成分名 |
TPN(高カロリー輸液)糖・電解質液 |
適応症状 |
消化管栄養が不能または不十分な場合、あるいは休止するケースにおける経中心静脈輸液療法による栄養補給 |
簡易説明 |
ハイカリック液-1号はTPN(糖・電解質液)に分類され、消化管栄養が不能または不十分な場合、あるいは休止するケースにおける経中心静脈輸液療法による栄養補給に用いられます。糖や電解質で構成されており、エネルギーとしては、1袋(700ml)中に480kcal含まれています。エネルギー量としては多くないのでTPNの開始液として使用し、必要に応じてハイカリック液-2号、ハイカリック液-3号に切り替えます。 |
処方可能な診療科目 |
外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~2,000円
薬代1袋あたりの目安:1号約456円/2号約475円/3号約543円
薬代後発薬1袋の目安:ハイカリック液-1号に対する後発品はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:1980年4月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
リハビックス-K1号輸液(エイワイファーマ)、リハビックス-K2号輸液(エイワイファーマ)、ハイカリック液‐1号(テルモ)、ハイカリック液‐2号(テルモ)、ハイカリック液‐3号(テルモ)、ハイカリックRF輸液(テルモ) |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
※本ページは、代表的なTPN(糖・電解質液)に分類されているハイカリック液-1号に関する記載となります。
※この分類は「輸液製剤協議会」の分類方法を参照しております。
■ハイカリック液-1号の組成
700mL中に下記成分を含んでいます。
<有効成分>
・ブドウ糖:120g
・グルコン酸カルシウム水和物:1.91g
・酢酸カリウム:2.47g
・硫酸マグネシウム水和物:1.24g
・硫酸亜鉛水和物:3.0mg
・リン酸二水素カリウム:0.66g
<電解質量>
・K+:30mEq
・Ca2+:8.5mEq
・Acetate−:25mEq
・SO42−:10mEq
・Mg2+:10mEq
・Gluconate−:8.5mEq
・Zn:10μmol
・P:150mg
<添加物>
乳酸(安定剤):1.96g
<熱量>
熱量:480kcal
<性状>
・pH:3.5〜4.5
・浸透圧比(生理食塩液に対する比):約4
<効果・作用>
ハイカリック液-1号はTPN(糖・電解質液)に分類され、消化管栄養が不能または不十分な場合、あるいは休止するケースにおける経中心静脈輸液療法による栄養補給に用いられます。組成としては糖、電解質で構成されています。エネルギーとしては、1袋(700ml)中に480kcal含まれています。
ハイカリック液-1号はエネルギーを多く含んではいないのでTPNの開始液として使用し、通常の必要エネルギー量の状態ではハイカリック液-2号を維持液として使用します。さらにエネルギーを必要としている方にはハイカリック液-3号を用います。
ハイカリック液-1号が含まれる広義のTPN(中心静脈栄養)は、高カロリー輸液とも呼ばれ、高濃度の栄養輸液を中心静脈から投与します。エネルギーはもちろんのこと、身体に必須なアミノ酸、脂質、電解質、微量元素、ビタミンなどの栄養素を摂取することが可能となっています。通常はそれらの糖質、アミノ酸、脂質、電解質(ナトリウム、カリウム、クロール、マグネシウム、カルシウム、リン)、微量元素、ビタミンの1日必要量を中心静脈から1日かけて投与します。
静脈栄養には、TPN(中心静脈栄養)とは別にPPN(末梢静脈栄養)があります。心臓近くの太い血管である中心静脈から輸液を投与するTPNに対し、PPNでは腕などの末梢静脈から投与します。食事ができない期間によってこれらを使い分けますが、通常1週間~10日までの投与のケースではPPNが行われ、それ以上の期間にわたって長く投与するケースではTPNが推奨されています。
TPN(中心静脈栄養)は、「輸液製剤協議会」の分類方法によると以下の通り5種類に分類されます。
・TPN(高カロリー輸液) 糖・電解質液
・TPN(高カロリー輸液) 糖・電解質・アミノ酸液
・TPN(高カロリー輸液) 糖・電解質・アミノ酸・総合ビタミン液
・TPN(高カロリー輸液) 糖・電解質・アミノ酸・総合ビタミン・微量元素液
・TPN(高カロリー輸液) 糖・電解質・アミノ酸・脂肪乳剤 |
使用方法 |
ハイカリック液-1号700mLに対して、10%または12%アミノ酸注射液を200〜300mLの割合で添加してよく混ぜ、経中心静脈輸液療法の開始液として使用します。
また、成人(15歳以上)のケースでは、1日1800〜2000mLの開始液を24時間かけて中心静脈内に持続点滴注入します。
なお、体重、年齢、症状に応じて、医師の判断のもと適宜増量、減量することができます。 |
副作用 |
重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。使用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・アシドーシス
・高血糖
その他の副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。
・代謝障害、栄養障害:脱水症状、低カリウム血症、低ナトリウム血症、高カリウム血症、血清ナトリウム異常、尿糖、AL-Pの上昇、総コレステロール低下、低血糖症状、LDHの上昇、高リン血症、BUNの上昇、カルシウム低下、低クロール血症、高カルシウム血症、血清クロール異常、反発性低血糖
・内分泌障害:尿崩症
・肝機能障害:肝機能異常、ALTの上昇、ASTの上昇、硫酸亜鉛混濁反応異常、チモール混濁反応異常
・消化管障害:はき気、嘔吐、悪心、食欲の減退
・一般的全身障害:発熱、脱毛、全身倦怠感
・泌尿器系障害:腎臓の機能的障害、高窒素血症、尿が多く出る、浸透圧性の利尿
・精神障害:不穏状態
・その他(大量・急速投与による障害):肺水腫、脳浮腫、末梢のむくみ、水中毒
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・ブドウ糖、酢酸カリウム、グルコン酸カルシウム水和物、硫酸マグネシウム水和物、リン酸二水素カリウム、硫酸亜鉛水和物を配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、ハイカリック液-1号はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼ハイカリック液-1号の有効成分
ブドウ糖、酢酸カリウム、グルコン酸カルシウム水和物、硫酸マグネシウム水和物、リン酸二水素カリウム、硫酸亜鉛水和物
▼代表薬の添加物
乳酸
・重篤な腎機能障害のある方又または高窒素血症を患っている方
・遺伝性果糖不耐症をお持ちの方
・乳酸血症を患っている方
・高リン血症、副甲状腺機能低下症を患っている方
・高マグネシウム血症、甲状腺機能低下症を患っている方
・肝性昏睡または肝性昏睡の可能性のある方
・高カルシウム血症を患っている方
・乏尿のある方(透析または血液ろ過を行っている方を除く)
・高カリウム血症、アジソン病の患者
・アミノ酸の代謝機能に異常のある方
使用に注意が必要な方 ・脱水状態の方
・腎機能に障害のある方
・菌血症を患っている方
・重症熱傷をお持ちの方
・閉塞性尿路疾患を患い尿量が減少している方
・心不全を患っている方
・尿崩症を患っている方
・高度のアシドーシス状態の方
・糖尿病を患っている方
・透析または血液ろ過を行っている重篤な腎臓の機能障害、高窒素血症または乏尿のある方
・膵硬化症、膵炎、膵腫瘍などの膵臓に障害をお持ちの方
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
・小児など
※小児などに対する安全性が確立されていません(使用経験が少ない状態です)。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら使用してください。
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併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・強心配糖体
※ハイカリック液-1号中のカルシウムによって、ジギタリス中毒が引き起こされる可能性があります。
上記を使用している方は、TPN(高カロリー輸液)糖・電解質液を使用する事が出来ない可能性があります。 TPN(高カロリー輸液)糖・電解質液を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
TPN(高カロリー輸液)糖・電解質液に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
ハイカリック液-1号 【ハイカリック液-1号 添付文書】
組成表検索 【輸液製剤協議会】 |
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