塩酸レボブピバカイン

成分名

塩酸レボブピバカイン

適応症状

術後鎮痛、伝達麻酔

簡易説明

塩酸レボブピバカインは、術後鎮痛、伝達麻酔を目的に使用するアミド型の局所麻酔薬です。局所麻酔効果は神経の電気信号をブロックすることによって得られます。具体的には、神経繊維に存在しているナトリウムチャネルと呼ばれる作用点をブロックすることによって神経の興奮をブロックし、各種神経伝達物質の放出を抑制することができます。これによって、局所的な鎮痛や麻酔効果をもたらします。

処方可能な診療科目

麻酔科/外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~2,000円
薬代1管あたりの目安:25mg約307円/50mg約459円/75mg約538円/150mg約961円(注)
薬代1筒あたりの目安:25mg約354円/50mg約532円/75mg約660円/150mg約961円(注シリンジ)
薬代1袋あたりの目安:250mg約1322円(注バッグ)
薬代後発薬1管の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2008/08/01

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ポプスカイン0.5%注50mg/10mL【製薬メーカー:丸石製薬】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

塩酸レボブピバカインは術後鎮痛、伝達麻酔に使用する局所麻酔薬です。
塩酸レボブピバカインはラセミ体であるブピバカインのエナンチオマー(光学異性体)であり、R体のみからなることが特徴的です。これによって塩酸レボブピバカインは、ラセミ体のブピバカインに比べて神経毒性が低く、局所麻酔作用と副作用のバランスがよいとされています。
塩酸レボブピバカインは、局所麻酔薬の中でもアミド型のものであり、局所麻酔効果は神経の電気信号をブロックすることによって得られます。具体的には、神経繊維に存在しているナトリウムチャネルと呼ばれる作用点をブロックすることによって神経の興奮をブロックし、各種神経伝達物質の放出を抑制することができます。これによって、局所的な鎮痛や麻酔効果をもたらします。
また、塩酸レボブピバカインは、筋肉の収縮を抑制する効果もあります。これは、筋肉内のカルシウムイオンの流入を抑制することによって得られます。筋肉の収縮を抑制することで、手術中に筋肉を制御することが容易になり、手術の安全性や正確性が向上することが期待されます。
過剰な投与や誤った投与方法によって、神経毒性や心臓毒性を引き起こすことがあるため、正しい使用法を守ることが重要です。

使用方法

■術後鎮痛のケース(15歳以上の成人):手術終了時に6mL/時(レボブピバカインとして15ミリグラム/時)を硬膜外腔に持続投与します。なお、塩酸レボブピバカインに期待する痛覚遮断域、全身状態、年齢、手術部位、身長、体重などにより4〜8mL/時の範囲で医師の判断のもと適宜増量、減量できます。
■伝達麻酔のケース(15歳以上の成人):1回40mL(レボブピバカインとして100ミリグラム)までを目標としている神経、または神経叢近傍に投与します。また、複数の神経ブロックを必要とするケースでも、トータル総量として60mL(レボブピバカインとして150ミリグラム)を超えることはできません。
なお、塩酸レボブピバカインに期待する痛覚遮断域、全身状態、年齢、手術部位、身長、体重などにより医師の判断のもと適宜増量、減量できます。

※塩酸レボブピバカインアドレナリンなどの血管収縮剤を添加したとしても、効果が持続する作用時間の延長は認められませんでした。
※運動機能障害、血圧の低下などの副作用が引き起こされる可能性があるので、6mL/時を超える投与速度によって硬膜外に使用するケースでは、投与する方の全身状態を十分に考慮しながら慎重に判断し、注意深く観察を行いながら使用にあたってください。
※持続投与を始める際に手術する部位(手術操作部位および手術創傷部位)に痛覚遮断域が十分に到達していないケースでは、ポプスカイン等の局所麻酔剤を硬膜外腔に単回投与し、適切な痛覚遮断域を確保すること。
※あらかじめ痛覚遮断域を確保することを目的に、手術の前または手術の途中からポプスカインなどの局所麻酔剤を投与することが望ましいとされています。
※手術後に局所麻酔剤を単回で使用するケースでは、血圧の低下に十分注意しながら使用してください。

副作用

重大な副作用
・ショック
※呼吸の抑制、不整脈、チアノーゼ、徐脈、血圧の低下、意識障害などを引き起こし、まれに心停止が引き起こされる可能性があります。また、まれにアナフィラキシーショックが引き起こされる可能性があるので、全身状態の観察を十分に行って、上記の症状があらわれたケースでは、適切な処置を行ってください。
・けいれん、ふるえ、意識障害
※けいれん、ふるえ、意識障害などの中毒症状が引き起こされる可能性があるので、全身状態の観察を十分に行って、上記の症状が引き起こされたケースでは、すぐに使用を中止して適切な処置を行ってください。
・知覚、運動機能の障害、異常感覚
※注射針またはカテーテルを留置した際に、神経幹や神経根などの神経に触れてしまい一過性の異常感覚が引き起こされる可能性があります。また、神経が薬剤や注射針、あるいは虚血によって機能障害を受けてしまうとまれに、疼痛、異常感覚、知覚機能の障害、運動機能の障害が持続する可能性があります。

その他の副作用
・筋骨格筋系:背部痛、筋力の低下、筋けいれん、四肢痛
・血管系:総タンパク減少、出血、静脈における炎症、末梢性虚血、潮紅
・呼吸器系:鼻づまり、呼吸抑制、ぜんそく、酸素飽和度の低下、呼吸困難、低換気、低酸素症状、呼吸障害、肺出血状態
・循環器系:頻脈、徐脈、血圧の低下、狭心症の発症、洞性徐脈、心室性期外収縮、上室性頻脈、ST低下、期外収縮、高血圧、固有心室調律
・中枢、末梢系:感覚障害、マヒ、感覚マヒ、昏睡、失神、頭痛、頭部不快感、運動機能の障害、運動機能の障害、耳鳴り、浮動性めまい、錯感覚、眠気、脳浮腫、ふるえ、脳症
・消化器系:嘔吐、悪心、腹痛、下痢、便秘、便失禁、吐血
・泌尿器系:排尿トラブル、乏尿、膀胱のハリ、尿漏れ、尿流量減少、尿が出にくくなる、アルブミン尿、血尿、ビリルビン尿、無尿
・精神神経系:寒気、不安、発熱、無感情、熱感、錯乱状態、幻覚
・血液、リンパ系:低カリウム血症、白血球数の減少、好塩基球数の増加、血液量の減少
・肝臓系:ALT(GPT)の増加、AST(GOT)の増加、γ-GTP/ALPの増加、高ビリルビン血症
・腎臓系:尿検査異常
・皮膚系:多汗症、かゆみ、発疹、水疱性皮膚炎、紅斑性皮疹
・その他:痛み、胸の痛み、処置後の疼痛、注射部位の疼痛、創部分泌、偶発的針穿刺

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■塩酸レボブピバカインの配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ポプスカインはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ポプスカインの有効成分
塩酸レボブピバカイン
▼代表薬の添加物
塩化ナトリウム、pH調整剤

・塩酸レボブピバカインに対し過敏症の経験のある方
・注射する部位またはその周辺に炎症が起きている方
・敗血症を患っている方

使用に注意が必要な方
・全身状態が不良な方
・腹部腫瘤を治療中の方
・心弁膜症、重篤な高血圧症など、心血管系に著しい機能障害をお持ちの方
・心刺激伝導障害を治療中の方
・髄膜炎、脊髄ろう、灰白脊髄炎などを患っている方
・重篤な肝機能障害または腎機能障害をお持ちの方
・脊髄や脊椎に腫瘍または結核などをお持ちの方
・抗凝血剤を使用中の方
・血液凝固障害をお持ちの方
・脊柱に著しい変形をお持ちの方
・妊娠している方
・高齢者

上記にあてはまる方は、塩酸レボブピバカインを使用する事が出来ない可能性があります。
塩酸レボブピバカインを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・アミド型局所麻酔剤
・ジゴキシン
・アミオダロンなどのクラスIII抗不整脈剤
・エリスロマイシン、ケトコナゾール、サキナビル、リトナビル、ベラパミル塩酸塩などのCYP3A4ブロッカー、およびシメチジン、キノロン系抗菌剤、フルボキサミンなどのCYP1A2ブロッカー
・デクスメデトミジン塩酸塩などの催眠鎮静剤

上記を使用している方は、塩酸レボブピバカインを使用する事が出来ない可能性があります。
塩酸レボブピバカインを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

塩酸レボブピバカインに関する
よくある質問
塩酸レボブピバカインの過量投与による中枢神経系の特徴的な中毒症状を教えてください。

初期症状としては眼、耳、口の異常や知覚マヒ、めまいやふらつき、不安感、感覚異常があげられます。まれにけいれんなども引き起こされますので初期症状で察知することが重要です。ポプスカイン 【ポプスカイン 添付文書】

塩酸レボブピバカインの過量投与による心血管系の特徴的な中毒症状を教えてください。

初期症状としては血圧の低下、心筋収縮力の低下、徐脈、心拍出量の低下、不整脈があげられます。まれに心停止なども引き起こされますので初期症状で察知することが重要です。ポプスカイン 【ポプスカイン 添付文書】

参考元一覧

ポプスカイン 【ポプスカイン 添付文書】

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