フラビンアデニンジヌクレオチド

成分名

フラビンアデニンジヌクレオチド

適応症状

ビタミンB2(リボフラビン)欠乏症/角膜炎/眼瞼炎

簡易説明

フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)は、ビタミンB2の代謝に関わる栄養素で、多くの酵素反応において補因子として働きます。FADを摂取することで、エネルギー代謝や細胞内の酸化ストレス緩和、アミノ酸代謝の促進など、様々な健康効果が期待できます。FADは、肉や魚、卵、乳製品、穀物などの食品に含まれていますが、食生活の偏りや消化吸収の問題で不足する場合があります。ただし、過剰摂取は健康に悪影響を与える場合があるため、適量を守り、バランスの良い食生活を心がけることが重要です。

処方可能な診療科目

内科/眼科/産婦人科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約1,000円~3,000円
<錠剤>
薬代1錠あたりの目安:5mg約5.7円/10mg約5.9円(薬価)
薬代後発薬1錠あたりの目安:5mg約5.7円/10mg約5.7円(薬価)
<シロップ>
薬代0.3%1mLあたりの目安:約6.3円(薬価)
薬代後発薬0.3%1mLあたりの目安:約3.1円(薬価)
<眼軟膏>
薬代0.1%1gあたりの目安:約24.8円(薬価)
<点眼液>
薬代0.05%5mL1瓶あたりの目安:約88.8円(薬価)
<注射液>
薬代10mg1管あたりの目安:10mg約59円/20mg約60円(薬価)

病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1966年11月発売開始(フラビタン錠5mg)
2006年7月発売開始(フラビタンシロップ0.3%)
2006年6月発売開始(フラビタン点眼液0.05%)
2008年6月発売開始(フラビタン眼軟膏0.1%)
1961年12月発売開始(フラビタン注5mg)

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

<錠剤>
フラビタン錠5mg/10mg(製薬メーカー:トーアエイヨー)
<シロップ>
フラビタンシロップ0.3%
<点眼液>
フラビタン点眼液0.05%

関連製品(ジェネリック)

<錠剤>
ワカデニン腸溶錠5mg/10mg/15mg(製薬メーカー:わかもと製薬)
FAD錠5mg/10mg(製薬メーカー:鶴原製薬)
FAD錠「15」(製薬メーカー:辰巳化学)
FAD腸溶錠5mg/10mg/15mg(製薬メーカー:わかもと製薬)
<シロップ>
FADシロップ0.3%「ツルハラ」
ワカデニンシロップ0.3%
<眼軟膏>
フラビタン眼軟膏0.1%
<点眼液>
FAD点眼液0.05%「サンテン」
FAD点眼液0.05%「日東」
<注射液>
フラビタン注5mg
フラビタン注射液10mg/20mg
フラジレン注10mg/20mg
ワカデニン注射液10mg/20mg/30mg
FAD注10mg/20mg/30mg「わかもと」
FAD注20mg(ツルハラ)
アデフラビン注10mg

海外での使用実績

FADを含む製品は、多くの国で医薬品、サプリメント、健康食品、化粧品、動物用医薬品などの分野で使用されています。

効果・作用

フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)は、ビタミンB2(リボフラビン)の代謝に関与する栄養素であり、多くの酵素反応において補因子として働きます。以下に具体的な効果や作用を幾つか挙げます。

・エネルギー代謝の促進
酸化的リン酸化経路(クエン酸回路や呼吸鎖など)において、エネルギー生産に関与する酵素の補因子として働きます。このため、FADが不足すると、エネルギー代謝がスムーズに行われず、疲労感や倦怠感などが生じる可能性があります。
・酸化ストレスの防止
抗酸化物質グルタチオンの代謝にも関与しており、細胞内の酸化ストレスを緩和する役割を持っています。また、FADはシトクロムP450酵素などの解毒酵素の補因子としても働き、有害物質の代謝や除去にも関与します。
・蛋白質の代謝の促進
アミノ酸代謝に関わる酵素の補因子としても働きます。例えば、フラビンモノオキシゲナーゼやアミノ酸オキシダーゼなどの酵素がFADを必要としており、これらの酵素の働きを促進することができます。
・免疫力の向上
T細胞の増殖や分化を促進することが報告されています。また、FADの不足が免疫力低下に関与している可能性も指摘されており、適切な摂取が重要です。

FADが不足すると、リボフラビン欠乏症になる可能性があります。リボフラビン欠乏症は、舌や口唇のただれ、口内炎、目の充血、皮膚のかゆみなどの症状を引き起こすことがあります。FADを含む食品としては、肉、魚、卵、牛乳、チーズ、豆類、全粒穀物、緑黄色野菜などが挙げられます。

使用方法

<錠剤・シロップ>
FADとして、通常成人1日5~45mgを1~3回に分割経口投与して下さい。
なお、年齢、症状により適宜増減して下さい。
<眼軟膏>
通常、フラビンアデニンジヌクレオチドの0.05~0.3%眼軟膏として、1日1~4回眼瞼内に少量ずつ点入して下さい。なお、症状により適宜増減して下さい。
<点眼液>
通常、 1回1~2滴を1日3~6回点眼して下さい。なお、症状により適宜増減して下さい。
<注射液>
FADとして、通常成人1日1~40㎎を1~2 回に分けて皮下、筋肉内又は静脈内注射して下さい。
なお、年齢、症状により適宜増減して下さい。

副作用

副作用は現在報告されていません。

※何か異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■使用禁止
・フラビンアデニンジヌクレオチドを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方は、アレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
<錠剤>
▼フラビタン錠の有効成分
フラビンアデニンジヌクレオチド
▼フラビタン錠の添加物
・乳糖水和物
・バレイショデンプン
・・結晶セルロース
・カルメロース
・ヒドロキシプロピルセルロース
・硬化油
・ヒプロメロースフタル酸エステル
・ステアリン酸
・グリセリン脂肪酸エステル
・酸化チタン
・タルク
・シリコーン樹脂
・サラシミツロウ
・カルナウバロウ
・黄色5号

<シロップ>
▼フラビタンシロップの有効成分
フラビンアデニンジヌクレオチド
▼フラビタンシロップの添加物
・ソルビン酸カリウム
・クエン酸水和物
・クエン酸ナトリウム水和物
・D-ソルビトール液
・香料

<眼軟膏>
▼フラビタン眼軟膏の有効成分
フラビンアデニンジヌクレオチド
▼フラビタン眼軟膏の添加物
・エデト酸ナトリウム水和物
・濃グリセリン
・ポリソルベート80
・ゲル化炭化水素

<点眼液>
▼フラビタン点眼液の有効成分
フラビンアデニンジヌクレオチド
▼フラビタン点眼液の添加物
・エデト酸ナトリウム水和物
・ホウ酸
・酢酸ナトリウム水和物
・クロロブタノール
・パラオキシ安息香酸メチル
・パラオキシ安息香酸プロピル
・氷酢酸

<注射液>
▼フラビタン注射液の有効成分
フラビンアデニンジヌクレオチド
▼フラビタン注射液の添加物
・ベンジルアルコール
・塩化ナトリウム
・クエン酸水和物
・クエン酸ナトリウム水和物

上記にあてはまる方は、フラビンアデニンジヌクレオチドを使用する事が出来ない可能性があります。
フラビンアデニンジヌクレオチドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

フラビンアデニンジヌクレオチドに関する
よくある質問
フラビンアデニンジヌクレオチドが販売中止というのをネットで見ましたが、本当でしょうか。理由なども知りたいです。

フラビンアデニンジヌクレオチド(以下、「FAD」)製剤につきましては、FAD原薬の製造業者である協和発酵バイオ株式会社(以下、「協和発酵バイオ」)防府工場において2019年9月にGMP違反が発覚して業務停止処分を受けたことから原薬供給が停止し、2020年4月以降に原薬供給が再開されたものの従来の供給量まで回復しなかったため、錠剤においては供給を停止させていただいております。

フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)製剤 販売中止のご案内

【上記引用元:医療関係者向け情報 トーアエイヨー】

フラビタンシロップを飲んだのですが、尿の色がいつもと違うようです。フラビタンシロップが原因でしょうか。

【使用上の注意】臨床検査結果に及ぼす影響 - 尿を黄変させ、臨床検査値に影響を与えることがある。

フラビタンシロップ0.3%

【上記引用元:医療関係者向け情報 トーアエイヨー】

参考元一覧

フラビタンシロップ0.3% 【 医療関係者向け情報 トーアエイヨー】
フラビタン注5mg、注射液10mg・20mg 【 医療関係者向け情報 トーアエイヨー】

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