レチノールパルミチン酸エステル

成分名

レチノールパルミチン酸エステル

適応症状

・角膜乾燥症/軟化症の治療
・結膜乾燥症の治療
・授乳婦のビタミンAの補給
・乳幼児/妊産婦/消耗性疾患のビタミンAの補給
・ビタミンA欠乏症の治療
・夜盲症の治療
・ビタミンA欠乏の角化性皮膚疾患
・ビタミンA代謝障害の角化性皮膚疾患
・食事からの摂取が不十分のビタミンAの補給

簡易説明

・ビタミンAを補うことで夜盲症(鳥目)や皮膚の乾燥などを改善する薬です。脂に溶けやすい性質があり、目の感受性を維持することができます。
・ビタミンAは皮膚や粘膜などを正常に保ち乾燥などから守る作用もあります。皮膚や粘膜の代謝にかかわっており「目のビタミン」とも言われ、欠乏すると、夜盲症(とり目)になったり目が乾燥したりします。また、ニキビの治療にも用いることもあります。
・ビタミンA強化食品として追加されたり、化粧品や日焼け止めに配合されてる成分でもあります。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~
薬代1錠あたりの目安:1ml約73.1円/ml
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 1951年3月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外のみ)

関連製品(先発薬)

チョコラA滴0.1万単位/滴【製薬メーカー:サンノーバ】
チョコラA筋注5万単位【製薬メーカー:エーザイ】

関連製品(ジェネリック)

AQUASOL A-vitamin a palmitate injection,solution【製薬メーカー:Casper Pharma LLC】

効果・作用

▼薬理作用
ビタミンAは脂に溶けやすい性質(脂溶性)のビタミンで、別名でレチノールとも呼びます。明暗を感知する細胞に必要なロドプシン(色素)の構成成分として視覚作用に関わり、粘膜や上皮細胞の機能維持にも関係してます。

▼夜盲症(とり目)とは
・夜間視力が健常人に比べ極端に落ちる病気。ビタミンAが不足すると、網膜状での暗順応に必要な物質(ロドプシン)を生成できず、症状が現れます。

▼レチノールは食事から摂取で十分
・ビタミンAは動物性のレチノール、植物性のプロビタミンAとして体内に貯蔵されているため、ビタミンAが不足することはほとんどないと言われていますが、ビタミンAは脂溶性ビタミンでもあるため、体に貯蔵されやすく、過剰摂取には注意が必要です。
食事から摂取すると体内で分解され、最終的には「トレチノイン」となります。血液中にはごく微量のトレチノインが流れています。肌では、表皮との境目である真皮乳頭層を流れる血管から表皮にたどり着いたトレチノインが角化細胞を活性化させ、表皮に厚みを出したり、角化細胞間や角質にヒアルロン酸などの粘液性物質を沈着させやすくして表皮を水分で満たします。

▼シワ改善効果
・ビタミンAは「ビタミンE、ビタミンC」とともに「ビタミンエース(ACE)」と呼ばれ、活性酸素の働きを抑える作用を持つ抗酸化ビタミンです。
・酸素を利用してエネルギーを作り出すと同時に、活性酸素も常に体内で発生しています。活性酸素は細胞を傷つけ、老化、がん、シワ、しみ、糖尿病や脂質異常症、動脈硬化などの生活習慣病の原因となってしまいます。
・体は本来、酵素によって活性酸素を抑制する働きがありますが、年を重ねるとともに体内で作られる酵素の量は減少します。抗酸化ビタミンは、酵素によって処理しきれない活性酸素の働きを抑える抗酸化物質のひとつとして注目されています。
・ビタミンAは、健康な表皮の形成をサポートし、肌のハリや潤いを保ち、紫外線から肌を守ってシミやシワを防ぐと言われています。また、レチノールには表皮細胞を活性化させ表皮を厚くするという効果があります。
・シワは加齢による人体の変化ですが、シワという変化をレチノールが持つ「表皮を厚くする」という作用で新たに人体へ変化を起こさせ、シワを目立たなくさせる。この効果を狙ってレチノールが使用されています。
・レチノールにより真皮層にある保湿因子「グリコサミノグリカン」の量が増加する事で肌の保湿性が向上されます。これらはすべて肌の奥深く真皮層に存在する「線維芽細胞」の作用によって作り出される成分で、線維芽細胞はレチノールによって活性化する為、肌はシワ、たるみ、保湿性の改善に繋がるといえます。また、肌の生まれ変わりを促進もするので、古い角質を落とし新しい細胞を生み出すターンオーバーを加速する事が可能で、肌の奥にあるシミやそばかすといった黒い色素を古い角質と一緒に垢として排出致しますので高い美白効果が期待できます。

▼ニキビ・毛穴詰まりの改善
・炎症を抑えたり、腫瘍を抑制する効果があるので、初期から重症のニキビまで幅広く使うことが出来ます。

▼シミの改善
・表皮の細胞分裂を活性化させることで肌のターンオーバーを促進すると言われています。シミは、メラニン色素が蓄積されたもので、本来排出されるはずだったメラニン色素が肌に残りシミと原因となっています。

・医薬品製造元のメーカー発表
・厚生労働省などの役所機関
・論文(大学の記事など)

使用方法

・補給の目的には、1日2~4滴(ビタミンAとして、2000~4000ビタミンA単位)を経口投与する
※なお、年齢により適宜減量する
・治療の目的には、1日3~100滴(ビタミンAとして、3000~100000ビタミンA単位)を経口投与する
※なお、年齢・症状により適宜増減する

副作用

主な副作用
レチノールパルミチン酸エステルには、副作用が起こる可能性があります。
レチノールパルミチン酸エステル
を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

ビタミンA過剰症状、大泉門膨隆、神経過敏、頭痛、食欲不振、嘔吐、肝腫大、脱毛、皮膚そう痒感、体重増加停止、四肢痛

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

ショック症状、血圧降下、胸内苦悶、呼吸困難

その他の副作用
骨痛、関節痛、過敏症、発疹

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■レチノールパルミチン酸エステル
を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方チョコラは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼チョコラの有効成分
レチノールパルミチン酸エステル
▼代表薬の添加物
タウリン、ジブチルヒドロキシトルエン、植物油、ブチルヒドロキシアニソール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、クエン酸水和物、サッカリンナトリウム水和物、ジブチルヒドロキシトルエン、水素添加ヒマシ油ポリオキシエチレン-60モルエーテル、デヒドロ酢酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、香料

・レチノイド製剤投与中
・過敏症
・妊婦/授乳者
・妊娠を希望する婦人
・妊娠を希望する婦人<ビタミンA欠乏症の婦人は除く>

使用に注意が必要な方
・高齢者
・新生児/乳児/幼児/小児
・アレルギー
・気管支喘息
・蕁麻疹
・発疹
・薬物過敏症

上記にあてはまる方は、レチノールパルミチン酸エステルを使用する事が出来ない可能性があります。
レチノールパルミチン酸エステルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
エトレチナート/トレチノイン/タミバロテン/ベキサロテン/パクリタキセル

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
レチノイド反応ってなんですか?

ビタミンAが不足している肌(新陳代謝の遅い眠っていた肌)に、急に多くのビタミンAを補給した時、肌の新陳代謝が促進されることで、まれに起こる反応のことです。これは一時的に、乾燥感や皮剥け、赤み、かゆみなどが生じます。毒性反応でもアレルギー反応でもありませんので、皮膚がビタミンAに慣れるに従い、自然におさまることがほとんどです。

ビタミンA欠乏症になるとどうなりますか?

暗闇での視力調整がうまくいかなくなり、夜間にものが見えにくくなります。また、眼球が角化を起こす結果、眼球乾燥症と呼ばれる特徴的な見た目を示すようになります。

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