細胞外液補充液重炭酸リンゲル液

成分名

細胞外液補充液重炭酸リンゲル液

適応症状

・循環血液量および各組織間液が減少した際における細胞外液の補正、補給
・代謝性アシドーシス状態の補正

簡易説明

ビカネイト輸液は、血漿の成分と同じ重炭酸イオンを配合しており、細胞外液を補給・補正したり、代謝性アシドーシスの補正効果を示したり、幅広い用途で使用されます。代謝性アシドーシスは、悪化すると多臓器不全や呼吸不全を引き起こす可能性があるので治療が必須であり、ビカネイト輸液などの重炭酸リンゲル液が用いられるケースがあります。

処方可能な診療科目

内科/外科/麻酔科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約800円~1,000円
薬代1袋あたりの目安:500mg約192円/1000ml約351円
薬代後発薬1袋の目安:ビカネイト輸液に対する後発品はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2010年10月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ビカネイト輸液【製薬メーカー:大塚製薬】
ビカーボン輸液【製薬メーカー:エイワイファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

ビカネイト輸液は、血漿の成分と同じ重炭酸イオンを配合しており、細胞外液を補給・補正したり、代謝性アシドーシスの補正効果を示したり、幅広い用途で使用されます。
ラット出血性ショックモデルの通常投与時において、ビカネイト輸液は循環動態および血液酸塩基平衡の症状改善に対して、酢酸リンゲル液および乳酸リンゲル液と同等の効果を示しています。また急速投与時においては過剰塩基および血液中重炭酸イオン濃度、血圧に対して、ビカネイト輸液が酢酸リンゲル液に比べて速やかな改善効果を示しています。さらに、ビカネイト輸液は乳酸リンゲル液よりも速やかに血液中乳酸値が低下しています。

ビカネイト輸液は大きい分類として「細胞外液補充液」に該当します。細胞外液補充液は、各種電解質の浸透圧が人間の体液とほぼ同じの構成になっているので、投与した輸液が細胞内へは移行せず、細胞外にそのまま分布していき細胞外液量を補充することができます。等張電解質輸液とも呼ばれていて、血管の内部や組織と組織の間に水分や電解質を補給する目的で使用される輸液です。代表的な分類としては、生理食塩液、リンゲル液、乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液、重炭酸リンゲル液などがあり以下のような特徴があります。

・生理食塩液:塩化ナトリウムと水で構成される等張性の輸液です。主に、体液量の補充や電解質バランスの維持などに使用されます。
・リンゲル液:生理食塩液に各種電解質を加えた輸液で、生理食塩液よりも体内での水分吸収効率が高いとされています。
・乳酸リンゲル:リンゲル液に乳酸を加えた輸液です。乳酸リンゲル液が体内に入った際に、乳酸が代謝されpH値を調整する効果があります。
・酢酸リンゲル液:リンゲル液に酢酸を加えた輸液です。酢酸リンゲル液が体内に入った際に、酢酸が代謝されpH値を調整する効果があります。
・重炭酸リンゲル液:リンゲル液に重炭酸塩を加えた輸液です。重炭酸リンゲル液が体内に入った際に、重炭酸が代謝されpH値を調整する効果があります。

使用方法

成人(15歳以上)のケース:1回500〜1000mLを点滴静注します。
※投与する速度は、1時間当たり10mL/体重kg以下とします。
※なお、体重、年齢、症状に応じて、医師の判断のもと適宜増量、減量することができます。

副作用

主な副作用
・血液系:アルブミン減少、ケトン体増加、過剰塩基増加、pH異常、重炭酸塩増加、過剰塩基減少、マグネシウム増加、pH上昇、クエン酸異常、クエン酸増加、カルシウム減少、総タンパク減少
・大量投与、急速投与:肺水腫、脳浮腫、末梢のむくみ

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム水和物、塩化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム水和物を配合した医薬品の成分や添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分や添加物にアレルギーをお持ちの方、ビカネイト輸液はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ビカネイト輸液の有効成分
塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム水和物、塩化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム水和物
▼代表薬の添加物
クエン酸水和物

・甲状腺機能低下症を患っている方
※高マグネシウム血症がさらに悪化、または高マグネシウム血症が引き起こされる可能性があります。
・高マグネシウム血症を患っている方
※高マグネシウム血症がさらに悪化、または高マグネシウム血症が引き起こされる可能性があります。

使用に注意が必要な方
・高張性の脱水症状の方
※上記の症状では水分補給が必須な状況であり、電解質を含んでいるビカネイト輸液の使用によって高張性の脱水症状が悪化する可能性があります。
・心不全を患っている方
※全身の循環血液量が増加することによって、心不全症状の悪化が引き起こされる可能性があります。
・腎臓の機能障害を患っている方
※水分や電解質が過剰な状態に陥る可能性が高く、症状の悪化が引き起こされる可能性があります。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
・閉塞性尿路疾患によって尿量が減少している方
※上記症状によって水分や電解質などの排泄が障害されて遅延しているため、症状の悪化が引き起こされる可能性があります。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、投与速度を落としたり、減量したりするなど注意をしながら使用してください。
・小児など
※小児などを対象としている安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。

上記にあてはまる方は、細胞外液補充液重炭酸リンゲル液を使用する事が出来ない可能性があります。
細胞外液補充液重炭酸リンゲル液を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

細胞外液補充液重炭酸リンゲル液に関する
よくある質問
ビカネイト輸液の保管方法で注意点はありますか?

ビカネイト輸液の液漏れの原因となるので、するどいものとの接触や大きな衝撃を与えないでください。また、 室温保存において有効期間は3年間となっています。ビカネイト輸液 【ビカネイト輸液 添付文書】

ビカネイト輸液の調整時に注意する点はありますか?

輸液セットのびん針や注射針は、ゴム栓にある印(〇印の刻印部)に対して垂直にゆっくりと刺してください。印に対して斜めに刺してしまったケースでは、破片が混入したり液漏れの原因となったりする可能性があります。また、針を同一箇所に繰り返し刺すことも同様の現象を引き起こす可能性がありますので注意してください。ビカネイト輸液 【ビカネイト輸液 添付文書】

ビカネイト輸液の投与時に注意する点はありますか?

輸液セット内において空気が流入してしまうリスクがあるので、連結管を用いたタンデム方式による投与は原則的に行わないこととされています。ビカネイト輸液 【ビカネイト輸液 添付文書】

参考元一覧

ビカネイト輸液 【ビカネイト輸液 添付文書】
組成表検索 【輸液製剤協議会】

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