パチシランナトリウム

成分名

パチシランナトリウム

適応症状

トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー

簡易説明

パチシランナトリウムは、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの治療に用いられる成分です。合成二本鎖オリゴヌクレオチドであり、TTR mRNAのエクソン4と呼ばれる部位に結合することで肝臓の変異型および野生型TTR mRNAを分解させ、血液中のTTRタンパク質を減少させ、結果的に組織へのアミロイド沈着を抑制し効果を発揮します。

処方可能な診療科目

神経内科/循環器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約4,000円~5,000円
薬代1瓶あたりの目安:約1,004,358円
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2019年9月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

オンパットロ点滴静注2mg/mL(Alnylam Japan)

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

パチシランナトリウムはトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの治療に用いられる成分です。
トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの初期症状は、その人によって様々です。たとえば、心臓に蓄積したアミロイドが心筋を圧迫し、心不全を引き起こすことがありますし、腎臓に蓄積したアミロイドが腎臓機能を低下させ、腎不全を引き起こすことがあります。また、神経系に蓄積したアミロイドが神経障害を引き起こすことがあります。初期症状としては脱力、足先のしびれ感、男性ではインポテンツ、原因不明の緑内障や目のかすみなどの眼症状などが多く知られています。心臓の症状からトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーだと鑑別されるケースもあります。原因としてはアミロイドと呼ばれる異常なタンパク質が組織中に蓄積することにより、多くの器官に損傷を与えるとされています。
パチシランナトリウムパチシランナトリウムは「合成二本鎖オリゴヌクレオチド」であり、TTR mRNAのエクソン4と呼ばれる部位に結合することで肝臓の変異型および野生型TTR mRNAを分解させ、血液中のTTRタンパク質を減少させ、結果的に組織へのアミロイド沈着を抑制し効果を発揮します。

使用方法

・成人(15歳以上の場合):3週に1回、パチシランとして0.3ミリグラム/体重kgを点滴静注します。体重が104kg以上の患者には3週に1回パチシランとして31.2ミリグラムを点滴静注します。
※上記どちらの場合にも70分間以上かけて静注してください(投与開始後15分間は約1ミリリットル/分、その後は約3ミリリットル/分)。
※パチシランナトリウムの適用については、医師が最新のガイドラインを参照しトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーと確定診断した場合に限って使用可能となります。
※肝移植後の患者さんにおける有効性および安全性は確立していないので、医師の判断の元、使用の要否を決定します。

副作用

重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。服用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には服用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・Infusion reaction
※皮膚熱感・顔面紅斑などの潮紅、腹痛、心拍数の増加または動悸、悪心、呼吸困難または激しい咳、失神を含む低血圧、胸部の異常感または胸の痛み、湿疹、頭の痛み、かゆみ、寒気、浮動性のめまい、高血圧、倦怠感、顔面浮腫、背部痛・頚部痛・筋骨格痛などの関節痛または疼痛などが引き起こされる可能性があります。
・房室ブロック
※パチシランナトリウムを使用中に、完全房室ブロック等を含む房室ブロックが引き起こされる可能性があります。

その他の副作用
・先天性、家族性および遺伝性障害:肥大型心筋症
・皮膚および皮下組織障害:湿疹、斑状皮疹、紅斑、皮膚潰瘍、皮膚萎縮、寝汗、剥脱性発疹、脱毛症、水疱、皮膚病変、毛髪成長異常、多汗症、紫斑、全身性のかゆみ、皮膚変色、皮膚脆弱性、皮膚炎、かゆみ、発疹
・心臓障害:徐脈、うっ血性心不全、心房細動、動悸、心房粗動、左脚ブロック、頻脈
・生殖系および乳房障害:精巣障害、不規則月経、良性前立腺肥大症
・血液、リンパ系障害:大球性の貧血、白血球減少症、血小板減少症、貧血
・内分泌障害:甲状腺機能の低下による諸症状
・胃腸障害:便秘、下痢、はきけ、消化不良、口腔内潰瘍形成、歯茎のハレ、腹部の不快感、悪心、お腹のハリ、飲み込めない、お腹の痛み、逆流性食道炎等、口腔内の乾燥、腹部の硬直、レッチング、上腹部痛
・一般、全身障害および投与部位の状態:注入部位血管外漏出、注入部位のハレ、胸のつかえ、顔面の痛み、無力症、末梢性の浮腫、口の渇き、全身性炎症反応症候群、倦怠感、熱感、メトホルミンの副作用、胸の痛み、高熱、全身性浮腫、倦怠感、末梢腫脹
・呼吸器、胸郭および縦隔障害:せき、発声障害、慢性閉塞性肺疾患、睡眠時無呼吸症候群、胸水、しゃっくり
・筋骨格系および結合組織障害:あごの痛み、関節痛、筋けいれん、背部痛、関節硬直、筋肉痛、関節不安定、四肢の痛み、筋肉疲労、筋骨格硬直、筋骨格痛、神経障害性関節症、筋力の著しい低下
・眼障害:視力の低下、視神経乳頭陥凹、嚢下白内障、緑内障、眼内血腫、眼の乾燥感、黄斑症、白内障、複視、硝子体浮遊物
・感染症および寄生虫症:歯肉炎、上気道感染、気管支炎、肺炎、尿路感染症、足部白癬、鼻咽頭炎、細気管支炎、細菌感染、丹毒、口腔ヘルペス、毛包炎、ヘリコバクター性胃炎、鼓膜炎、肺感染、処置後蜂巣炎、鼻炎、皮膚における各種感染、ブドウ球菌皮膚感染、帯状疱疹、結膜炎、インフルエンザ、気道感染
・耳、迷路障害:聴力の低下、片耳における難聴、突発性の難聴、回転性のめまい、耳鳴り
・肝胆道系障害:肝嚢胞
・腎および尿路障害:血尿、急性腎障害、尿がでない、尿失禁、腎機能障害、糖尿
・血管障害:静脈炎、深部静脈血栓症、低血圧、潮紅、高血圧、表在性血栓性静脈炎、ほてり、起立性低血圧、ショック症状
・良性、悪性および詳細不明の新生物:真珠腫、膀胱がん
・代謝および栄養障害:低血糖症、高カリウム血症、悪液質、高トリグリセリド血症、乳酸アシドーシス、ビタミンD欠乏、食欲がでない
・臨床検査:体重の著しい増加、腎クレアチニンクリアランス減少、体重の著しい減少、血中乳酸脱水素酵素増加、血中アルカリホスファターゼ増加、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、トランスアミナーゼ上昇、血中クレアチニン増加、血液中のカリウム増加、血中尿素増加、網膜図異常、薬物濃度増加、視野検査異常、肝酵素上昇、尿中ブドウ糖陽性
・神経系障害:浮動性めまい、味覚異常、注意力散漫、知覚過敏、平衡障害、神経根障害、急に来る眠気、頭の痛み、神経根痛、物忘れ、錯感覚、脳梗塞、感覚マヒ、神経痛、緊張性頭痛、感覚障害、声帯マヒ、運動失調、末梢性ニューロパチー
・傷害、中毒および処置合併症:皮膚の創傷、骨格損傷、転倒
・精神障害:刺激を感じやすくなる、不眠症、落ち着きのなさ

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■パチシランナトリウムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、オンパットロ点滴静注はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼オンパットロ点滴静注の有効成分
パチシランナトリウム
▼代表薬の添加物
DLin-MC3-DMA((6Z,9Z,28Z,31Z)-heptatriaconta-6,9,28,31-tetraen-19-yl-4-(dimethylamino)butanoate)、PEG2000-C-DMG((R)-α-(3'-{[1,2-di(myristyloxy)propanoxy]carbonylamino}propyl)-ω-methoxy,polyoxyethylene) 、DSPC(1,2-distearoyl-sn-glycero-3-phosphocholine)、コレステロール、リン酸水素二ナトリウム七水和物、リン酸二水素カリウム、塩化ナトリウム

・パチシランナトリウムに過敏症をおこした経験のある方

使用に注意が必要な方
・生殖能を有している方
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
・妊娠している方
※妊娠している方また妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましいとされています。
※動物実験(ウサギ):パチシランナトリウムによる母体毒性によって胚・胎児の生存率の低下、自然流産、胎児の体重の減少が引き起こされた可能性があるというデータがあります。
・小児
・高齢者

上記にあてはまる方は、パチシランナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
パチシランナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

パチシランナトリウムに関する
よくある質問
オンパットロ点滴静注の保管方法を教えてください。

凍結を避けつつ、2~8 ℃で保管するよう添付文書で取り決めされています。オンパットロ 【オンパットロ 添付文書】

パチシランナトリウム使用にあたっては避妊が必要とのことですが使用後どのくらいの期間避妊が必要でしょうか。

パチシランナトリウム使用中、および使用中止後12週間は適切な避妊方法を行う必要があります。オンパットロ 【オンパットロ 添付文書】

参考元一覧

オンパットロ 【オンパットロ 添付文書】

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