バトロキソビン

成分名

バトロキソビン

適応症状

振動病の末梢循環障害の改善/バージャー病の虚血性諸症状の改善/閉塞性動脈硬化症の虚血性諸症状の改善/慢性動脈閉塞症の虚血性諸症状の改善/突発性難聴の自覚症状の改善/突発性難聴の聴力の回復など

簡易説明

バトロキソビンは、血液中のフィブリノゲンを低下させるはたらきがあります。
血液の流れをよくすることにより手足の潰瘍や、痛みを改善することから、一般にバージャー病や閉塞性動脈硬化症などの慢性動脈閉塞症に伴う虚血性諸症状の改善、振動病における末梢循環障害の改善、突発性難聴における聴力の回復並びに自覚症状の改善に用いられます。

処方可能な診療科目

内科/循環器科/神経内科/耳鼻咽喉科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約1000円~5000円程度
薬代1管あたりの目安:10単位約7402円
※病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要です。

厚生労働省による認可、または発売年月日

【デフィブラーゼ点滴静注液10単位】
薬価基準収載年月 : 2007年12月
販売開始年月 : 1993年4月
再審査結果公表年月 : 2001年12月

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

デフィブラーゼ点滴静注液10単位【製薬メーカー:東菱薬品工業】

関連製品(ジェネリック)

なし

海外での使用実績

日本での突発性難聴の治療はステロイド剤が中心で治療が行われますが、海外では実はステロイド剤が他の薬剤に比して優れているという証拠がないことが最近の論文で発表されています。(アメリカの雑誌の論文:Conlinら, Arch Otolaryngol Head Neck Surg. 2007;133:573-581.)
ステロイド剤は様々な疾患に有効な薬ですが、有害な副作用が多いことから、突発性難聴では抗血栓剤であるバトロキソビン投与が有益な薬となっています。

効果・作用

血液の流れをよくするバトロキソビンは手足の潰瘍や、痛みを改善し、バージャー病や閉塞性動脈硬化症などの慢性動脈閉塞症に伴う虚血性諸症状の改善などに用いられます。
本剤は血漿フィブリノゲン濃度を低下させることから、出血傾向や止血遅延が起こる可能性があり、事前に出血の有無を十分確認して血漿フィブリノゲンの濃度や血小板を含む凝血学的検査等を行った上で、慎重に投与する必要があります。
また、週1回は血漿フィブリノゲン濃度や血小板を含む凝血学的検査等を行ってください。また、臨床症状の観察も適宜行ってください。
治療中に深部静脈や動脈が傷ついた場合は、重篤な血腫を形成することがあることから、星状神経節ブロック等の動脈や深部静脈を傷つける可能性のある治療や検査は行わないでください。
その他、表在静脈穿刺部位での止血遅延が起こることがあるので、十分に圧迫止血してください。
本薬は生物由来製品に指定されており、ウイルスに対する安全性を確保する観点から、原薬の製造方法を変更するなど製造方法の改変が行われています。
突発性難聴の治療にも用いられ、ステロイド剤を使った治療とは異なり、リンパ球の働きを抑えて感染症への抵抗力を弱めたり、消化管の潰瘍を誘発したり、高血糖をきたして糖尿病を悪化させたり、うつ状態を誘発するといったリスクが少ない特徴があります。

使用方法

▼用法用量
・成人1日1回バトロキソビンとして10バトロキソビン単位(BU)を輸液で用時希釈して、隔日に1時間以上かけて点滴静注します。ただし、治療前の血中フィブリノゲン濃度が400mg/dL以上の場合、突発性難聴において急性効果を期待する場合は、初回量を20BUとして投与期間は6週間以内とします。

副作用

重大な副作用
▼出血傾向(0.1%~5%未満)
出血傾向があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止して、輸血等適切な処置を行ってください。

▼ショック(0.1%未満)
ショックを起こすことがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

その他の副作用
蛋白尿/悪心/嘔吐/不快感/眩暈/頭痛/頭重/代謝異常/総コレステロール上昇/中性脂肪上昇/耳鳴/過敏症/蕁麻疹/皮下出血/止血遅延/胸痛/発熱/白血球減少/血小板減少/胃痛/食欲不振/胃部不快感/ふらつき/しびれ感/目のかすみ/眼振/発疹/血管痛/冷感/脱力感/心外膜炎/鼻づまりなど

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■バトロキソビンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方は、デフィブラーゼにアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼デフィブラーゼの有効成分
バトロキソビン
▼代表薬の添加物
クロロブタノール、ゼラチン加水分解物、塩化ナトリウム、pH調整剤

■出血している患者
出血している患者(血小板減少性紫斑病/血管障害による出血傾向/血友病その他の凝固障害/月経期間中/手術時/消化管潰瘍/尿路出血/喀血/流早産・分娩直後等性器出血を伴う妊婦・産褥婦/頭蓋内出血の疑いのある患者等)は、止血が困難になるおそれがあることから使用できません。投与しないでください。

■手術直後の患者
手術直後の患者は、止血が困難になるおそれがあることから使用できません。投与しないでください。

■出血する可能性のある患者
出血する可能性のある患者(内臓腫瘍/消化管の憩室炎/大腸炎/亜急性細菌性心内膜炎/重症高血圧症/重症糖尿病の患者等)は出血するおそれがあることから使用できません。投与しないでください。

■重篤な肝障害・腎障害のある患者
重篤な肝障害・腎障害のある患者は、本剤の代謝等に影響を与えるおそれがあることから使用できません。投与しないでください。

使用に注意が必要な方
■抗凝固剤あるいは血小板機能を抑制するアスピリン等を投与中の患者
抗凝固剤あるいは血小板機能を抑制するアスピリン等を投与中の患者は、本剤の抗血栓作用が類似の作用をもつ薬剤を併用することにより増強するおそれがあります。十分に観察をしてから投与を慎重に行ってください。異常が確認された場合は、直ちに薬の使用を止めるなどの適切な処理を行ってください。

■抗線溶剤を投与中の患者
抗線溶剤を投与中は、抗血栓作用が類似の作用をもたらすことから併用することで増強するおそれがあります。十分に観察をしてから投与を慎重に行ってください。異常が確認された場合は、直ちに薬の使用を止めるなどの適切な処理を行ってください。

■薬剤過敏症又はその既往歴のある患者
薬剤過敏症又はその既往歴のある患者アレルギー反応を起こすおそれがあります。十分に観察をしてから投与を慎重に行ってください。異常が確認された場合は、直ちに薬の使用を止めるなどの適切な処理を行ってください。

■消化管潰瘍の既往歴のある患者
消化管潰瘍の既往歴のある患者は、出血した場合には止血が困難になるおそれがあります。十分に観察をしてから投与を慎重に行ってください。異常が確認された場合は、直ちに薬の使用を止めるなどの適切な処理を行ってください。

■脳血管障害後遺症の患者
脳血管障害後遺症の患者は、出血した場合には止血が困難になるおそれがあります。十分に観察をしてから投与を慎重に行ってください。異常が確認された場合は、直ちに薬の使用を止めるなどの適切な処理を行ってください。

■高齢者
一般に高齢者では生理機能が低下しています。十分に観察をして投与間隔に留意するなど慎重に行ってください。

■妊婦、産婦、授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性がある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。

■小児等
小児等に対しては、使用経験がないことから安全性は確立していません。

上記にあてはまる方は、バトロキソビンを使用する事が出来ない可能性があります。
バトロキソビンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・抗凝固剤
 へパリン、ワルファリン、アルガトロバン等
・抗血小板剤
 アスピリン、チクロピジン、シロスタゾール等
・抗線溶剤
 トラネキサム酸、ε-アミノカプロン酸等

上記を使用している方は、バトロキソビンを使用する事が出来ない可能性があります。
バトロキソビンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
突発性難聴の治療にステロイド剤を使いたくないのですが、バトロキソビンは有効ですか?

バトロキソビンは突発性難聴の治療に用いられますが、利点や欠点があり、適応も異なることから、医師と相談の上で治療方法を決めてください。

仕事の関係でケガや傷を負いやすいのですが、バトロキソビンを使えますか?

バトロキソビンを使用する場合は創傷を受けやすい仕事に従事しないでください。

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