成分名 |
細胞外液補充液乳酸リンゲル液 |
適応症状 |
・エネルギーの補給
・循環血液量および各組織間液が減少した際における細胞外液の補正、補給
・代謝性アシドーシス状態の補正 |
簡易説明 |
ハルトマンD液「フソー」は細胞外液と電解質組成のバランスが似ていることからショック時に失われる機能的細胞外液を補給し、体内を循環する血液量を安定させることでショックを防止します。また、体内において代謝されることにより乳酸イオンとなり、その結果体内の水素イオンと結合することで代謝性アシドーシスを補正します。ブドウ糖を5w/v%の濃度で含んでいることから、肝グリコーゲンの消費を抑えたり、抗ケトン作用を示したり、タンパク質の動員を抑制したりもします。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/麻酔科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約800円~1,000円
薬代1袋あたりの目安:500ml約182円
薬代後発薬1袋の目安:ハルトマンD液「フソー」に対する後発品はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:2020年12月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ハルトマン液「コバヤシ」(ネオクリティケア製薬)、ハルトマンD液「フソー」(扶桑薬品)、ラクテック注(大塚製薬)、クテックD注(大塚製薬)、クテックG注(大塚製薬)、ポタコールR輸液(大塚製薬)、ソルラクト輸液(テルモ)、ソルラクトD輸液(テルモ)、ソルラクトS輸液(テルモ)、ソルラクトTMR輸液(テルモ)、ハルトマン輸液「NP」(ニプロ)、ハルトマン輸液pH8「NP」(ニプロ)、ラクトリンゲル液"フソー"(扶桑薬品)、ラクトリンゲルM注「フソー」(扶桑薬品)、ラクトリンゲルS注「フソー」(扶桑薬品)、ニソリM注(マイランEPD)、ニソリ・S注(マイランEPD)、ニソリ輸液(マイランEPD) |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
ハルトマンD液「フソー」は大きく3つの効果を持ちます。
1つ目は細胞外液の補給です。乳酸リンゲル液は細胞外液と電解質組成のバランスが似ていることから、様々な侵襲時およびショック時に失われる機能的細胞外液を補給し、体内を循環する血液量を安定させることでショックを防止します。
2つ目は代謝性アシドーシスの補正です。乳酸ナトリウムは体内において代謝されることにより乳酸イオンとなり、その結果体内の水素イオンと結合することで代謝性アシドーシスを補正します。
3つ目はエネルギー源の補給です。ブドウ糖を5w/v%の濃度で含んでおり、積極的なエネルギー補給による肝グリコーゲンの消費を抑えたり、抗ケトン作用を示したり、タンパク質の動員を抑制したりします。
ハルトマンD液「フソー」は大きい分類として「細胞外液補充液」に該当します。細胞外液補充液は、各種電解質の浸透圧が人間の体液とほぼ同じの構成になっているので、投与した輸液が細胞内へは移行せず、細胞外にそのまま分布していき細胞外液量を補充することができます。等張電解質輸液とも呼ばれていて、血管の内部や組織と組織の間に水分や電解質を補給する目的で使用される輸液です。代表的な分類としては、生理食塩液、リンゲル液、乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液、重炭酸リンゲル液などがあり以下のような特徴があります。
・生理食塩液:塩化ナトリウムと水で構成される等張性の輸液です。主に、体液量の補充や電解質バランスの維持などに使用されます。
・リンゲル液:生理食塩液に各種電解質を加えた輸液で、生理食塩液よりも体内での水分吸収効率が高いとされています。
・乳酸リンゲル:リンゲル液に乳酸を加えた輸液です。乳酸リンゲル液が体内に入った際に、乳酸が代謝されpH値を調整する効果があります。
・酢酸リンゲル液:リンゲル液に酢酸を加えた輸液です。酢酸リンゲル液が体内に入った際に、酢酸が代謝されpH値を調整する効果があります。
・重炭酸リンゲル液:リンゲル液に重炭酸塩を加えた輸液です。重炭酸リンゲル液が体内に入った際に、重炭酸が代謝されpH値を調整する効果があります。
※以下、代表的な乳酸リンゲル液(細胞外液補充液)であるハルトマンD液「フソー」に関する記載となります。
■ハルトマンD液「フソー」の組成
1袋(500mL)中に下記成分を含んでいます。
・塩化ナトリウム:3.00g
・塩化カルシウム水和物:0.10g
・塩化カリウム:0.15g
・乳酸ナトリウム:1.55g
・ブドウ糖:25.00g
・pH:4.1〜4.9
・浸透圧比(生理食塩液に対する比):1.8〜2.2
・比重:1.025
■ハルトマンD液「フソー」の電解質濃度
・ナトリウムイオン:131 mEq/L
・カリウムイオン:4.0 mEq/L
・カルシウムイオン:3.0 mEq/L
・クロライドイオン:110.0 mEq/L
・乳酸イオン:28 mEq/L
・熱量:100kcal/500mL |
使用方法 |
成人(15歳以上)のケース:1回500〜1000mLを点滴静注します。
※投与速度はブドウ糖として1時間当たり0.5g/体重kg以下としてください。
※なお、体重、年齢、症状に応じて、医師の判断のもと適宜増量、減量することができます。 |
副作用 |
ハルトマンD液「フソー」は使用成績調査などの副作用発現頻度を明確とする調査、試験が実施されていません。過敏症としては紅斑、じんましん、かゆみ感が、大量投与や急速投与によっては脳浮腫、肺水腫、末梢におけるむくみなどが引き起こされる可能性があります。万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止するなど適切な処置が必要です。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・塩化ナトリウム、塩化カルシウム水和物、塩化カリウム、乳酸ナトリウム、ブドウ糖を配合した医薬品の成分や添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ハルトマンD液「フソー」はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼ハルトマンD液「フソー」の有効成分
塩化ナトリウム、塩化カルシウム水和物、塩化カリウム、乳酸ナトリウム、ブドウ糖
▼代表薬の添加物
pH調整剤
・乳酸血症状態の方
※乳酸血症の症状が悪化する可能性があります。
使用に注意が必要な方 ・重篤な肝障害をお持ちの方
※水分、電解質の異常、血液中の乳酸値の過度な上昇を起こす可能性があります。
・閉塞性尿路疾患を患い、尿量が減少している方
※水分や電解質の過剰投与となり、閉塞性尿路疾患の病態が悪化する可能性があります。
・高張性脱水症状態の方
※高張性脱水症状態では水分補給が必要な状態です。電解質を含んでいるハルトマンD液「フソー」の使用によって高張性脱水症が悪化する可能性があります。
・心臓の機能障害、循環器系の機能障害のある方
※ハルトマンD液「フソー」の使用によって、身体の循環血液量が増します。その結果として心臓に負担をかける可能性があり、心臓の機能障害、循環器系の機能障害が悪化する可能性があります。
・腎臓に機能障害のある方
※水分、電解質の過剰投与が引き起こされる可能性があります。結果的に腎臓の障害が悪化する可能性があります。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量、投与速度を遅くするなど注意をしながら使用してください。
・糖尿病を患っている方
※血糖値の過度な上昇、水分、電解質の異常を起こす可能性があります。
上記にあてはまる方は、細胞外液補充液乳酸リンゲル液を使用する事が出来ない可能性があります。 細胞外液補充液乳酸リンゲル液を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
細胞外液補充液乳酸リンゲル液に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
ハルトマンD液「フソー」 【ハルトマンD液「フソー」 添付文書】
組成表検索 【輸液製剤協議会】 |
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