葉酸

成分名

葉酸

適応症状

・悪性貧血の補助療法
・アルコール中毒の大赤血球性貧血
・顆粒球減少症
・肝疾患の大赤血球性貧血
・吸収不全症候群
・再生不良性貧血
・授乳婦の葉酸の補給
・消耗性疾患の葉酸の補給
・スプルー
・妊産婦の葉酸の補給
・食事からの摂取が不十分の葉酸の補給
・葉酸欠乏の栄養性貧血/小児貧血/妊娠性貧血/抗マラリア剤投与に起因する貧血/抗痙攣剤投与に起因する貧血/治療/予防
・葉酸代謝障害の栄養性貧血/小児貧血/妊娠性貧血/抗マラリア剤投与に起因する貧血/抗痙攣剤投与に起因する貧血

簡易説明

ビタミンBの仲間で、細胞の発育や機能を正常にたもつのに必要です。とくに、ビタミンB12とともに、血液をつくるのに欠かせないものです。
水溶性で、葉酸を補い、葉酸欠乏による貧血や口内炎を予防する、もしくは妊娠時の葉酸補充などに使用する薬です。
赤血球の合成や細胞の生成を助け、皮膚の粘膜強化などにも作用し、胎児の成長に大切な役割を果たすため、妊娠中では十分な量の葉酸摂取が必要となる 「関節リウマチでの薬物療法」「抗てんかん薬による治療」「がん治療での化学療法」などにおける補充療法薬としても使用する場合もあります。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~
薬代1錠あたりの目安:1錠5mg約9.8円/錠
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 1989年7月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外のみ)

関連製品(先発薬)

フォリアミン錠【製薬メーカー:日本製薬】
フォリアミン散100mg/g【製薬メーカー:日本製薬】
フォリアミン注射液【製薬メーカー:日本製薬】

関連製品(ジェネリック)

フォリック(葉酸)5mg【製薬メーカー:Wyeth (ワイス)】

効果・作用

▼薬理作用
・葉酸は水に溶けやすい性質の水溶性ビタミンで、ビタミンB12と共に赤血球の合成に関係してます。タンパク質やアミノ酸の合成に作用し、細胞の生成を助けることから胎児の成長に大切な役割を果たすので、特に妊婦は葉酸摂取が必要です。また、細胞の生成を助けることから、皮膚の粘膜強化に作用するので、葉酸が不足すると口内炎や潰瘍などができやすくなり、葉酸を補うことで貧血や口内炎などの治療に効果が期待できます。・関節リウマチにおける薬物療法やがんに対する化学療法などにおける補充療法薬として使用される場合もあります。また、一部の抗てんかん薬は血液中の葉酸濃度を低下させることがあり、なんらかの理由で葉酸濃度低下の可能性がある抗てんかん薬を使用している場合における葉酸の補充目的で使われる場合もあります。

▼体内における葉酸の働きとは
・アミノ酸の一種「ホモシステイン」を「メチオニン」に変換するため酵素反応を補助しています。メチオニンはタンパク質の合成に必要な物質で、細胞分裂の核となるDNAの合成にも関係しており、 葉酸はタンパク質やDNAの合成に必要なビタミンだといえます。また、ビタミンB12とともに、赤血球の産生にも関係し、造血機能もあります。また、細胞分裂が活発な胎児の発育にも、必要不可欠な栄養素でです。
・「神経管閉鎖障害」は、妊娠4~5週目あたりに発生する先天異常です。中枢神経のもととなる神経管に癒合不全が発生することで、下肢の運動障害や膀胱・直腸機能の障害、死産や流産の割合が増えることなどがわかっております。

▼葉酸の欠乏症/過剰症とは
・健康な人の場合、通常の食事によって不足することはほとんどありませんが、妊娠中の女性、ピルやアスピリン、抗ガン剤、お酒をよく飲む人を使用している人には不足しがちな栄養素です。
葉酸が不足すると、赤血球をうまく作れず貧血の原因となります。
・赤血球はその元となる赤芽球が分裂して作られ、うまく分裂が進まない場合、成熟だけが大きくなり、死ぬことになります。赤芽球が大きくなり、正常な赤血球の数は減るため、「巨赤芽球性貧血」と呼ばれます。酸素を運ぶ役割をしているヘモグロビンの量が足りていても貧血となるため「悪性貧血」とも言われます。必要量が多い成長期の子どもに多く起こります。
・妊娠の初期に葉酸が不足した場合、胎児の「神経管閉塞障害」の危険性が高くなります。これにより「無脳症」や「二分脊椎」という重度の先天性異常が起こります。また、葉酸が不足すると血液中のホモシステインというアミノ酸の量が増え「動脈硬化」の原因となります。
・口内、腸管粘膜、舌に炎症が起きやすく、食品から摂取する場合、過剰摂取でただちに健康に害が起こる心配はありませんが、薬などにより葉酸を大量投与した場合、皮膚炎、神経障害やじんましん、発熱などが起こる可能性があります。多量摂取が続くと亜鉛の吸収を阻害することもあり、上限量を上回らないように注意が必要です。

▼胎児の神経管閉鎖障害を予防する効果とは
・授乳中の女性、妊娠を考えている女性にとって、葉酸は重要な栄養素で、妊娠すると、ごく初期の時点で胎児の神経管が作られ、この神経管は、約28日で閉鎖し発達するにつれて脊髄や脳になる器官で、胎児のこの部分に障害があると下半身マヒや、奇形などが起こる「神経管閉鎖障害」となります。
・葉酸は細胞の新生に必要なビタミンで、妊娠初期に摂取することによって、神経管閉鎖障害のリスクを軽減することが可能です。また「口蓋裂、口唇」といった障害や、先天性の心疾患の予防にも、妊娠期の葉酸の摂取が役に立ちます。ただし、妊娠がわかってから葉酸を摂取するのではなく、妊娠の可能性がある段階で、葉酸が含まれている食品を意識して摂取することが重要です。生まれてからも、乳幼児の発育に大きな影響をがあるので、授乳中も葉酸を積極的に摂取することが重要です。

▼成長を促進する効果とは
・たんぱく質や核酸を合成するための約20種類の酵素が働くために必要な補酵素として、重要な役割があります。核酸は、細胞の核の中で遺伝情報を持っており、たんぱく質など体をつくる指示を出しています。DNA合成が正常に行われることで、正確にコピーしながら分裂して増加し、新陳代謝や成長を促進すことができます。そのため葉酸は、細胞増殖が盛んに行われる胎児期や幼児期の、健全な発育のために大切な栄養素となります。
・成人でも、葉酸はたんぱく質の合成のために必要で、舌、口腔内、腸管などの粘膜は細胞の生まれ変わりが早く、葉酸が不足すると炎症が起きるなどすぐに影響がでます。葉酸を摂取すると、粘膜や皮膚を強く健康に保つ働きがあります。

▼貧血を予防する効果とは
・赤血球を作るために必要不可欠なビタミンです。
・ビタミンB12とともに補酵素として作用し、赤芽球の合成に関係しております。葉酸は貧血の予防に効果があります。

▼動脈硬化を予防する効果とは
・体内でビタミンB12やビタミンB6と一緒に、ホモシステインをメチオニンやシステインに変換し動脈硬化の予防に重要な役割をもっています。葉酸が不足し、作用が正常でなくなると、血液中のホモシステインの量が増加し、血液凝固や血管内皮細胞の機能に影響してしまい、血栓を形成し、動脈硬化の原因となります。
・ホモシステインは、加齢と一緒に血液中の濃度が上昇します。脂質の過剰な摂取や、葉酸の不足、他の要因が重なると、心筋梗塞、脳卒中などの病気を引き起こすことがあり、これらの予防のためにも葉酸を摂取することが重要となります。

▼脳の機能を改善する効果とは
・血流が停滞してしまうと、認知症や聴力障害を引き起こします。また、ホモシステイン血症などを予防し、血流を維持することによって、認知症や聴力障害を予防いたします。

使用方法

葉酸として、1日5~20mg、小児1日5~10mgを2~3回に分割経口投与する
※なお、年齢、症状により適宜増減すること。
消化管に吸収障害のある場合、あるいは症状が重篤な場合は注射を行う方がよい。

副作用

過敏症、紅斑、そう痒感、全身倦怠、食欲不振、悪心、浮腫、体重減少

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■葉酸を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方葉酸は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼葉酸の有効成分
葉酸
▼代表薬の添加物
乳糖水和物、トウモロコシデンプン、アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム

上記にあてはまる方は、葉酸を使用する事が出来ない可能性があります。
葉酸を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
葉酸はなぜ妊婦さんや妊活中の方に必要なんですか?

妊娠初期は、神経・脳・心臓など、赤ちゃんの体の重要な部分が形成されます。このとき、特に葉酸の摂取が重要だといわれております。葉酸は新しい赤血球作り、妊娠初期の活発な細胞増殖に必要なDNAの合成を助けるなど、胎児の発育にとって欠かせない栄養素です。

葉酸を多く含む食べ物はなんですか?

葉酸を多く含む食べ物は、えだまめ、鶏レバー、焼きのりなどがあります。他にも豆類や果物などがあります。

葉酸の一日摂取目安量はどのくらいですか?

2000年12月、厚生労働省は、これまでの研究結果を踏まえて妊娠を計画している女性や妊娠の可能性がある女性に対し、神経管閉鎖障害の発症リスクを抑えるための通達を出しました。通達では、食品やサプリメントなどから400μg/日の葉酸を摂取することが望ましい、と伝えています。

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医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。