フマル酸第一鉄

成分名

フマル酸第一鉄

適応症状

鉄欠乏性貧血など

簡易説明

フマル酸第一鉄は体内の鉄不足による鉄欠乏性貧血などによる諸症状を改善するための経口鉄剤です。貧血は体内の赤血球が減少してしまう状態ですが、その中でも体の中の鉄分が不足して起こる鉄欠乏性貧血が割合として最も高いとされています。その赤血球の生成に関わる鉄を補充し、めまいや立ち眩み、動悸などの症状を改善します。
フマル酸第一鉄を成分とするフェルムカプセルは先発薬で、ゆっくり溶ける徐放性製剤の薬です。

処方可能な診療科目

内科/循環器・血液内科/産婦人科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:フェルムカプセル100mg7.7円/カプセル(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2009年9月販売開始【フェルムカプセル100mg】

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

フェルムカプセル100mg【製薬メーカー:日医工】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

・スイス
Vifor(International)社からFerrum Hausmann S.R.Capsulesという商品名で販売されています。日本の日医工は、このスイスのVifor社と提携を結んでいます。

・アメリカ
1979年にフマル酸第一鉄は承認されています。

・その他
ドイツ、タイ、ベルギー、インドネシアなど世界10か国で販売されています。

効果・作用

フマル酸第一鉄は、主に鉄欠乏性貧血の治療の際に用いられます。体内で不足してしまった鉄を補充し、貧血を改善する経口鉄剤です。ヘモグロビン合成を促進させ、赤血球を増やす作用を持っています。手術前の造血目的で使用する場合もあります。
鉄はフェリチンとして体の中に蓄えられており、体の様々な反応に関わる酵素の働きと繋がっています。貧血や立ち眩みなど目に見える諸症状として現れず、フェリチンの不足から体の不調や不眠、肌荒れなどが引き起こされることがあり、それらは鉄不足が原因とされることも多くあります。
基本的に鉄は体内に一定量貯蔵されており、寿命から来た赤血球から再利用されています。薬からの服用を前提ではなく、できるだけバランスの良い食事を心掛け、良質な栄養と鉄分を摂取することを大切にすることも大切です。

場合によっては鉄分の吸収を高めるためにビタミンC製剤と併せて服用することがあります。空腹時や就寝前に服用すると吸収率は良くなりますが、胃が荒れてしまう恐れがあるため、胃が弱い方は服用タイミングに気をつけて食後などに服用することを推奨されています。

◆鉄欠乏性貧血とは
赤血球の成分であるヘモグロビンが、全身に酸素を血液中で運搬していますがそのヘモグロビン合成に関わる鉄が減る事で十分な酸素が供給されず様々な症状が引き起こされる貧血のことを指します。
貧血の中でも種類が多く、女性が引き起こしやすい疾患でもあります。
体内の鉄が減少してしまう理由としては、生活において偏った食事や激しい運動による汗からの排出、女性であれば月経過多や妊娠、その他持病による慢性的な出血や手術など様々な場面で考えられます。

使用方法

通常、フマル酸第一鉄として成人は1日1回1カプセルを服用します。

▼使用上の注意点
・本剤は徐放性製剤です。成分が口腔内の歯や下などに付着する可能性がある為、カプセルを噛み砕いたり、すりつぶしたりせず、そのままの状態で服用して下さい。
・本剤使用中は、適宜血液検査を行い過量服用にならないよう注意して下さい。
・空腹時や就寝直前の服用は良く吸収されますが、胃が荒れることがあるため、胃が弱い方は医師に相談し服用タイミングに注意して下さい。
・臨床検査結果にて及ぼされる影響として、潜血反応で偽陽性となる場合があります。

▼過量投与による影響
・胃粘膜刺激による嘔吐や腹痛などの消化器症状があります。その他の症状としては血圧低下やチアノーゼが見られることがあります。
重症になってしまうと、ショック、昏睡、肝壊死・不全などの恐れもある為注意が必要です。徐放性がある薬剤の為症状が持続する場合もあります。

副作用

■フマル酸第一鉄の主な副作用
フマル酸第一鉄には、副作用が起こる可能性があります。
フマル酸第一鉄を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
・消化器(嘔吐、吐き気、胃痛、下痢、便秘、食欲不振など)
・過敏症(痒み、発疹)
・心窩部痛 等
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■鉄欠乏状態でない方
鉄過剰症になる恐れがあります。
■フマル酸第一鉄を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方フェルムカプセルは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼フェルムカプセルの有効成分
フマル酸第一鉄
▼代表薬の添加物
・白糖
・トウモロコシデンプン
・セラック
・タルク
・ポビドン
・ステアリン酸
・ゼラチン
・酸化チタン
・青色1号

使用に注意が必要な方
■高齢者
一般的に生理機能が低下している可能性が高いです。
■消化性潰瘍、限局性腸炎、慢性潰瘍性大腸炎などの胃腸疾患をお持ちの方
消化管粘膜が刺激され、疾患が悪化する恐れがあります。
■発作性夜間血色素尿症の患者の方
溶血を誘発する恐れがあります。

上記にあてはまる方は、フマル酸第一鉄を使用する事が出来ない可能性があります。
フマル酸第一鉄を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
■難溶性の複合体を形成し、相互で薬剤の吸収が阻害される恐れがあります。
・甲状腺ホルモン製剤
■キレートを形成し、相互で薬剤の吸収が阻害される恐れがあります。
・テトラサイクリン系抗生物質
・セフジニル
・ニューキノロン系抗菌剤
■制酸剤が消化管のpHを上昇させる、また不溶性の塩を形成することで本剤の吸収を阻害する恐れがあります。
・制酸剤
■不溶性の塩を形成して、本剤の吸収を阻害する恐れがあります。
・タンニン酸を含有するもの(濃い緑茶、コーヒー等)

上記を使用している方は、フマル酸第一鉄を使用する事が出来ない可能性があります。
フマル酸第一鉄を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

フマル酸第一鉄に関する
よくある質問
この薬を服用すると生活上で影響が及ぶことはありますか?

服用中に便が黒くなる場合がありますが、これは吸収されなかった鉄が便中から排泄されることで見られるものなので問題ありません。
しかし、粘稠でタール状の黒い便が見られる場合は胃や腸などから出血している恐れがある為、直ぐに医師にご相談下さい。

過剰投与した場合、どのような処置が施されますか?

服用初期の際は、催吐や胃洗浄が有効です。その他の処置としては、下剤や鉄排泄剤であるデフェロキサミンなどの投与を行います。血液低下や循環虚脱が症状として現れた場合は昇圧剤や輸液等による対症療法を行うことが多いです。

どのくらいの期間で鉄欠乏性貧血の症状が良くなりますか?

間もなく貧血症状が改善されることが多いです。しかい鉄分の体内貯蔵量を十分にするために2~6カ月間は継続して服用する場合があります。
改善した後は、普段の生活からバランスの良い食事にて鉄分摂取を心掛けましょう。

参考元一覧

医薬品インタビューフォーム 【日医工 株式会社】

FERROUS FUMARATE 【Inxight Drugs】

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