成分名 |
低張性電解質液脱水補給液(2号液) |
適応症状 |
脱水症および手術前後の水分や電解質の補正、補給 |
簡易説明 |
KN2号輸液は様々な電解質やブドウ糖を含んだ構成になっており、脱水症および手術前後の水分や電解質の補正、補給をすることが可能です。とくにホメオスタシス(恒常性)という生命活動に不可欠な生理現象が崩れた場合、KN2号輸液のような、水分や様々な電解質を含む輸液を点滴静注することで体内の水分や電解質のバランスを補正することが生命維持にとって重要となります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約800円~1,000円
薬代1袋あたりの目安:500ml約191円
薬代後発薬1袋の目安:KN2号輸液に対する後発品はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:1990年10月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ソリタ-T2号輸液【製薬メーカー:エイワイファーマ】
KN2号輸液【製薬メーカー:大塚製薬】
ソルデム2輸液【製薬メーカー:テルモ】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
KN2号輸液は様々な電解質やブドウ糖を含んだ構成になっており、全身の電解質の補給、補正をすると同時に自由水も補給することで、脱水症および手術前後の水分や電解質の補正、補給の効果を発揮します。人間は食事や水分摂取によって水分や電解質を外部から摂取していて、またそれと同量を体外に排泄することでトータルのバランスを保っており、これはホメオスタシス(恒常性)という生命活動に不可欠な生理現象として知られています。このホメオスタシスが崩壊したケースにおいては、KN2号輸液のような、水分や様々な電解質を含む輸液を点滴静注することで体内の水分や電解質のバランスを補正することが生命維持にとって重要となります。
KN2号輸液は大きい分類として「低張性電解質液」に該当します。低張性電解質液は、体液よりも電解質濃度が低く設計されている輸液です。ブドウ糖を配合することで浸透圧のバランスを等張状態にしていますが、ブドウ糖は体内で代謝されると水に変換されるので、最終的には体液よりも浸透圧の低い輸液を投与したようなイメージとなります。そのため低張性電解質液は、細胞内液を含むからだ全体に水分を供給することが可能です。低張電解質輸液の代表的な分類としては、開始液(1号液)、脱水補給液(2号液)、維持液(3号液)、術後回復液(4号液)があり以下のような特徴があります。
・開始液(1号液):病態がわからない時や、ナトリウム・カリウム負荷に対する安全性に配慮してカリウムを含まない電解質の構成となっています。主に緊急時などに水分や電解質を補給する際の第一選択として用いられます。
・脱水補給液(2号液):細胞内に多く存在している電解質のバランスで構成されています。そのため、主に低カリウム血症や細胞内の電解質が不足している脱水時に用いられます。
・維持液(3号液): 人間の1日に必要な水分および電解質のバランスで構成されています。主に経口での水分、電解質の摂取が不可な状態、または不十分な状態における水分と電解質の補給・維持に用いられます。
・術後回復液(4号液):電解質の濃度が低く設計された構成になっています。水分の補給を目的としていて、主に腎臓の機能が低下している方、腎臓の機能が未熟な小児、術後間もない方などを対象として用いられます。
低張性電解質液 脱水補給液(2号液)
※以下、代表的な低張性電解質液の脱水補給液(2号液)であるKN2号輸液に関する記載となります。
■KN2号輸液の組成
1袋(500mL)中に下記成分を含んでいます。
・塩化ナトリウム:0.96g
・塩化カリウム:0.500g
・L-乳酸ナトリウム:1.40g
・塩化マグネシウム:0.1065g
・リン酸二水素ナトリウム水和物:0.091g
・リン酸二カリウム:0.500g
・ブドウ糖:11.75g
・pH(製造直後の平均実測値):約4.8
・pH(規格値):4.5〜7.0
・浸透圧比(生理食塩液に対する比):約1
■KN2号輸液の電解質濃度
・ナトリウムイオン:60mEq/L
・カリウムイオン:25mEq/L
・マグネシウムイオン:2mEq/L
・クロライドイオン:49mEq/L
・L-乳酸イオン:25mEq/L
・リン:6.5mEq/L
・熱量47kcal/500ml |
使用方法 |
成人(15歳以上)のケース:1回500〜1000mLを点滴静注します。
※投与する速度は、成人の場合1時間あたり300〜500mL、小児の場合1時間あたり50〜100mLとしてください。
※なお、体重、年齢、症状に応じて、医師の判断のもと適宜増量、減量することができます。 |
副作用 |
主な副作用
KN2号輸液は、副作用の発現頻度が明らかとなる使用成績調査などの調査が実施されていませんが、次に挙げるような副作用が引き起こされる可能性があります。使用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止するなど適切な処置を行ってください。
・大量投与、急速投与:大量投与、急速投与によって、肺水腫、脳浮腫、末梢のむくみ、高カリウム血症が引き起こされる可能性があります(1978年の第一次再評価結果において確認されています)。
・1才未満の小児への急速投与:100mL/時間以上の速度で投与するケースにおいて高カリウム血症が引き起こされる可能性があります(1978年の第一次再評価結果において確認されています)。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・塩化ナトリウム、塩化カリウム、L-乳酸ナトリウム、塩化マグネシウム、リン酸二水素ナトリウム水和物、リン酸二カリウム、ブドウ糖を配合した医薬品の成分や添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分や添加物にアレルギーをお持ちの方、KN2号輸液はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼KN2号輸液の有効成分
塩化ナトリウム、塩化カリウム、L-乳酸ナトリウム、塩化マグネシウム、リン酸二水素ナトリウム水和物、リン酸二カリウム、ブドウ糖
▼代表薬の添加物
pH調整剤(氷酢酸)
・電解質の代謝異常を引き起こしている方
※電解質の代謝異常があらに悪化する可能性があります。
・高乳酸血症状態の方
※高乳酸血症の悪化が引き起こされる可能性があります。
・甲状腺機能低下症などによって高マグネシウム血症を引き起こしている方
・低カルシウム血症を引き起こしている方
・アジソン病、乏尿、高窒素血症、重症なやけどなどによって高カリウム血症を引き起こしている方
・副甲状腺機能低下症などによって高リン血症を引き起こしている方
使用に注意が必要な方 ・腎不全を患っている方
※上記疾患では水分、電解質の調節機能が低下しています。
・心不全を患っている方
※全身の循環血液量が増加することによって、心不全症状の悪化が引き起こされる可能性があります。
・重篤な肝障害を患っている方
※水分や電解質代謝異常の悪化が引き起こされる可能性があります。
・閉塞性尿路疾患によって尿量が減少している方
※水分や電解質の負荷が過剰となって、閉塞性尿路疾患の症状が悪化する可能性があります。
・糖尿病を患っている方
※糖尿病の病態ではブドウ糖の各組織への移行が制限されている状態にあるので、KN2号輸液の投与によって高血糖を生じ、糖尿病の病態悪化が引き起こされる可能性があります。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、投与速度を落としたり、減量したりするなど注意をしながら使用してください。
上記にあてはまる方は、低張性電解質液脱水補給液(2号液)を使用する事が出来ない可能性があります。 低張性電解質液脱水補給液(2号液)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
低張性電解質液脱水補給液(2号液)に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
KN2号輸液 【KN2号輸液 添付文書】
組成表検索 【輸液製剤協議会】 |
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