ベンフォチアミン

成分名

ベンフォチアミン

適応症状

ベンフォチアミンの代表医薬品であるベンフォチアミン錠25mg「トーワ」は次の5つの適応症を持ちます。
1)ビタミンB1欠乏症の予防及び治療
2)消耗性疾患や甲状腺機能亢進症、妊産婦や授乳婦、また激しい肉体労働時等におけるビタミンB1の需要が増大し、食事からビタミンB1の摂取が不十分な際の補給
3)ウェルニッケ脳症
4)脚気衝心
5)①神経痛、②筋肉痛・関節痛、③末梢神経炎、末梢神経麻痺、④心筋代謝障害、⑤便秘などの胃腸運動機能障害の疾患のうち、ビタミンB1の欠乏又は代謝障害が関与すると考えられる場合
但し、5)の適応に対しては、効果がないのに月余に渡って漫然と使用すべきではない。

簡易説明

ベンフォチアミンはビタミンB1誘導体です。代表医薬品であるベンフォチアミン錠25mg「トーワ」を紹介しておりますが、ベンフォチアミンを配合している医薬品には他に東和薬品が製造販売しているシグマビタン配合カプセルB25、日医工が製造販売しているダイメジンスリービー配合カプセル25、第一三共が製造販売しているビオタミン散10%、アルフレッサファーマが製造販売しているビタメジン配合カプセルB25/B50/ビタメジン配合散があります。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/皮膚科/耳鼻咽喉科/脳神経外科内科/泌尿器科/消化器内科外科/精神科/麻酔科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~5,000円
薬代後発薬1錠の目安:25mg6円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

ベンフォチアミン錠25mg「トーワ」はビオトーワ錠として1980年5月2日に製造販売が承認され、1981年9月1日に薬価基準へ収載、そして1981年9月1日に販売開始しました。その後ビオトーワ錠25mgと販売名を変更、更にベンフォチアミン錠25mg「トーワ」に販売売名の変更を行いました。その為、2008年10月16日及び2013年7月16日に製造販売を承認、2008年12月19日及び2013年12月13日に薬価基準収載となりました。

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

先発医薬品の販売はありません。

関連製品(ジェネリック)

ベンフォチアミン錠25mg「トーワ」【製薬メーカー:東和薬品株式会社】

効果・作用

ベンフォチアミンは1)ビタミンB1欠乏症の予防及び治療2)消耗性疾患や甲状腺機能亢進症、妊産婦や授乳婦、また激しい肉体労働時等におけるビタミンB1の需要が増大し、食事からビタミンB1の摂取が不十分な際の補給3)ウェルニッケ脳症4)脚気衝心5)①神経痛、②筋肉痛・関節痛、③末梢神経炎、末梢神経麻痺、④心筋代謝障害、⑤便秘などの胃腸運動機能障害の疾患のうち、ビタミンB1の欠乏又は代謝障害が関与すると考えられる場合にたいして効果のある医薬品になります。

その作用機序は、ベンフォチアミン錠25mg「トーワ」はビタミンB1の誘導体で、天然のビタミンB1より体内で利用されやすいようにした医薬品になります。神経機能や心筋代謝の障害を改善する作用であったり、腸の蠕動運動を亢進する作用などがあります。
ビタミンB1欠乏時には、神経組織の変化として、ノイロン末梢部神経線維の変化(髄鞘の変性)が起こることが知られています。

国内臨床試験においてベンフォチアミンはチアミン塩化物塩酸塩に比べて高い血中総B1及び補酵素型B1濃度を持続し、ビタミンB1欠乏症状に対し有効であることが認められております。そのビタミンとしての特異的な作用だけではなく、生理的必要量以上の投与による非特異的作用が認められており、神経痛、筋肉痛等神経疾患への有効性が確認されました。

ウェルニッケ脳症とは
ビタミンB1の不足により、脳幹部に微小な出血が起こり、眼球運動障害(眼球が細かく揺れたり(眼振)、眼球の動きが制限されたりします。特に眼振が多いとされています)、意識障害(重度の場合には昏睡に陥ります。しかし軽度の場合では意識はあるが、無関心や無気力の状態がみられます)等の精神状態の変化、小脳性運動失調(小脳の機能障害のために身体の正確な動きができなくなる状態で、軽度の場合は歩行時にふらつきがみられる程度ですが、重度になると歩行できなくなります)と言った様々な症状が急激に出現する脳の病気です。原因としてはアルコール依存症が半分を占めます。アルコール依存症の人は、食べ物を取らない傾向にあるうえ、アルコールによって消化管からのビタミンB1吸収機能が低下しています。更にアルコールを分解するためにビタミンB1の必要量が増加する事でビタミンB1欠乏を助長してしまいます。発症直後にチアミンを大量に点滴すれば回復する事ができます。
しかし適切な治療を行わなければ、脳症から回復したとしても、記憶障害等の後遺症が残ります。この状態を「コルサコフ症候群」と呼び、この症状は回復不能です。

脚気衝心とは
脚気とはビタミンB1欠乏症の一つであり、脚気衝心とは脚気に伴う特有な症状で心不全と末梢神経障害を来す疾患です。主に急激な心機能不全、呼吸困難、胸苦しさ、嘔吐などをおこし、1日~3日で死亡する事が多い疾患です。

使用方法

通常成人に使用する場合には、チアミン塩化物塩酸塩として、1日5~100mgを内服します。
なお、患者の年齢及び症状によっては適宜増減する事が認められております。

副作用

その他の副作用
消化器症状の副作用が報告されております。
発生頻度は以下の通りです。
1)消化器
胃部不快感、食欲不振、悪心、下痢(頻度不明)

頻度不明ではありますが服用により副作用と思われるような異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■ベンフォチアミンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ベンフォチアミン錠25mg「トーワ」はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ベンフォチアミン錠25mg「トーワ」の有効成分
ベンフォチアミン
▼代表薬の添加物
・乳糖水和物、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸Mg、白糖、タルク、アラビアゴム末、酸化チタン、ヒプロメロース、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール

使用に注意が必要な方
使用上注意が必要な、例えば特定の背景を有する患者に関する注意事項に該当する方はおりません。

上記にあてはまる方は、ベンフォチアミンを使用する事が出来ない可能性があります。
ベンフォチアミンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ベンフォチアミンに関する
よくある質問
錠剤が飲めない方に投与する場合粉砕しても良いですか?

粉砕する場合は吸湿・遮光に気をつけて保管する必要があります。しかし粉砕した粉は苦味が酷い為逆に服用が困難になる可能性もあります。同じベンフォチアミンを使用しているビオタミン散10%に変更してもらうと良いでしょう。
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】

薬を飲み始めてどのぐらいで効果が現れますか?

服用後の最高血中濃度は2時間位と報告されております。
インタビューホーム 【東和薬品株式会社】

ベンフォチアミンを摂取しすぎるとどうなりますか?

ビタミンB1は水溶性ビタミンに該当します。沢山摂りすぎたとしても体に貯蔵する事が出来ず排泄されやすい為、通常の食事摂取であれば過剰症の心配はありません。
インタビューホーム 【東和薬品株式会社】

参考元一覧

インタビューホーム 【東和薬品株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】
くすりのしおり 【くすりの適正使用協議会】

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。