成分名 |
ビルトラルセン |
適応症状 |
エクソン53スキッピングにより治療可能なジストロフィン遺伝子の欠失が確認されているデュシェンヌ型筋ジストロフィー
※遺伝子検査によって、エクソン53スキッピングにより治療可能なジストロフィン遺伝子の欠失(エクソン50-52、45-52、48-52、47-52、49-52、52、43-52欠失など)が確認されたケースの患者さんのみ使用可能です(臨床試験に組み入れられている患者のジストロフィン遺伝子の変異型についてビルトラルセンの安全性、有効性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うことと医療従事者にも注意喚起されています)。
※正常なX染色体を有する女性ジストロフィン異常症を治療中の方にビルトラルセンを投与したケースでは、正常であるジストロフィン発現を低下させてしまう可能性があるので、このようなケースでは使用しないことが望ましいとされています。
※永久的な人工呼吸を導入している方、および歩行不能状態後期の方に対するビルトラルセンの有効性および安全性は確立されていません。これらの状態の方々に使用するケースでは、現状残されている運動機能などを考慮して、投与の必要性を十分考慮する必要があります。仮に使用したケースでは患者さんの経過を注意深く観察し、定期的に薬剤の有効性をモニターし、使用継続の可否を常時判断することが重要です。もちろん効果が認められないケースでは使用を中止してください。
※女性を対象としている臨床試験が実施されていないため、使用にあたっては医師の判断を仰ぐことになります。 |
簡易説明 |
ビルトラルセンは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬の一種です。ジストロフィンmRNA前駆体であるエクソン53に結合し、エクソン53をスキッピングすることでアミノ酸読み取り枠を回復させ、機能的かつ正常なジストロフィンタンパク質の発現量を増加させることによって、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する作用を示すと考えられています。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器内科/循環器外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約3,000円~4,000円
薬代1瓶あたりの目安:250mg約91,130円
薬代後発薬1瓶の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:2020年5月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ビルテプソ点滴静注250mg(日本新薬) |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは遺伝子の異常によって筋肉に存在する特定のタンパク質であるジストロフィンの欠乏によって引き起こされる筋肉の進行性の病気です。ジストロフィンは、筋肉細胞を強化し、収縮中に筋肉を保護する役割を果たします。デュシェンヌ型筋ジストロフィーの患者さんは、ジストロフィンが欠乏しているため、筋肉の損傷や崩壊、繊維化などの病理学的変化が生じます。これにより、筋肉の弱さや萎縮、運動機能の喪失、呼吸不全などの症状が現れます。
ビルトラルセンは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬の一種であり、デュシェンヌ型筋ジストロフィーを引き起こしている原因遺伝子であるジストロフィンのエクソン53をターゲットとするアンチセンス核酸であり、ジストロフィンmRNA前駆体であるエクソン53に結合し、エクソン53をスキッピングすることでアミノ酸読み取り枠を回復させ、機能的かつ正常なジストロフィンタンパク質の発現量を増加させることによって、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する作用を示すと考えられています。エキソンスキッピングにより、つくられるタンパク質は正常タンパク質と比較して短くなってしまいますが、一定の機能はキープしているため、治療効果を得ることができます。 |
使用方法 |
ビルトラルセンとして80ミリグラム/体重kgを週に1回、1時間かけて静脈内に投与します。
※ビルトラルセンの使用は、ビルトラルセンに関する十分なナレッジ、およびデュシェンヌ型筋ジストロフィーの診断および治療に十分なナレッジ、知見を持っている医師のもとで行わなければなりません。また在宅での使用を行うケースでは、これらの医師との密な連携が必要となります。
※rasH2マウスにおいて、尿管における移行上皮がんが報告されています。ビルトラルセン使用中は定期的に尿沈渣、腎尿路系の超音波検査、尿細胞診を実施して、臨床的に問題となる異常が認められるケースでは、使用を中止してください。また、疼痛や尿の出に悪影響が出るなど、尿路系に何か自覚的な異常症状が確認されたケースでは、すぐに医師の診察を受ける必要があります。またこれらの症状が確認されたケースでは、かかりつけ医に追加して泌尿器科専門医とも連携して適切な対応を行ってください。
※ビルトラルセンの使用によりNAG増加およびβ2ミクログロブリン増加が認められ、非臨床試験においても腎臓に影響することが確認されているため、ビルトラルセン使用中は定期的に腎機能の検査を行ってください。 |
副作用 |
主な副作用
次に挙げるような副作用が引き起こされる可能性があります。服用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行う必要があります。
・腎臓系:β2ミクログロブリンの増加、NAGの増加
・消化器系:下痢症状、腹の痛み
・循環器系:BNPの増加、駆出率の減少
・皮膚系:じんましん、発疹、湿疹、毛髪変色
・その他:発熱、注射部位における赤み、インターロイキン濃度の増加、注射部位漏出
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・ビルトラルセンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
※下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ビルテプソ点滴静注250mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ビルテプソ点滴静注250mgの有効成分
ビルトラルセン
▼代表薬の添加物
塩化ナトリウム、pH調整剤(塩酸、水酸化ナトリウム)
・ビルトラルセンに対し過敏症の経験のある方
使用に注意が必要な方 ・腎機能に障害をお持ちの方
※ビルトラルセンの排泄が遅れて副作用が引き起こされる可能性があります。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※胚、胎児発生に関する試験が実施されていません。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用してください。
※動物において乳汁移行試験が実施されていません。
・小児
※新生児、低出生体重児、乳児または4歳未満の幼児を対象としている臨床試験が実施されていません。
上記にあてはまる方は、ビルトラルセンを使用する事が出来ない可能性があります。 ビルトラルセンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ビルトラルセンに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
ビルテプソ 【ビルテプソ 添付文書】 |
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