細胞外液補充液リンゲル液

成分名

細胞外液補充液リンゲル液

適応症状

循環血液量および組織間液が減少しているケースにおける細胞外液の補給、補正

簡易説明

リンゲル液「フソー」はナトリウムイオン、クロライドイオンの他にカリウムイオン、カルシウムイオンを含んだ等張性の電解質液であり、生理食塩液に比べて細胞外液に近くい組成となっており、循環血液量および組織間液が減少しているケースにおける細胞外液の補給、補正に使用されます。輸液療法では、細胞外液量を確保することが非常に重要であり、まず始めに細胞外液量の是正を考慮する必要があります(各組織における代謝の維持または生体機能のホメオスタシス維持のためには、機能的細胞外液量を適切に確保しておく必要があります)。

処方可能な診療科目

内科/外科/麻酔科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約800円~1,000円
薬代1管あたりの目安:500ml約219円
薬代後発薬1管の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:1943年6月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

リンゲル液「フソー」(扶桑薬品)

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

リンゲル液「フソー」は循環血液量および組織間液が減少しているケースにおける細胞外液の補給、補正に使用されます。輸液療法では、細胞外液量を確保することが非常に重要であり、まず始めに細胞外液量の是正を考慮する必要があります。(各組織における代謝の維持または生体機能のホメオスタシス維持のためには、機能的細胞外液量を適切に確保しておく必要があります)。例として、出血性ショック、外科的な侵襲のあったケースでは循環血液量だけではなく、減少している各組織間液の回復も同時に考慮し対処する必要があります。
リンゲル液「フソー」はナトリウムイオン、クロライドイオンの他にカリウムイオン、カルシウムイオンを含んだ等張性の電解質液であり、生理食塩液に比べて細胞外液に近くい組成となっています。陰イオンとしてはクロライドイオンのみの構成であり、大量に投与するケースでは重炭酸イオン希釈による代謝性アシドーシスが引き起こされる可能性がありますが、逆にクロライドイオン欠乏を伴うことが多い代謝性アルカローシスに対してはより有用であると考えられています。

リンゲル液「フソー」は大きい分類として「細胞外液補充液」に該当します。細胞外液補充液は、各種電解質の浸透圧が人間の体液とほぼ同じの構成になっているので、投与した輸液が細胞内へは移行せず、細胞外にそのまま分布していき細胞外液量を補充することができます。等張電解質輸液とも呼ばれていて、血管の内部や組織と組織の間に水分や電解質を補給する目的で使用される輸液です。代表的な分類としては、生理食塩液、リンゲル液、乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液、重炭酸リンゲル液などがあり以下のような特徴があります。

・生理食塩液:塩化ナトリウムと水で構成される等張性の輸液です。主に、体液量の補充や電解質バランスの維持などに使用されます。
・リンゲル液:生理食塩液に各種電解質を加えた輸液で、生理食塩液よりも体内での水分吸収効率が高いとされています。
・乳酸リンゲル:リンゲル液に乳酸を加えた輸液です。乳酸リンゲル液が体内に入った際に、乳酸が代謝されpH値を調整する効果があります。
・酢酸リンゲル液:リンゲル液に酢酸を加えた輸液です。酢酸リンゲル液が体内に入った際に、酢酸が代謝されpH値を調整する効果があります。
・重炭酸リンゲル液:リンゲル液に重炭酸塩を加えた輸液です。重炭酸リンゲル液が体内に入った際に、重炭酸が代謝されpH値を調整する効果があります。

※以下、代表的なリンゲル液(細胞外液補充液)であるリンゲル液「フソー」に関する記載となります。

■リンゲル液「フソー」の組成
500mL中に以下の成分、分量を含む無色澄明の水性注射液
・塩化ナトリウム:4.3g
・塩化カリウム:0.15g
・塩化カルシウム水和物:0.165g
・pH:5.0〜7.5
・浸透圧比:0.9~1.1

■リンゲル液「フソー」の電解質濃度
・ナトリウムイオン:147.2 mEq/L
・カリウムイオン:4.0 mEq/L
・カルシウムイオン:4.5 mEq/L
・クロライドイオン:155.7 mEq/L

使用方法

成人(15歳以上)のケース:1回500〜1,000mLを点滴静注します。
※投与速度は、15歳以上の成人の場合1時間あたり300〜500mLとします。
※なお、使用する方の体重、年齢、症状などに応じて、医師の判断のもと適宜増量、減量することができます。

副作用

主な副作用
リンゲル液「フソー」は使用成績調査などの副作用発現頻度を明確とする調査、試験が実施されていません。大量の投与、急速な投与をすると、血液中の電解質異常、うっ血性心不全症状、むくみ、アシドーシスなどが引き起こされる可能性があります。万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置が必要です。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム水和物を配合した医薬品に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分にアレルギーをお持ちの方、リンゲル液「フソー」はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼リンゲル液「フソー」の有効成分
塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム

使用に注意が必要な方
・高張性脱水症状態の方
※高張性脱水症状態では水分補給が必要な状態です。電解質を含んでいるリンゲル液「フソー」の使用によって高張性脱水症が悪化する可能性があります。
・閉塞性尿路疾患を患い、尿量が減少している方
※水分や電解質の過剰投与となり、閉塞性尿路疾患の病態が悪化する可能性があります。
・腎臓に機能障害のある方
※水分、電解質の過剰投与が引き起こされる可能性があります。結果的に腎臓の障害が悪化する可能性があります。
・心臓の機能障害、循環器系の機能障害のある方
※リンゲル液「フソー」の使用によって、身体の循環血液量が増します。その結果として心臓に負担をかける可能性があり、心臓の機能障害、循環器系の機能障害が悪化する可能性があります。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量、投与速度を遅くするなど注意をしながら使用してください。

上記にあてはまる方は、細胞外液補充液リンゲル液を使用する事が出来ない可能性があります。
細胞外液補充液リンゲル液を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

細胞外液補充液リンゲル液に関する
よくある質問
リンゲル液「フソー」の調製時に注意する点はありますか?

調整時にリン酸イオンおよび炭酸イオンと沈殿を生じます。リン酸塩または炭酸塩を含む製剤とは配合しないようにしてください。また、リンゲル液「フソー」はカルシウム塩を含んでいるので、クエン酸加血液と混合した際には凝血を引き起こされる可能性があります。リンゲル液「フソー」 【リンゲル液「フソー」 添付文書】

リンゲル液「フソー」の投与前に注意する点はありますか?

投与する際には患者さんの皮膚や器具消毒など、感染に対する配慮が必要です。また体温程度に温めて使用するとともに、残った液は破棄してください(使いまわせません)。リンゲル液「フソー」 【リンゲル液「フソー」 添付文書】

投与速度で注意する点はありますか?

添付文書では「ゆっくり静脈内に投与すること。」と記載されていますが具体的な速度に関しては医師の指示に従ってください。リンゲル液「フソー」 【リンゲル液「フソー」 添付文書】

通気針は必要ですか?

不要とされていますが、混注量などによって通気針が必要なケース場合もあります。リンゲル液「フソー」 【リンゲル液「フソー」 添付文書】

連結管による連続投与は行えますか?

行わないでください。連続投与を行うケースでは、Y型タイプのセットを使用してください。リンゲル液「フソー」 【リンゲル液「フソー」 添付文書】

ゴム栓への針刺で注意する点はありますか?

ゴム栓面に対して垂直にゆっくりと行うことが重要です。斜めに刺してしまうとコア(ゴム片)が薬液中に混入してしまったり、ポート部を傷つけてしまって液漏れが引き起こされる可能性があります。リンゲル液「フソー」 【リンゲル液「フソー」 添付文書】

参考元一覧

リンゲル液「フソー」 【リンゲル液「フソー」 添付文書】

組成表検索 【輸液製剤協議会】

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