ピリドキサールリン酸エステル水和物

成分名

ピリドキサールリン酸エステル水和物

適応症状

授乳婦のビタミンB6の補給
消耗性疾患のビタミンB6の補給
妊産婦のビタミンB6の補給
ビタミンB6依存症
ビタミンB6欠乏症の予防
ビタミンB6欠乏の急性湿疹
ビタミンB6欠乏の口角炎
ビタミンB6欠乏の慢性湿疹
ビタミンB6欠乏の尋常性ざ瘡
ビタミンB6欠乏の末梢神経炎
ビタミンB6欠乏の口唇炎
ビタミンB6欠乏の脂漏性湿疹
ビタミンB6欠乏の接触皮膚炎
ビタミンB6欠乏の口内炎
ビタミンB6欠乏症の治療
ビタミンB6欠乏の放射線宿酔
ビタミンB6欠乏の放射線障害
ビタミンB6欠乏のアトピー皮膚炎
ビタミンB6欠乏の舌炎
ビタミンB6反応性貧血
ビタミンB6代謝障害の舌炎
ビタミンB6代謝障害の放射線宿酔
ビタミンB6代謝障害の口唇炎
ビタミンB6代謝障害の放射線障害
ビタミンB6代謝障害の接触皮膚炎
ビタミンB6代謝障害の尋常性ざ瘡
ビタミンB6代謝障害の末梢神経炎
ビタミンB6代謝障害の急性湿疹
ビタミンB6代謝障害の脂漏性湿疹
ビタミンB6代謝障害の口内炎
ビタミンB6代謝障害のアトピー皮膚炎
ビタミンB6代謝障害の慢性湿疹
ビタミンB6代謝障害の口角炎
食事からの摂取が不十分のビタミンB6の補給

簡易説明

この薬は成分名:ピリドキサールリン酸エステル水和物と呼ばれます。先発品の名前がピドキサール、後発品(ジェネリック)の名前がピリドキサールです。この記事では、統一してピドキサールと記載します。また、ピドキサールには注射用薬も存在しますが、個人での使用機会は無いに等しいと考えられますので、使用方法等の項目に関しては記載しません。もし、注射用のピドキサールに関してのご不明な点があれば、処方された医療機関へご相談ください。

補酵素として生体内の種々の代謝に関与する活性型ビタミンB6製剤です。
通常、ビタミンB6の不足によって起こる皮膚、粘膜、神経の炎症や貧血の治療や、食事などから十分なビタミンB6がとれないときの補給に用いられます。

処方可能な診療科目

内科・皮膚科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~2,000円
薬代1錠あたりの目安:10mg約5.70円/20mg約5.90円/30mg約7.10円
薬代後発薬1錠の目安:20mg約5.70円/30mg約5.70円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる場合があります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

太陽ファルマ株式会社
ピドキサール錠10mg
製造販売承認年月日(販売名変更による):2002年1月28日
薬価基準収載年月日(販売名変更による):2002年7月5日
発売年月日:1963年11月15日

ピドキサール錠20mg
製造販売承認年月日(販売名変更による):2002年1月28日
薬価基準収載年月日(販売名変更による):2002年7月5日
発売年月日:1968年7月1日

ピドキサール錠30mg
製造販売承認年月日(販売名変更による):2002年1月28日
薬価基準収載年月日(販売名変更による):2002年7月5日
発売年月日:1965年3月18日

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

太陽ファルマ
ピドキサール錠10mg
ピドキサール錠20mg
ピドキサール錠30mg
ピドキサール注10mg
ピドキサール注30mg

コーアイセイ
ピリドキサール注10mg「イセイ」

関連製品(ジェネリック)

ピリドキサール錠10mg「イセイ」(コーアイセイ)
ピリドキサール錠10mg「ツルハラ」(鶴原製薬)
ピリドキサール錠20mg「ツルハラ」(鶴原製薬)
ピリドキサール錠30mg「イセイ」(コーアイセイ)
ピリドキサール錠30mg「ツルハラ」(鶴原製薬)
ピリドキサール注30mg「トーワ」(東和薬品)
ピリドキサール注30mg「杏林」(キョーリンメディオ)

効果・作用

●ビタミンB6製剤について
ピドキサールはビタミンB6製剤に分類されます。ビタミンB6製剤は、ビタミンB6を補い、口内炎や湿疹、貧血、手足のしびれなどを改善します。

●ビタミンB6について
ビタミンB群にはビタミンB1、B2、B6、B12、ビオチン、パントテン酸ナイアシン、葉酸の8種類があります。その中のビタミンB6はたんぱく質や脂質、炭水化物といった栄養素の代謝に大きく関わっているビタミンです。

ビタミンB6は複数の化合物の総称で、それらの化合物にはピリドキサール、ピリドキシン、ピリドキサリンがあります。ビタミンB6は水溶性ビタミンのため、体内で血液に溶け込み、余分なものは尿として排出されます。

ビタミンB6の主な働きは次の通りです。
・たんぱく質、脂質、炭水化物の代謝の補酵素
・生理活性アミンと呼ばれる神経伝達物質の代謝の補酵素
・皮膚の抵抗力の増進
・免疫機能の働きを正常に保つ
・赤血球に含まれるヘモグロビンの形成

厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020 年版)によると、成人の一日当たりのビタミンB6の摂取量の目安は男性が1.4mg、女性が1.1mgとなっています。

ビタミンB6が多く含まれる食べ物の例として、ビーフジャーキー、豚ヒレ、鶏むね、生のびんちょうまぐろ、生のかつお、フライドポテト、さつまいも、ブロッコリー、かぶ、バナナなどがあります。

●ピドキサールの特徴について
ピドキサールは食品や通常のビタミンB6のサプリメントとは違い、生体内で作用するピリドキサールリン酸エステルという形のため、すぐに作用する特徴があります。ピドキサールには、錠剤のほかに注射薬も存在します。

●ピドキサールの作用機序について
・栄養素(特にたんぱく質)の代謝
ビタミンB6には炭水化物、脂質、たんぱく質の代謝を促す役割があります。ピドキサールは主にたんぱく質を分解してエネルギーを取り出しやすくする働きと、摂取したたんぱく質をもとに新たな物質を合成する働きもあります。

・皮膚・粘膜の形成促進・炎症抑制
ビタミンB6には皮膚や粘膜細胞の再生を促す働きや、炎症を抑える働きがあります。そのためビタミンB6が足らなくなると、皮膚炎や口内炎などの症状が出やすくなります。

・神経への作用
ビタミンB6は神経伝達物質の合成にもかかわっています。この物質はアミノ酸(たんぱく質が合成して生成される高分子化合物)から合成され、神経細胞から神経細胞へと情報を伝達する働きがあります。これが少なくなるとけいれん発作が起こりやすくなったり、うつ病などの精神疾患を発症しやすくなったりします。

使用方法

《注意》服用量が症状や年齢によって異なります。必ず薬局や医師から指示された服用量を確認して服用してください。

成人の方は1日10~60mgを1~3回に分けて服用してください。医師・薬剤師の指示のもと年齢や症状によって適宜増減します。ごく稀ですが、依存症の場合は大量に使用する必要があることもあります。

副作用

主な副作用
発疹 、 過敏症状 、 悪心 、 食欲不振 、 腹部膨満感 、 下痢 、 嘔吐 、 肝機能異常

重大な副作用
横紋筋融解症 、 CK上昇 、 CPK上昇 、 血中ミオグロビン上昇 、 尿中ミオグロビン上昇 、 急性腎不全 、 重篤な腎障害

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
なし

使用に注意が必要な方
いずれも副作用のリスクが高くなるため慎重に投与する必要があります。
・慎重投与
新生児(低出生体重児を含む)
乳児
幼児・小児

・注意
新生児(低出生体重児を含む)
乳児
幼児・小児

上記にあてはまる方は、ピリドキサールリン酸エステル水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
ピリドキサールリン酸エステル水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
●レボドパ
・代表薬名:ドパストン、ドパコール、カルコーバなど
パーキンソン病の薬です。これらの薬の作用をピドキサールが弱める可能性があります。

上記を使用している方は、ピリドキサールリン酸エステル水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
ピリドキサールリン酸エステル水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ピリドキサールリン酸エステル水和物に関する
よくある質問
服用するときの注意点はありますか?

この薬は腸の中で溶けるように設計されています。そのため、噛んだり、砕いたり、割ったりして服用してはいけません。

副作用の横紋筋融解症とはどんな症状が出ますか?

筋肉が痛む、手足のしびれ、脱力感、こわばる、赤褐色の尿になるなどの症状がでます。

保管に関する注意点はありますか?

直射日光と湿気を避けて室温で保存してください。また、薬が余った時は保管せずに廃棄してください。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。