月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ツインパル輸液【製薬メーカー:エイワイファーマ】
プラスアミノ輸液【製薬メーカー:大塚製薬】
ビーフリード輸液【製薬メーカー:大塚製薬】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

※本ページは、代表的なPPN(末梢静脈栄養輸液)に分類されているビーフリード輸液に関する記載となります。
※この分類は「輸液製剤協議会」の分類方法を参照しております。

■ビーフリード輸液の組成(上室液)
上室液(150mL)中に下記成分を含んでいます。
<アミノ酸>
・グリシン:0.885g
・L-トリプトファン:0.300g
・L-イソロイシン:1.200g
・L-バリン:1.200g
・L-ロイシン:2.100g
・L-リシン塩酸塩(L-リシンとして):1.965g(1.573g)
・L-セリン:0.450g
・L-トレオニン:0.855g
・L-メチオニン:0.585g
・L-チロシン:0.075g
・L-アルギニン:1.575g
・L-ヒスチジン 0.750g
・L-グルタミン酸:0.150g
・L-アラニン:1.200g
・L-プロリン:0.750g
・L-フェニルアラニン:1.050g
・L-アスパラギン酸:0.150g
・アセチルシステイン(L-システインとして):0.202g(0.150g)

<電解質>
・クエン酸ナトリウム水和物:0.285g
・リン酸二カリウム:0.501g
・リン酸水素ナトリウム水和物:0.771g
・L-乳酸ナトリウム液:1.145g

<添加剤>
・氷酢酸:適量
・亜硫酸水素ナトリウム:7.5mg

■ビーフリード輸液の組成(下室液)
下室液(350mL)中に下記成分を含んでいます。
<糖質>
・ブドウ糖:37.499g

<電解質>
・塩化カルシウム水和物:0.184g
・塩化カリウム:0.317g
・硫酸マグネシウム水和物:0.308g
・硫酸亜鉛水和物:0.70mg

<ビタミン>
・チアミン塩化物塩酸塩(チアミンとして):0.96mg(0.75mg)

<添加剤>
・水酸化ナトリウム:適量
・塩酸:適量

■ビーフリード輸液の組成(混合時/1バッグ中)
<糖質>
ブドウ糖:37.50g
糖濃度 7.5%

<電解質>
・Cl−:17.5mEq
・Na+:17.5mEq
・Mg2+:2.5mEq
・K+:10mEq
・Ca2+ :2.5mEq
・SO42−:2.5mEq
・Citrate3−:3mEq
・Acetate−:8mEq
・L-Lactate−:10mEq
・Zn:2.5μmol
・P:5mmol

<ビタミン>
・チアミン塩化物塩酸塩(チアミンとして):0.96mg(0.75mg)

<アミノ酸>
・総遊離アミノ酸量:15.00g
・総窒素量:2.35g
・必須アミノ酸/非必須アミノ酸:1.79
・分岐鎖アミノ酸含有率:30w/w%
・総熱量:210kcal
・非蛋白熱量:150kcal
・非蛋白熱量/窒素:64

<効果・作用>
ビーフリード輸液はPPN(末梢静脈栄養輸液)に分類され、経口摂取が不可能で軽度の低タンパク血症または軽度の低栄養状態にあるケースや、手術の前後に用いることで電解質、アミノ酸、ビタミンB1および水分を補給することができます。
ブドウ糖、各種電解質、アミノ酸、ビタミンB1を配合しており、組成としてはアミノフリード輸液にビタミンB1を追加した製剤となっています。それによりビタミンB1の欠乏によって引き起こされる乳酸アシドーシスなどを軽減することが可能です。容器は1つのソフトバックですが、隔壁を設けたダブルバック方式になっており、アミノ酸とブドウ糖がそれぞれ別々に添加されています。結果として、アミノ酸とブドウ糖の混和時に引き起こされるメイラード反応(褐変現象)を防止することができます。

静脈栄養には、ビーフリード輸液が該当するPPN(末梢静脈栄養輸液)とTPN(中心静脈栄養法)があります。投与ルートに違いがあり、TPNが中心静脈にカテーテルを留置しなければならないのに対し、PPNは末梢静脈から可能であるというメリットがあります。しかしPPNにおいては、輸液製剤の浸透圧によって投与できるカロリーに限界があり、10日~14日までが限度とされています。それ以上の期間で静脈栄養をする際はTPNを選択するといった使い分けをします。

PPN(末梢静脈栄養輸液)は、「輸液製剤協議会」の分類方法によると以下の通り3種類に分類されます。
・PPN(末梢静脈栄養輸液) 
・PPN(末梢静脈栄養輸液) 糖・電解質・アミノ酸・水溶性ビタミン液
・PPN(末梢静脈栄養輸液) アミノ酸・糖・電解質・脂肪・水溶性ビタミン液

使用方法

まず、使用する時に上室液と下室液の隔壁を開通してよく混合します。
成人(15歳以上)のケース:1回500mLを末梢静脈内に点滴静注します。投与スピードは、500mLあたり120分をベースとし、高齢者や重篤な状態の方にはさらに時間をかけて注入します。
※なお、体重、年齢、症状に応じて、医師の判断のもと適宜増量、減量することができますが、1日最大投与量は2500mLまでとされています。

副作用

・循環器系:胸部の不快感、動悸、息切れ
・消化器系;悪心、嘔吐、吐き気
・肝臓系: ALTの上昇、ASTの上昇、総ビリルビンの上昇、Al-Pの上昇
・大量投与、急速投与:肺水腫、脳浮腫、末梢の浮腫、水中毒、高カリウム血症、アシドーシス
・過敏症:発疹
・その他:血管の痛み、悪寒、静脈炎、発熱、頭痛、熱感

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・L-ロイシン、L-イソロイシン、L-バリン、L-リシン塩酸塩、L-トレオニン、L-トリプトファン、L-メチオニン、アセチルシステイン、L-フェニルアラニン、L-チロシン、L-アルギニン、L-ヒスチジン、L-アラニン、L-プロリン、L-セリン、グリシン、L-アスパラギン酸、L-グルタミン酸、リン酸二カリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、クエン酸ナトリウム水和物、L-乳酸ナトリウム液、ブドウ糖、塩化カリウム、塩化カルシウム水和物、硫酸マグネシウム水和物、硫酸亜鉛水和物、チアミン塩化物塩酸塩を配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、ビーフリード輸液はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼ビーフリード輸液の有効成分
L-ロイシン、L-イソロイシン、L-バリン、L-リシン塩酸塩、L-トレオニン、L-トリプトファン、L-メチオニン、アセチルシステイン、L-フェニルアラニン、L-チロシン、L-アルギニン、L-ヒスチジン、L-アラニン、L-プロリン、L-セリン、グリシン、L-アスパラギン酸、L-グルタミン酸、リン酸二カリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、クエン酸ナトリウム水和物、L-乳酸ナトリウム液、ブドウ糖、塩化カリウム、塩化カルシウム水和物、硫酸マグネシウム水和物、硫酸亜鉛水和物、チアミン塩化物塩酸塩
▼代表薬の添加物
塩酸、水酸化ナトリウム、氷酢酸、亜硫酸水素ナトリウム

・肝性昏睡または肝性昏睡の可能性のある方
・アジソン病、高カリウム血症を患っている方
・高マグネシウム血症、甲状腺機能低下症を患っている方
・高カルシウム血症を患っている方
・高リン血症、副甲状腺機能低下症を患っている方
・アミノ酸の代謝機能に異常のある方
・うっ血性心不全を患っている方
・高度のアシドーシス状態の方
・閉塞性尿路疾患によって尿量が減少している方
・乏尿症状のある方(透析または血液ろ過を行っている方を除く)
・重篤な腎機能障害を患っている方、または高窒素血症を患っている方

使用に注意が必要な方
・透析または血液ろ過を行っている重篤な腎機能障害、高窒素血症または乏尿のある方
・アシドーシス状態の方
・心臓や循環器系に機能的な障害をお持ちの方
・腎機能障害を患っている方(重篤な腎機能障害、高窒素血症または乏尿のある方を除く)
・肝機能障害を患っている方(肝性昏睡または肝性昏睡の可能性のある方を除く)
・糖尿病を患っている方
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら使用してください。
・小児など
※小児などを対象としている安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

PPN(末梢静脈栄養輸液)に関する
よくある質問
ビーフリード輸液の上室と下室の開通前に薬剤を配合しても問題ありませんか?

薬剤を配合するケースにおいては、必ず隔壁の開通後に行うとともに配合変化に注意してください。ビーフリード輸液 【ビーフリード輸液 添付文書】

ビーフリード輸液の上室、下室のどちらかのみ投与することは可能ですか?

ビーフリード輸液の上室液、下室液を単独で投与することはできません。ビーフリード輸液 【ビーフリード輸液 添付文書】

参考元一覧

ビーフリード輸液 【ビーフリード輸液 添付文書】
組成表検索 【輸液製剤協議会】

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