ピリドキシン塩酸塩

成分名

ピリドキシン塩酸塩

適応症状

ビタミンB6欠乏症の予防及び治療、食事からの摂取が不十分になった場合の補給(妊娠婦、消耗性疾患など)、ビタミンB6依存症(ビタミンB6反応性貧血など)、ビタミンB6の欠乏又は代謝障害が関与されると考えられる症状(口角炎、舌炎、末梢神経症、脂漏性湿疹など)

簡易説明

ピリドキシン塩酸塩は別名ビタミンB6と呼ばれています。体の中でリン酸ピリドキサールという物質に変化して、アミノ酸代謝を助ける作用を持っています。主にビタミンB6欠乏、代謝障害が関係しているとされる疾患やビタミンB6欠乏症、依存症などの症状に対して効果があります。多くはたんぱく質の代謝を助ける作用があります。その他にも免疫機能の維持、皮膚の抵抗力の向上、赤血球ヘモグロビン合成など脂質の代謝に対しても作用があるとされています。

処方可能な診療科目

内科/内分泌科/口腔外科/皮膚科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:ビーシックス注「フソー」−10mg88円/管(薬価)
ビタミンB6散10%「マルイシ」17.1円/g(薬価)
薬代後発薬1錠の目安:ビタミンB6錠30mg「F」5.7円/錠(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1957年6月【ビーシックス注「フソー」】

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

ビーシックス注「フソー」−10mg/30mg【製薬メーカー:扶桑薬品工業】
ビタミンB6散10%「マルイシ」【製薬メーカー:丸石製薬】
ピリドキシン塩酸塩注射液10mg「日医工」【製薬メーカー:日医工】

関連製品(ジェネリック)

ビタミンB6錠30mg「F」【製薬メーカー:富士製薬工業】

海外での使用実績

・アメリカ
1972年にFDAからピリドキシン塩酸塩が承認されました。

効果・作用

ピリドキシン塩酸塩は別名ビタミンB6製剤であり、ビタミンB6の不足によって引き起こされる神経、皮膚、粘膜などの疾患やビタミンB6欠乏症・依存症、炎症や貧血などを治療するために使用される薬です。その他にも中枢神経の興奮を改善させる作用により、てんかんの治療に際しても使用されることがあります。
ビタミンB6はたんぱく質がエネルギーとして使用される過程での酵素を補う補酵素としての働きがあり、主にたんぱく質からアミノ酸への分解などを助ける作用を持っています。それ以外には免疫機能の正常に維持、神経伝達物質の合成に関係しており、中枢神経の異常興奮に対して抑える作用も持っています。

口内炎、湿疹、ざ瘡(にきび)なと栄養の偏りにより諸症状に対して幅広く用いることができます。
ピリドキシン塩酸塩は、水に溶けやすく乾燥状態であれば安定していますが、直射日光や紫外線に当たると成分が徐々に分解されることがあります。

◆ビタミンB6が不足した場合
ビタミンB6が含まれている食品の例として挙げられるのは内臓肉(レバーなど)、魚、豆類など多くの食物に含まれているため、食事による欠乏症は稀です。二次性ビタミンB6欠乏症は、吸収不良・アルコール依存症・低栄養・血液透析中の過剰喪失・ピリドキシンを不活化させる薬剤を使用しているなどが起因して引き起こされることがあります。

多くの症状として、むくみ、貧血、聴覚過敏、免疫力低下、末梢神経障害、脂漏性皮膚炎、舌炎、口角炎を伴うペラグラ様症候群などが引き起こされます。
成人の場合、抑うつ、脳波異常、錯乱、痙攣発作なども引き起こされる場合があります。
乳児の場合、痙攣発作が引き起こされる場合があります。

使用方法

ピリドキシン塩酸塩として、成人に通常1日10〜100mgを1、2回に分割して皮下、筋肉内又は静脈内に注射して下さい。年齢や症状などによって適宜増減されます。
依存症に対して使用の場合、より大量に必要な場合があります。

▼関連する使用上の注意点
・新生児(低出生体重児)などに大量に用いる際は、本剤の添加物であるベンジルアルコールを含有しない製剤の使用を検討して下さい。
・新生児、乳幼児への使用は少量から徐々に増量してくなど、症状に適合させるように用いて下さい。

副作用

主な副作用
・光線過敏症
・下痢
・嘔吐
・肝機能障害
・手足の痺れ
・知覚異常
・末梢神経障害

重大な副作用
・横紋筋融解症
新生児、乳幼児に大量に使用した場合、急性腎不全などの重篤な腎障害が起きる恐れがあります。
・CK上昇
・CPK上昇
・血中ミオグロビン上昇
・尿中ミオグロビン上昇

極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ピリドキシン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ビーシックス注は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ビーシックス注の有効成分
ピリドキシン塩酸塩
▼代表薬の添加物
・ベンジルアルコール10mg
・塩化ナトリウム
・pH調整剤

使用に注意が必要な方
■小児等
新生児、乳幼児に大量に使用した場合、横紋筋融解症、下痢、嘔吐、肝機能異常等の副作用が現れる可能性がある為、使用の際は慎重に検討して下さい。

上記にあてはまる方は、ピリドキシン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ピリドキシン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
■レボドパ
レボドパの作用を減弱する恐れがあります。

上記を使用している方は、ピリドキシン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ピリドキシン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
服用、投与はどのような方法がありますか?

いくつかの服用、投与方法があります。錠剤又は散剤での経口投与と注射剤などの種類があります。注射剤は筋肉内又は静脈内に注射を行います。

ピリドキシン塩酸塩関連の市販薬はありますか?

市販薬ではピリドキシン塩酸(ビタミンB6)を配合した薬が多くあります。代表的な商品はアリナミンEXプラス、キューピーコーワゴールドα、チョコラBBプラスといったビタミン剤やリポビタンD、アリナミンVといったドリンク剤などがあります。

過度に摂取してしまった場合、どうなりますか?

基本的に1年以上にわたって食事以外から過剰摂取してしまうと、重度の神経障害が引き起こされ、動作が上手く行えなくなります。この場合は服用を中止すると通常、症状が改善されることが殆どです。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。