アルプラゾラム

成分名

アルプラゾラム

適応症状

心身症(胃・十二指腸潰瘍・過敏性腸症候群・自律神経失調症)における身体症状と不安・抑うつ・睡眠障害など

簡易説明

ベンゾジアゼピン系の短期間作用型不安薬及び筋弛緩薬の一種である、経口薬です。
日本ではソラナックス、コンスタンの名前で知られており、後発薬も出ています。連用により依存症、急激な量の減少により離脱症状を生じることがあります。
麻薬及び向精神薬取締法の第三種向精神薬です。一般的に不安障害、パニック障害、化学療法における吐き気に対して使用されます。
深刻な不安及びパニック発作、抑うつを伴う不安に対する救済として使用され、日本の整形外科では頭痛、頚椎症、腰痛症、肩こり対策に処方されています。
脳にあるGABA受容体ベンゾジアゼピン結合部位に結合することにより、神経細胞の活動を抑制させます。服用してから15~30分で最大効果が得られ、半減期は14時間ほどです。

処方可能な診療科目

精神科/心療内科/整形外科など

健康保険の適応

健康保険適用

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1,000~2,000円
ソラナックス/コンスタンにおける薬価については、
0.4g:7.7/7.8円(ジェネリック:5.7円)
0.8g:13/12.6円(ジェネリック:6.3円)
となっています。
*2020年㋀現在 診察料に関しては診察される科によって差があり、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1992年7月発売

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

ソラナックス0.8mg錠/0.4mg錠(製薬会社:ヴィアトリス製薬) コンスタン0.8mg錠/0.4mg錠(武田デバ薬品)

関連製品(ジェネリック)

アルプラゾラム錠0.8mg/0.4mg「アメル」(製薬会社:共和薬品) アルプラゾラム錠0.8mg/0.4mg「サワイ」(製薬会社:メディサ新薬) アルプラゾラム錠0.8mg/0.4mg「トーワ」(製薬会社:東和薬品)

海外での使用実績

アメリカで最も処方されており、かつ最も乱用されているベンゾジアゼピンですが、処方薬であり、規制物質法に基づき麻薬取締局(DEA)にてSchedule IV規制の薬物です。イギリスでは、1971年薬物乱用法の分類にてベンゾジアゼピンはClassC(スケジュール4)の薬物です。国民保健サービスでは処方禁止であり、プライベート医療の処方箋によってのみ使用できます。アイルランドでは、アルプラゾラムはアイルランド薬物乱用法におけるスケジュール薬物4です。スウェーデンでは、1968年Narcotics Drugs Act法にてList IV(スケジュール4)の処方薬です。オランダでは、オランダアヘン法にてList2薬物であり、処方薬です。

効果・作用

アルプラゾラムはベンゾジアゼピン受容体に作用することでGABAの働きを強め、脳の活動を抑えることによって効果を発揮します。脳の活動を抑えることによって、抗不安作用・催眠作用・筋弛緩作用・抗けいれん作用が認められます。抗不安作用が普通~やや強いので、不安感や緊張による悪循環を取り除いてくれます。筋弛緩作用が弱いので、ふらつきの副作用は少ないです。催眠作用もありますが、効きとしては中くらいなので、積極的に睡眠薬に使うことはありません。不安が強くて寝付けない方は、睡眠薬代わりに使うこともあります。深刻な不安およびパニック発作、不安障害や抑うつを伴う不安に対して効果があるとされています。また整形外科においては筋緩作用により、頭痛・頚椎症・腰痛症・肩こりに効果があるとされています。使用される病名については、心身症(胃・十二指腸潰瘍・過敏性腸症候群・自律神経失調症)における身体症状ならびに不安・抑うつ・緊張・睡眠障害が主です。穏やかに脳に働いて、興奮を鎮め、緊張や不安を取り除きリラックスさせてくれる働きがあります。特徴としては、作用時間はやや短いものの、作用がしっかり感じられる点です。効果と副作用のバランスがとれており、即効性もあって効果も期待できるわりに副作用は少ないです。

使用方法

ソラナックスは0.4mg~1.2mgから開始することが一般的です。作用時間が短いため、効果を持続させたい場合は1日2~3回の服用が必要になります。頓服としての使用は、1回の服用で0.8mg.までの使用が可能なため、0.4mg~0.8mgの処方で効果の実感をもとに調整していきます。

副作用

副作用としては倦怠感・脱力感・集中力低下・眠気・頭痛・めまい・性欲減退・瞳孔拡大等がみられることがあります。
日本では2017年3月に「重大な副作用」の項目に、連用によって依存症を生じることがあるので、用量と使用期間に注意して慎重に投与し、急激な減薬によって離脱症状が生じるため徐々に減薬する旨が追加され、厚生労働省により関係機関への周知徹底がなされています。また奇異反応に関して、錯乱や興奮を生じる旨が記載されています。
副作用として穏やかなものは不快・不眠症、主要なものは発汗・不安・腹痛・筋肉の痙攣・嘔吐・抑うつ・震え等です。
そしてまれにそしてまれに発作・自殺念慮・自殺などがみられることがあります。アルコールとの併用についてはどちらも近しい依存性があり、またどちらも脳の中枢神経を抑制する作用を持つため、脳の機能を落としすぎてしまいます。
そして双方に依存しやすくなってしまう・体に耐性ができてしまうため望ましくないとされています。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用に注意が必要な方
心障害がある方(症状が悪化するおそれがある)
肝障害のある方(肝臓で代謝されるため、クリアランスが低下するおそれがある)
脳に器質的障害がある方(作用が強くあらわれる)
小児 高齢者 衰弱者(作用が強くあらわれる)
中等度呼吸障害または重篤な呼吸障害{呼吸不全}のある方(症状が悪化するおそれがある)
妊婦(胎児への影響と治療の有益性によって異なる)

上記にあてはまる方は、アルプラゾラムを使用する事が出来ない可能性があります。
アルプラゾラムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
枢神経抑制剤フェノチアジン誘導体バルビツール酸誘導体等モノアミン酸化酵素阻害剤 アルコール(飲酒) リトナビル イトラコナゾール ポサコナゾール フルボキサミンマレイン酸塩 シメチジン イミプラミンデシプラミン カルバマゼピン ジゴキシン

上記を使用している方は、アルプラゾラムを使用する事が出来ない可能性があります。
アルプラゾラムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
HIVプロテアーゼ阻害剤インジナビル(国内未発売)等

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
アルプラゾラムは依存性ですか? 

効果の割には副作用が少ない抗不安薬です。筋弛緩作用が弱いのでふらつきが少ないです。効果の実感があるので、依存には注意が必要です。 

妊娠中でも服用できますか?

薬はできるだけ控えたほうがいいですが、治療の有益性を考えて服用を続けるケースもあります。妊娠への影響については奇形を起こしやすいか(催奇形性)・薬の成分が胎児に届くことによる影響を考えていく必要があります。詳しくは主治医にご相談ください。

日中等に眠気は出ますか?

GABAの含まれる薬品で抗不安作用以外にも催眠作用等が生じるため、多少の眠気は出てくることが予想されます。そのため、服用後はできる限り運転や機械の操縦は避けることが望ましいです。ですが副作用の少ない薬ですので、そこまで強い眠気は生じにくいと考えられます。副作用によって飲み始めは眠気が少し出やすいかもしれませんが、体が薬に慣れて1~2週間で軽減されることあります。もし服用中に、日常生活に支障をきたすほどの眠気を生じる場合は、薬の量の調整等が必要であることが考えられます、一度主治医へご相談ください。 

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