低張性電解質液維持液(3号液)

成分名

低張性電解質液維持液(3号液)

適応症状

・エネルギー補給
・経口での摂取が不可能または不十分なケースにおける電解質や水分の補給や維持

簡易説明

リプラス3号輸液は、脱水症状の消失後、経口摂取ができるようになるまでの期間または、脱水状態ではないが何かしらの理由で経口摂取が不可能または不十分なケース、あるいは手術中や手術後における水分や電解質維持量の補給の目的で使用されます。人間の1日の体液排泄量に基づいた電解質の組成かつ乳酸ナトリウムも含まれているのでアシドーシス傾向にあるケースでの輸液としても有用です。

処方可能な診療科目

内科/外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約800円~1,000円
薬代1袋あたりの目安:200ml約162円/500ml約217円
薬代後発薬1袋の目安:リプラス3号輸液に対する後発品はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:1988年7月(リプラス3号輸液200ml/500ml)

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

アセトキープ3G注(ネオクリティケア製薬)、エスロンB注(ネオクリティケア製薬)、クリニザルツ輸液(扶桑薬品)、グルアセト35注(扶桑薬品)、ハルトマン-G3号輸液(扶桑薬品)、ソリタ-T3号輸液(エイワイファーマ)、ソリタ-T3号G輸液(エイワイファーマ)、EL-3号輸液(エイワイファーマ)、10%EL-3号輸液(エイワイファーマ)、ソリタックス-H輸液(エイワイファーマ)、YDソリタ-T3号輸液(陽進堂)、YDソリタ-T3号G輸液(陽進堂)、KN3号輸液(大塚製薬)、KNMG3号輸液(大塚製薬)、フィジオゾール3号輸液(大塚製薬)、フィジオ35輸液(大塚製薬)、トリフリード輸液(大塚製薬)、フルクトラクト注(大塚製薬)、ソルデム3輸液(テルモ)、ソルデム3A輸液(テルモ)、ソルデム3AG輸液(テルモ)、ソルデム3PG輸液(テルモ)、ソルマルト輸液(テルモ)、ヒシナルク3号輸液(ニプロ)、ユエキンキープ3号輸液(光製薬)、アセテート維持液3G「HK」(光製薬)、アクマルト輸液(光製薬)、アクチット輸液(扶桑薬品)、ヴィーン3G輸液(扶桑薬品)、リプラス3号輸液(扶桑薬品)、アルトフェッド注射液(扶桑薬品)、アステマリン3号MG輸液(マイランEPD)、ペンライブ注(マイランEPD)

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

リプラス3号輸液は、脱水症状が治癒してきた後、経口からの摂取ができるようになるまでの期間または、脱水状態を引き起こしてはいないが何かしらの理由によって経口からの摂取が不可能または不十分なケース、あるいは手術中や手術後における電解質や水分維持量の補給・補正の目的で使用されます。
人間の1日の体液排泄量(予測)は、尿量に不感蒸泄量を加えた値から代謝水分量を差し引いた値にほぼ等しいと考えられており、成人(15歳以上)では約2000mLと算出され、これに伴いナトリウムは40〜70mEq、カリウムは20〜60mEqが失われることになります。
リプラス3号輸液の組成バランスは上記の排泄予測量を参考にして設計されていて、さらにHCO3−を供給する目的で乳酸ナトリウムが含まれています。前述の組成により、アシドーシス傾向にあるケースでの輸液としても非常に有用であるとされています。

リプラス3号輸液は大きい分類として「低張性電解質液」に該当します。低張性電解質液は、体液よりも電解質濃度が低く設計されている輸液です。ブドウ糖を配合することで浸透圧のバランスを等張状態にしていますが、ブドウ糖は体内で代謝されると水に変換されるので、最終的には体液よりも浸透圧の低い輸液を投与したようなイメージとなります。そのため低張性電解質液は、細胞内液を含むからだ全体に水分を供給することが可能です。低張電解質輸液の代表的な分類としては、開始液(1号液)、脱水補給液(2号液)、維持液(3号液)、術後回復液(4号液)があり以下のような特徴があります。

・開始液(1号液):病態がわからない時や、ナトリウム・カリウム負荷に対する安全性に配慮してカリウムを含まない電解質の構成となっています。主に緊急時などに水分や電解質を補給する際の第一選択として用いられます。
・脱水補給液(2号液):細胞内に多く存在している電解質のバランスで構成されています。そのため、主に低カリウム血症や細胞内の電解質が不足している脱水時に用いられます。
・維持液(3号液): 人間の1日に必要な水分および電解質のバランスで構成されています。主に経口での水分、電解質の摂取が不可な状態、または不十分な状態における水分と電解質の補給・維持に用いられます。
・術後回復液(4号液):電解質の濃度が低く設計された構成になっています。水分の補給を目的としていて、主に腎臓の機能が低下している方、腎臓の機能が未熟な小児、術後間もない方などを対象として用いられます。

使用方法

成人(15歳以上)のケース:1回500〜1000mLを点滴静注します。
※投与する速度は、成人の場合ブドウ糖として1時間あたり0.5g/体重kg以下としてください。
※なお、体重、年齢、症状に応じて、医師の判断のもと適宜増量、減量することができます。

副作用

主な副作用
リプラス3号輸液は、副作用の発現頻度が明らかとなる使用成績調査などの調査が実施されていませんが、次に挙げるような副作用が引き起こされる可能性があります。使用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止するなど適切な処置を行ってください。
・大量投与・急速投与:大量投与、急速投与によって肺水腫、水中毒、脳浮腫、末梢のむくみ、高カリウム血症などの副作用が引き起こされる可能性があります。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・塩化ナトリウム、塩化カリウム、乳酸ナトリウム、ブドウ糖を配合した医薬品の成分や添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分や添加物にアレルギーをお持ちの方、リプラス3号輸液はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼リプラス3号輸液の有効成分
塩化ナトリウム、塩化カリウム、乳酸ナトリウム、ブドウ糖
▼代表薬の添加物
pH調節剤

・高乳酸血症状態の方
※高乳酸血症の症状悪化が引き起こされる可能性があります。
・重症のやけど、乏尿、高カリウム血症、高窒素血症、アジソン病を患っている方
※上記の症状悪化が引き起こされる可能性があります。

使用に注意が必要な方
・心不全を患っている方
※全身の循環血液量が増加することによって、心不全症状の悪化が引き起こされる可能性があります。
・高カリウム血症を伴っていない腎不全を患っている方
※水分や電解質のバランスを調節する機能が低下しているので副作用が起きやすく、慎重に使用してください。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、投与速度を落としたり、減量したりするなど注意をしながら使用してください。
・閉塞性尿路疾患によって尿量が減少している方
※水分や電解質の負荷が過剰となって、閉塞性尿路疾患の症状が悪化する可能性があります。
・重篤な肝障害を患っている方
※水分や電解質代謝異常の悪化が引き起こされる可能性があります。
・糖尿病を患っている方
※糖尿病の病態ではブドウ糖の各組織への移行が制限されている状態にあるので、KN2号輸液の投与によって高血糖を生じ、糖尿病の病態悪化が引き起こされる可能性があります。

上記にあてはまる方は、低張性電解質液維持液(3号液)を使用する事が出来ない可能性があります。
低張性電解質液維持液(3号液)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

低張性電解質液維持液(3号液)に関する
よくある質問
リプラス3号輸液にはなぜブドウ糖が添加されているのですか?

リプラス3号輸液は、電解質のみだと浸透圧がやや低いため、またエネルギー補給の目的も兼ねて5%のブドウ糖を添加しています。リプラス3号輸液 【リプラス3号輸液 添付文書】

リプラス3号輸液の使用が適切であると考えられる患者さんの尿量を教えてください。

リプラス3号輸液を使用するケースでは、投与前の患者さんの尿量が1日500mL(または1時間あたり20mL以上)であることが望ましいとされています。リプラス3号輸液 【リプラス3号輸液 添付文書】

参考元一覧

リプラス3号輸液 【リプラス3号輸液 添付文書】
組成表検索 【輸液製剤協議会】

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。