チオクト酸

成分名

チオクト酸

適応症状

チオクト酸を主成分とする医療用医薬品であるチオクト酸注25mg「日新」の効能・効果は4点あります。
①チオクト酸の需要が増大した際の補給(激しい肉体労働時)
②Leigh症候群(亜急性壊死性脳脊髄炎)
③中毒性(ストレプトマイシン、カナマイシンによる)
④騒音性(職業性)に内耳難聴
に対して適応症状を持ちます。
但し、上記①~④の効能又は効果に対して、効果がないのに月余に渡り漫然投与をしてはいけません。

簡易説明

チオクト酸を主成分とする医療用医薬品であるチオクト酸注25mg「日新」は代謝性製剤として日新製薬株式会社より販売されました。チオクト酸は、αーリポ酸とも呼ばれ、αーケト酸脱炭酸反応系において、lipoic acid acyl transferaseの補欠分子族としてビタミンB1やB2の補酵素型との相関で機能しています。結果としてアセチルCoAを生成し、エネルギー代謝を促進します。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/皮膚科/耳鼻咽喉科/脳神経外科内科/泌尿器科/消化器内科外科/精神科/麻酔科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

薬代1管あたりの目安:25mg約60円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

ミトコンドリア病は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

チオクト酸を主成分とする医薬品であるチオクト酸注25mg「日新」は、チオトミン(旧販売名)とし、1963年12月13日に製造販売が承認され、1965年12月1日に薬価基準に収載されました。その後、販売名をチオトミン注25mgに変更する事で、新たに2008年3月13日に製造販売が承認され、2008年6月20日に薬価基準に収載されました。そして最終的に現在のチオクト酸注250mg「日新」に変更し、2015年1月20に製造販売が承認され、2015年6月19日薬価基準に収載。2015年6月19日発売に至りました。

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

チオクト酸注25mg「日新」【製薬メーカー:日新製薬株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

チオクト酸を主成分とする医療用医薬品であるチオクト酸注25mg「日新」の効能・効果は4点あります。
①チオクト酸の需要が増大した際の補給(激しい肉体労働時)
②Leigh症候群(亜急性壊死性脳脊髄炎)
③中毒性(ストレプトマイシン、カナマイシンによる)
④騒音性(職業性)に内耳難聴
に対して効果のある医薬品になります。

【作用機序】
チオクト酸は別名αーリポ酸とも呼ばれる脂肪酸の一種で、細胞のミトコンドリア内で働く補酵素の一種です。
生体内におけるピルビン酸及びαーケトグルタル酸の酸化的脱炭酸反応に補酵素として関与し、アセチルCoAを生成し、エネルギー代謝を促進します。また、活性SH基として解毒作用を示し、代謝障害によるαーケト酸の蓄積する肝疾患の肝代謝を賦活する等の薬理作用も認められています。

1)4つのαーケト酸脱水素酵素複合体
①クエン酸回路を経てのエネルギー産生に重要な電解補酵素Aへとピルビン酸を変換する反応の触媒作用として作用します。
②クエン酸回路の別の重要な中間体であるスクシニルCoAへとαーケトグルタルさんを変換する反応を触媒します。
③ロイシン、イソロイシン、バリンという分岐鎖アミノ酸の異化におけるケト酸の脱炭酸反応に関わります。
④リシン、ハイドロシン、及びトリプトファンの異化経路において2-オキソアジピン酸からグルタリルCoAへの脱炭酸反応を触媒します。

【Leigh症候群(亜急性壊死性脳脊髄炎)とは】
ミトコンドリアエネルギー産生異常が原因の連続する進行性神経変性疾患の一種です。3~12か月齢においてウイルス感染に続いての発症が特徴になります。併発疾患中の代償不全が、典型的には精神運動発達遅延または退行を伴います。神経学的症状には、筋緊張低下、痙性、運動異常(舞踏病を含む)、小脳失調及び末梢神経障害があります。約50%の患者が3歳までに死亡します。その内容は呼吸または心不全が最も多いです。

使用方法

チオクト酸注25mg「日新」の主成分であるチオクト酸として、通常成人に使用する場合には、1日1回10~25mgを静脈内、筋肉内又は皮下に注射を行います。なお、患者の年齢及び症状によっては適宜増減する事が認められています。

副作用

消化器、その他の副作用が報告されております。

発生頻度は以下の通りです。
1)消化器
食欲不振、悪心、下痢(頻度不明)
2)その他
発疹、頭痛、眩暈、心悸亢進(頻度不明)

頻度不明の発疹等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)本剤の成分又は添加物に対し過敏症の既往歴のある患者
■チオクト酸を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、チオクト酸注25mg「日新」はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼チオクト酸注25mg「日新」の有効成分
チオクト酸
▼代表薬の添加物
・ベンジルアルコール、リン酸三ナトリウム、pH調整剤

使用に注意が必要な方
1)高齢者
一般的に高齢者では生理機能が低下している為使用には注意が必要です。
2)小児等
低出生体重児、新生児に使用する場合には十分注意が必要です。外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与により中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告があります。

上記にあてはまる方は、チオクト酸を使用する事が出来ない可能性があります。
チオクト酸を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

チオクト酸に関する
よくある質問
チオクト酸には併用禁忌薬や併用注意薬などはありませんが、配合変化による影響などもないのでしょうか?

チオクト酸を使用する場合、ブドウ糖液又はアミノ酸製剤との混合は差し支えありませんが、酸性の注射液や注射用カルシウム製剤と混合した場合、白濁又は沈殿を生ずる恐れがある為注意が必要です。
インタビューホーム 【日新製薬株式会社】

チオクト酸は具体的にはどの様な物質ですか?

チオクト酸は別名αーリポ酸とも呼ばれており、抗酸化作用を持つ硫黄を含んだビタミン様物質になります。αーリポ酸の還元型がヒドロリポ酸になり、この両方に強い抗酸化作用があります。
インタビューホーム 【日新製薬株式会社】

チオクト酸を摂取すると低血糖症状が現れるのですか?

チオクト酸含有食品の摂取により、インスリン自己免疫症候群が発症したとの報告があります。ダイエットや老化防止に効果があるとした健康食品を摂取した方で血糖降下薬を使用していないのに低血糖症状が発現した方がいるとの報告があります。これはHLA遺伝子と呼ばれる白血球の型を持つ人が、SH基と呼ばれる構造を持つ健康食品等を摂取すると特に発症しやすいとの事です。
日本健康・栄養食品協会では、「αーリポ酸を含む健康食品を摂取していて、空腹感、あくび、悪心、冷汗、手足の震え等の体調変化が現れた場合は、速やかに摂取を中止し、医師、薬剤師に相談してほしい」と注意を呼び掛けています。
インタビューホーム 【日新製薬株式会社】

参考元一覧

インタビューホーム 【日新製薬株式会社】

医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】

UR-DBMS/Syndrome  【ゲノム医療研究部】

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。