成分名 |
乳酸ナトリウム |
適応症状 |
・電解質補液の電解質補正
・代謝性アシドーシス |
簡易説明 |
乳酸ナトリウムを含むお薬で、ミネラルバランスを整え、血液が酸性に傾いた状態を改善します。
代謝性アシドーシス(体液中に過剰な酸が存在する状態)によって、呼吸が速くなったり、混乱、疲労感、頭痛、黄疸、心拍数などの症状を改善いたします。
安定、等張化、安定化、緩衝、pH調整目的の医薬品添加剤として静脈内注射、外用剤に用いられることもあります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/消化器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~
薬代1錠あたりの目安:1モル20mL1管/58円/管
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
販売開始年月 : 2000年11月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
乳酸Na補正液1mEq/mL【製薬メーカー:大塚製薬工場】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
・広い抗菌作用と保湿効果があります。医薬品としては、腹膜透析液として使われたり、代謝性アシドーシスの治療、電解質補正に処方されております。
▼代謝性アシドーシスとは
呼吸以外の原因によって体内のバランスが酸性になったことです。体のpHが低いと「酸性に傾いている」、「アシドーシス」ともいいます。反対にpHが高いと「アルカリ性に傾いている」、「アルカローシス」といいます。また、呼吸性アシドーシスは、呼吸が原因で体のバランスが酸性に傾いた状態のことです。
▼電解質輸液製剤とは
・以下の5つに分けられます
①「電解質輸液」
種類:生理食塩液、リンゲル液(ラクテック、ソルラクトなど)、1号~4号液(ソリタ、ソルデムなど)など
目的:水、電解質の投与
詳細:5%生理食塩水は、電解質はナトリウムとクロールしか入っていません。シンプルな組成であるために、薬の希釈や溶解などに使われます。等張性輸液であるため、細胞に刺激を与えにくいため、手術の洗浄などにも使われます。その他嘔吐における塩素イオンの補給などにも使われます。リンゲル液は、ナトリウムとクロールに加えて、カリウムやカルシウムが入っています。代謝性アシドーシスの治療のために、リンゲル液に乳酸を加えた輸液が、乳酸リンゲル液で、血漿の電解質組成に近く、幅広い場面で使用されており。乳酸のほかにも酢酸や重炭酸を加えた輸液もあります。1号~4号液で、1号液は5%生理食塩水と5%ブドウ糖液を混ぜたものです。特徴としては、カリウムが入っていないので、腎機能障害がありカリウムを投与したくない時に使用されることが多いです。2号液はナトリウムが1号液よりも少なくなり、カリウムが入っているのが大きな違いです。3号液はナトリウムが2号液よりも少なくなり、カリウムが入っています。2000ml前後投与することで、生命維持に必要な水分、ナトリウム、カリウムが投与できます。4号液はナトリウムが3号液よりも少なくなり、カリウムは入っていません。4号液も腎機能障害があると使われる可能性があります。
②「5%ブドウ糖液」
種類:5%ブドウ糖液
目的:水分の投与
詳細:5%ブドウ糖液を投与することは水分を投与することを意味します。
③「高カロリー輸液」
種類:10%以上のブドウ糖液、高カロリー輸液(フルカリック、ハイカリック、エルネオパなど)、脂肪製剤(イントラリポス、イントラリピッドなど)など
目的:カロリーの投与
詳細:栄養不良の患者が多い方に、アミノ酸製剤、ビタミン、微量元素などを加えて投与します。
④「電解質補正液」
種類:塩化ナトリウム注、KCL、カルチコールなど
目的:電解質の補正
詳細:必要な電解質が補充できない場合や、もっと補正をしたいときに使われます。
⑤「血漿増量剤」
種類:デキストラン製剤(デキストランL)、ヒドロキシエチルデンプン(ボルベン、サリンヘスなど)など
目的:循環血漿量の増加
詳細:血管内に留まらせたいときに使われ、手術やショックの時などに使われることが多いです。
▼電解質とは
・電解質とは、水に溶けると〔陽イオン〕と〔陰イオン〕に分かれ、電気を流す物質のことです。人間の体は、この電解質の陽イオンと陰イオンのバランスによって血管、細胞、神経、筋肉などの動きを調整しています。
▼電解質の役割とは
①ナトリウム(Na)の働き
・ナトリウムは、約55%が細胞外液中に存在しており、体液浸透圧の調節および細胞外液量の維持に重要な働きをしている電解質です。血漿浸透圧の約90%はナトリウムの影響を受けており、濃度に応じて細胞外液量を変化させるので、水とナトリウムを切り離して考えることはできません。ナトリウムが失われると水も一緒に失われます。
②カリウム(K)とその働き
カリウムは、細胞内の主要電解質で、神経や筋肉の興奮・伝達・収縮などに重要な作用があります。カリウムは、約90%が細胞内液に存在しており、細胞外液中には約2%しか存在してないため、血清カリウム値だけから体内のカリウム値を推測することはできません。 |
使用方法 |
1.電解質補液の電解質補正:電解質補液に適宜必要量を添加して点滴静注する
2.代謝性アシドーシス:1日80~300mLを少なくとも等量以上に希釈して点滴静注する
希釈後の投与速度は希釈濃度に応じて1分間30~60滴とし、1時間に100mEqを超えない量とする
※なお、年齢、症状により適宜増減する
【重要な基本的注意】
・電解質平衡及び酸・塩基平衡の是正は徐々に行うこと。
・過量投与にならないよう血漿重炭酸濃度、血液pHを測定するなど管理を十分に行いつつ投与すること。
・過量投与によりカリウム不足をきたさないように注意すること。
・浸透圧が高いため、そのまま注射しないこと。
・必ず希釈して使用すること。 |
副作用 |
脳浮腫、肺水腫、末梢浮腫、アルカローシス、テタニー様症状、悪心、嘔吐、下痢
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■乳酸ナトリウムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方乳酸Naは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼乳酸Naの有効成分
乳酸ナトリウム
▼代表薬の添加物
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■他に使用できない方
・高乳酸血症
使用に注意が必要な方 ・高齢者
・妊婦/授乳者
・幼児/小児
・肝障害
・重症高血圧症
・ショック時
・腎障害
・低カリウム血症
・晩期妊娠中毒症
・うっ血性心不全
上記にあてはまる方は、乳酸ナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。 乳酸ナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 アセタゾラミド/スピロノラクトン/利尿剤/チアジド系薬剤/エタクリン酸/フロセミド/バルビツール酸誘導体/ピラゾロン系化合物/サリチル酸製剤/サルファ剤
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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