成分名 |
L-アルギニン塩酸塩 |
適応症状 |
[アルギニン点滴静注30g「AY」]
下垂体機能検査
[アルギU点滴静注20g]
下記疾患における高アンモニア血症の急性増悪において経口製剤により調節不能な場合の緊急的血中アンモニア濃度の低下:
先天性尿素サイクル異常症[カルバミルリン酸合成酵素欠損症、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、アルギニノコハク酸合成酵素欠損症(シトルリン血症)、アルギニノコハク酸分解酵素欠損症(アルギニノコハク酸尿症)]又はリジン尿性蛋白不耐症 |
簡易説明 |
L-アルギニン塩酸塩はタンパク質を構成するアミノ酸の一つで、疲労回復作用のほか、血管を拡張させ、体や脳の血流を改善する作用や、カフェインの覚醒作用を増強させる作用があります。また、 疲労回復や、集中力の維持・改善を目的としたドリンク剤などに配合されています。
医薬品としては尿素サイクル異常症薬や下垂体機能検査薬などで用いられます。 |
処方可能な診療科目 |
代謝科/小児科など |
健康保険の適応 |
尿素サイクル異常症は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。性症は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:
アルギU点滴静注20g 2460円/袋
アルギニン点滴静注30g「AY」1980円/袋
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:2000年11月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません |
関連製品(先発薬) |
アルギU点滴静注20g(L-アルギニン塩酸塩注射液)【製薬メーカー:エイワイファーマ】
アルギニン点滴静注30g「AY」(L-アルギニン塩酸塩注射液)【製薬メーカー:エイワイファーマ】
アルギU配合顆粒(L-アルギニン・L-アルギニン塩酸塩顆粒)【製薬メーカー:エイワイファーマ】
ライザケア輸液(L-リシン塩酸塩・L-アルギニン塩酸塩注射液)【製薬メーカー:ノバルティスファーマ】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません |
効果・作用 |
L-アルギニン塩酸塩は体内でも合成されるので必須アミノ酸ではありませんが、発育期、成長期には欠かせないアミノ酸の1つです。体内で作り出せる量は少なく、不足した分を食事で補う必要があるため、準必須アミノ酸と呼ばれることもあります。
アルギニンには成長ホルモンの合成を促進する作用のほか、免疫細胞の活性化を助けて免疫力を高める作用、血管を拡張させて血流を改善する作用、血中アンモニア濃度を下げて疲労回復を助ける作用などがあり、男性の精液をつくるためにも欠かせません。
医薬品としては、単独または他のアミノ酸などと配合して疲労回復薬、先天性疾患の尿素サイクル異常症(高アンモニア血症)、肝機能改善薬、総合アミノ酸製剤などに利用され、食品分野では栄養ドリンクやサプリメント、精力剤などに多く用いられています。
■作用機序
尿素サイクルでは、4種類のアミノ酸(オルニチン、シトルリン、アルギニノコハク酸、アルギニン)が酵素を利用しサイクルを形成しています。アルギナーゼ欠損症を除く尿素サイクル異常症については、基質であるアルギニンを外部から補充することにより、残存酵素が活性化され、部分的に欠損している尿素サイクルが円滑に回転して、尿中排泄性の高い尿素、シトルリン、アルギニノコハク酸による窒素排泄が促進され、血中アンモニアが減少します。
■アルギニンとL-アルギニンの違いとは
アルギニンはタンパク質を構成するアミノ酸の一種で、L-アルギニン塩酸塩は水に溶けやすく加工されたものです。
■尿素サイクル異常症とは
尿素サイクルは主に肝臓において、生体内で発生する有毒なアンモニア(NH3)を無毒な尿素に変えていく経路です。尿素サイクル異常症は尿素合成経路の代謝系に先天的な異常があり、高アンモニア血症の症状などで発症する一群の疾患です。嘔吐、哺乳力低下、多呼吸、痙攣、意識障害、行動異常、発達障害などがみられ、時には命にかかわるような 重篤な状態になることもあります。Nアセチルグルタミン酸合成 酵素(NAGS)欠損症、カルバミルリン酸合成酵素(CPS1)欠損症、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症、古典型シトルリン血症、アルギニノコハク酸尿症、アルギニン血症があり、その他に高オルニチン高アンモニア血症ホモシトルリン尿症症候群(HHH症候群)が含まれます。HHH症候群は、現時点では、指定難病になっていません。 |
使用方法 |
[アルギニン点滴静注30g「AY」]
被検者を、12時間~14時間空腹にし、30分間安静にさせた後に、本品を体重1kg当り、5mL(L-アルギニン塩酸塩0.5g相当量)の割合の量〔例えば、体重50kgの人は250mL(L-アルギニン塩酸塩25g相当量)、60kgの人は300mL(L-アルギニン塩酸塩30g相当量)を使用する〕を、静脈内に、約30分間にて、持続点滴する。
血漿成長ホルモン測定用の採血は、点滴開始前、開始後30分、60分、90分、120分、150分にわたり分離し、その血漿中の成長ホルモンの測定を行う。
[アルギU点滴静注20g]
通常、1日量として、体重1kg当たり2~10mLを1時間以上かけて点滴静注する。 |
副作用 |
主な副作用
過敏症/発疹/蕁麻疹/一過性嘔気
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・妊婦・産婦
・授乳婦
[アルギU点滴静注20g]
・ルギナーゼ欠損症
■L-アルギニン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方L-アルギニン塩酸塩(アルギニン点滴静注30g「AY」の場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼アルギニン点滴静注30g「AY」の有効成分
本剤は1袋(300mL)中にL-アルギニン塩酸塩30.0gを含有する。
使用に注意が必要な方 【慎重投与】
・気管支喘息
・腎障害
・高クロル性アシドーシス
上記にあてはまる方は、L-アルギニン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 L-アルギニン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
L-アルギニン塩酸塩に関する よくある質問 |
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