成分名 |
細胞外液補充液酢酸リンゲル液 |
適応症状 |
・エネルギーの補給
・循環血液量および各組織間液が減少した際における細胞外液の補正、補給
・代謝性アシドーシス状態の補正 |
簡易説明 |
ヴィーンD輸液は電解質、水分およびエネルギーの補正、補給効果をもっています。有効成分である酢酸ナトリウムはアルカリ化剤として速やかに利用される塩基源であるとともに、極めて速やかに代謝されて酢酸イオンとなることによって代謝性アシドーシスの治療に効果を発揮します。ヴィーンD輸液の使用によって肝臓機能、腎臓機能、血行動態などの状態は良好に保たれ、副作用の報告もなく安全性が確認されています。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/麻酔科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約800円~1,000円
薬代1袋あたりの目安:200ml約190円/500ml約217円
薬代後発薬1袋の目安:ヴィーンD輸液に対する後発品はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:2017年8月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ソリューゲンF注【製薬メーカー:ネオクリティケア製薬】
ソリューゲンG注【製薬メーカー:ネオクリティケア製薬】
リナセートD輸液【製薬メーカー:エイワイファーマ】
リナセートF輸液【製薬メーカー:エイワイファーマ】
フィジオ140輸液【製薬メーカー:大塚製薬】
ヴィーンF輸液【製薬メーカー:扶桑薬品】
ヴィーンD輸液【製薬メーカー:扶桑薬品】
ソルアセトD輸液【製薬メーカー:テルモ】
ソルアセトF輸液【製薬メーカー:テルモ】
アクメインD輸液【製薬メーカー:光製薬】
ペロール注【製薬メーカー:マイランEPD】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
ヴィーンD輸液は電解質、水分およびエネルギーの補正、補給効果をもっています。有効成分である酢酸ナトリウムはアルカリ化剤として速やかに利用される塩基源であるとともに、極めて速やかに代謝されて酢酸イオンとなることによって代謝性アシドーシスの治療にも効果を発揮します。
代謝性アシドーシスは、血液のpHが正常値よりも低下し酸性に傾く状態を指し、この状態は過剰な代謝産物や、代謝障害による酸性物質の蓄積などによって引き起こされると言われています。例えば、糖尿病患者さんにおいては、過剰なケトン体の生成により代謝性アシドーシスが発生することがあります。また、腎臓の機能低下によって過剰な酸性物質が体内に蓄積して代謝性アシドーシスが発生することもあります。代謝性アシドーシスは、悪化すると多臓器不全や呼吸不全を引き起こす可能性があるので治療が必須であり、ヴィーンD輸液などの酢酸リンゲル液が用いられるケースがあります。
ヴィーンD輸液は大きい分類として「細胞外液補充液」に該当します。細胞外液補充液は、各種電解質の浸透圧が人間の体液とほぼ同じの構成になっているので、投与した輸液が細胞内へは移行せず、細胞外にそのまま分布していき細胞外液量を補充することができます。等張電解質輸液とも呼ばれていて、血管の内部や組織と組織の間に水分や電解質を補給する目的で使用される輸液です。代表的な分類としては、生理食塩液、リンゲル液、乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液、重炭酸リンゲル液などがあり以下のような特徴があります。
・生理食塩液:塩化ナトリウムと水で構成される等張性の輸液です。主に、体液量の補充や電解質バランスの維持などに使用されます。
・リンゲル液:生理食塩液に各種電解質を加えた輸液で、生理食塩液よりも体内での水分吸収効率が高いとされています。
・乳酸リンゲル:リンゲル液に乳酸を加えた輸液です。乳酸リンゲル液が体内に入った際に、乳酸が代謝されpH値を調整する効果があります。
・酢酸リンゲル液:リンゲル液に酢酸を加えた輸液です。酢酸リンゲル液が体内に入った際に、酢酸が代謝されpH値を調整する効果があります。
・重炭酸リンゲル液:リンゲル液に重炭酸塩を加えた輸液です。重炭酸リンゲル液が体内に入った際に、重炭酸が代謝されpH値を調整する効果があります。
※以下、代表的な酢酸リンゲル液(細胞外液補充液)であるヴィーンD輸液に関する記載となります。
■ヴィーンD輸液の組成
1袋(200mL)中に下記成分を含んでいます。
・ブドウ糖:10.0g
・日局 塩化ナトリウム:1.2g
・日局 塩化カリウム:0.06g
・日局 塩化カルシウム水和物:0.04g
・日局 酢酸ナトリウム水和物:0.76g
・pH:4.0〜6.5
・浸透圧比(生理食塩液に対する比):1.8〜2.1
■ヴィーンD輸液の電解質濃度
・ナトリウムイオン:130 mEq/L
・カリウムイオン:4.0 mEq/L
・カルシウムイオン:3.0 mEq/L
・クロライドイオン:109.0 mEq/L
・酢酸イオン:28 mEq/L
・熱量:40kcal/200mL |
使用方法 |
成人(15歳以上)のケース:1回500mL〜1,000mLを点滴静注します。
※投与する速度は、ブドウ糖として1時間あたり0.5g/体重kg以下としてください。
※なお、年齢や症状に応じて、医師の判断のもと適宜増量、減量することができます。 |
副作用 |
主な副作用
次に挙げるような副作用が引き起こされる可能性があります。使用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止するなど適切な処置を行ってください。
・代謝異常:高血糖状態、尿に糖が混じる
・大量投与、急速投与:脳浮腫、肺水腫、末梢のむくみ
・肝臓系:肝臓の機能障害
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・ブドウ糖、日局 塩化ナトリウム、日局 塩化カリウム、日局 塩化カルシウム水和物、日局 酢酸ナトリウム水和物を配合した医薬品の成分や添加物にアレルギーをお持ちの方
下記、成分や添加物にアレルギーをお持ちの方、ヴィーンD輸液はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ヴィーンD輸液の有効成分
ブドウ糖、日局 塩化ナトリウム、日局 塩化カリウム、日局 塩化カルシウム水和物、日局 酢酸ナトリウム水和物
▼代表薬の添加物
pH調節剤
使用に注意が必要な方 ・糖尿病を患っている方
※血糖値の過度な上昇によって、糖尿病の各種症状の悪化が引き起こされる可能性があります。
・心不全を患っている方
※体内を循環している血液量が増加することで、心不全の各種症状の悪化が引き起こされる可能性があります。
・高張性の脱水症状を引き起こしている方
※上記の症状では水分補給が必須であるため、電解質を含むヴィーンD輸液の投与によって高張性の脱水症状が悪化する可能性があります。
・閉塞性尿路疾患を患い、尿量が減少している方
※水分や電解質の過剰投与となり、閉塞性尿路疾患の病態が悪化する可能性があります。
・腎臓に機能障害のある方
※水分、電解質の過剰投与が引き起こされる可能性があります。結果的に腎臓の障害が悪化する可能性があります。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
・小児など
※新生児、低出生体重児、乳児を対象としている安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、投与速度を遅くしたり、減量したりするなど注意をしながら使用してください。
上記にあてはまる方は、細胞外液補充液酢酸リンゲル液を使用する事が出来ない可能性があります。 細胞外液補充液酢酸リンゲル液を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
細胞外液補充液酢酸リンゲル液に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
ヴィーンD輸液 【ヴィーンD輸液 添付文書】
組成表検索 【輸液製剤協議会】 |
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