コバマミド

成分名

コバマミド

適応症状

悪性貧血の神経障害
吸収不全症候群
巨赤芽球性貧血
甲状腺機能亢進症のビタミンB12の補給
広節裂頭条虫症
授乳婦のビタミンB12の補給
消耗性疾患のビタミンB12の補給
スプルー
妊産婦のビタミンB12の補給
ビタミンB12欠乏の胃切除後の貧血
ビタミンB12欠乏の栄養性貧血
ビタミンB12欠乏の関節痛
ビタミンB12欠乏の放射線による白血球減少症
ビタミンB12欠乏の筋肉痛
ビタミンB12欠乏の神経痛
ビタミンB12欠乏の脊髄炎
ビタミンB12欠乏の中枢神経障害
ビタミンB12欠乏の妊娠性貧血
ビタミンB12欠乏の変性疾患
ビタミンB12欠乏の末梢神経炎
ビタミンB12欠乏の末梢神経麻痺
ビタミンB12欠乏の肝障害に伴う貧血
ビタミンB12欠乏症の治療
ビタミンB12欠乏症の予防
ビタミンB12代謝障害の胃切除後の貧血
ビタミンB12代謝障害の栄養性貧血
ビタミンB12代謝障害の関節痛
ビタミンB12代謝障害の放射線による白血球減少症
ビタミンB12代謝障害の筋肉痛
ビタミンB12代謝障害の神経痛
ビタミンB12代謝障害の脊髄炎
ビタミンB12代謝障害の中枢神経障害
ビタミンB12代謝障害の妊娠性貧血
ビタミンB12代謝障害の変性疾患
ビタミンB12代謝障害の末梢神経炎
ビタミンB12代謝障害の末梢神経麻痺
ビタミンB12代謝障害の肝障害に伴う貧血
食事からの摂取が不十分のビタミンB12の補給

簡易説明

コバマミドの薬は2022年9月現在エーザイのハイコバールカプセルのみ販売されています。かつてはコバマミドカプセルなどの名称で販売されていたものもありますが、現在は販売中止されています。この記事ではコバマミドに名称を統一して記載します。

コバマミドはビタミンB12製剤です。ビタミンB12を補給して、貧血や末梢神経痛、しびれなどを改善します。

処方可能な診療科目

整形外科、内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~2,000円
薬代1錠あたりの目安:500μg 19.10円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる場合があります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

製造販売承認年月日:1967年1月19日
薬価基準収載年月日:1976年9月1日
発売年月日:1976年9月1日

国内のジェネリック認可

ジェネリックは存在しません。(以前は販売していましたが、販売中止となりました)

関連製品(先発薬)

エーザイ株式会社
ハイコバールカプセル500μg

関連製品(ジェネリック)

ジェネリックは存在しません。(以前は販売していましたが、販売中止となりました)

効果・作用

●ビタミンB12について
ビタミンB12は水溶性ビタミンの一種で、シアノコバラミンやヒドロキソコバラミンとも呼ばれます。主な水溶性ビタミンにはビタミンC、ビタミンB群(ビタミンB1、B2、B3、B5、B6、B7、B9、B12)があります。
ビタミンB12は赤血球に含まれ、体のいろいろな部分に血液を通して酸素を運ぶヘモグロビンの生成が主な役割です。葉酸にも同じ効果があります。ビタミンB12を摂取することで得られる効果は、睡眠のリズムを整える、眼精疲労を改善させる、貧血を予防するがあります。
ビタミンB12は体内で合成することが出来ないので、食べ物やサプリメント、そしてコバマミドの薬から摂取することが必要です。ビタミンB12は肉や魚に含まれています。現代では不足することは昔に比べて少なくなっていますが、野菜や果物にはほとんど含まれていないため、ベジタリアンやヴィーガンの方は不足しないように注意が必要です。ビタミンB12が多く含まれている食べ物にはレバーや牛の腎臓や小腸、白鮭のめふん、しじみ、カタクチイワシ、あさり、あまのり、いわのり、あおのりなどがあげられます。

●コバマミドの効果について
ビタミンB12を補い、貧血や末梢神経痛、しびれなどや、貧血の症状を改善します。めまいや耳鳴りなどの治療、妊娠などでの貧血や、放射線による白血球減少症などに使用される場合もあります。詳しい適応症状などは適応症状の項目をご覧ください。

●コバマミド(ハイコバールカプセル)の特徴
この薬は補酵素型B12製剤です。生体内に存在するB12にはCN-B12、OH-B12、DBCC、CH₃-B12の四種類があります。ビタミンB12欠乏及び代謝障害にはCN-B12、OH-B12、DBCCの3種類が使用されています。この薬にはDBCC(肝臓存在型の補酵素型B12)が含まれています。DBCCは体内貯留性に優れ、貧血を改善します。CN-B12、OH-B12は生体内で補酵素型に変換されて利用するのに対し、DBCCは補酵素型なので直接利用することが出来るのが特徴です。CN-B12、OH-B12、DBCC、CH₃-B12のそれぞれがCN-B12がチョコラB12、OH-B12がハイコミン、DBCCがハイコバール、CH₃-B12がメチコバールの名称で販売されています。

●コバマミドの薬理作用について
ビタミンB12には細胞の分裂などに欠かせない核酸の合成に関わり、葉酸とともに血液中のヘモグロビンの合成を助け貧血を防ぐ働きがあります。また末梢神経や中枢神経の機能の維持・改善を補助する作用などもあります。この薬はビタミンB12を体内に補充し傷ついた末梢神経を修復してしびれ、痛みなどの改善や貧血などの改善を補助する作用をあらわします。また、めまいや耳鳴りなどの改善に使用したり、製剤によっては抗悪性腫瘍剤(ペメトレキセドなど)による副作用軽減目的などで使用するものもあります。

使用方法

通常成人の方は、1日1,500μg(ハイコバールカプセル500μgを3カプセル)までを1から3回に分けて服用してください。医師、薬剤師の指示により、年齢、症状によって適宜増減してください。必ず指示された服用方法に従って服用してください。
飲み忘れた場合は、気がついた時にできるだけ早く飲んでください。次に飲む時間が近い場合は、飲み忘れた分は飲まないで1回分を飛ばし、次に飲む時間に1回分を飲んでください。2回分を一度に飲んではいけません。
誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談してください。
医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないでください。

副作用

この薬は副作用の発現確率が極めて低いことから、使用成績調査などの副作用発現頻度が明確となる調査は行われていません。
ごくまれな頻度で、吐き気、下痢などの消化器症状や、さらにまれな頻度になりますが、発疹などの過敏症が現れることがあります。そのような場合は医師や薬剤師にご相談ください。

この薬にはCo³⁺(3価のコバルトイオン)が含まれているため、コバルトアレルギーが原因となり、上記のような症状が起こる場合があります。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用できない方、使用に注意が必要な方に該当する症状等はありません。

併用禁忌薬

併用禁忌薬、併用注意薬はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、自己判断でその他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
カプセルを分解して服用してもいいですか?

カプセルを分解して服用する方法は承認されていません。安全性、効果に影響を及ぼす可能性があるためお勧めしません。

保存に関する注意点はありますか?

光に弱いので遮光をしっかりと行って保存してください。

量を多く服用してしまいました。どうすればいいですか?

過量服用に関する情報等はありません。ですが、ヒトの体内で余ったビタミンB12は尿として排出されます。もし、いつもと何か違うというような症状があれば医師にご相談ください。

使用期限はどのくらいですか?

製造後3年間となっています。ですが、いつ処方されたのかわからないような薬は使用しないことを安全性の観点からお勧めします。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。