成分名 |
マプロチリン塩酸塩 |
適応症状 |
うつ状態/うつ病など |
簡易説明 |
マプロチリン塩酸塩は脳内のノルアドレナリンなどの神経伝達物質の働きを改善するはたらきがある、うつ病やうつ状態の治療に用いられる薬です。
意欲を高めたり、憂鬱な気分、不安、不眠などの症状を改善することから、憂うつな気分をやわらげて、気持ちが前向きになるのを助けたり、不安や緊張した気分をほぐして、気持ちを楽にします。 |
処方可能な診療科目 |
内科/心療内科/精神科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1000円~5000円程
薬代1錠あたりの目安:10mg約8円/25mg約16円
薬代後発薬1錠の目安:10mg約6円/25mg約11円
※病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要です。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
薬価基準収載年月 : 1981年9月
販売開始年月 : 1981年9月
再審査結果公表年月 : 1989年1月 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
【製薬メーカー:サンファーマ】
ルジオミール錠10mg
ルジオミール錠25mg |
関連製品(ジェネリック) |
【クロンモリン錠10mg 高田製薬】
【マプロミール錠10mg 小林化工】
【マプロチリン塩酸塩錠10mg「アメル」共和薬品】
【マプロチリン塩酸塩錠10mg「タカタ」高田製薬】
【クロンモリン錠25mg 高田製薬】
【マプロミール錠25mg 小林化工】
【マプロチリン塩酸塩錠25mg「アメル」共和薬品】
【マプロチリン塩酸塩錠25mg「タカタ」高田製薬】
【クロンモリン錠50mg 高田製薬】
【マプロミール錠50mg 小林化工】
【マプロチリン塩酸塩錠50mg「アメル」共和薬品】
【マプロチリン塩酸塩錠50mg「タカタ」高田製薬】 |
海外での使用実績 | マプロチリン塩酸塩について、海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果では、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高い結果になりました。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少しました。 |
効果・作用 |
マプロチリン塩酸塩は脳内のノルアドレナリンなどの神経伝達物質の働きを改善するはたらきがある薬で、うつ病やうつ状態の治療に用いられます。
うつ病では脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリンやセロトニンなどの働きが不調に陥ることで脳の機能不全が引き起こされ、意欲の低下、不安やいらいら、不眠などの症状があらわれます。
脳内の神経細胞はシナプスという部位を介して神経回路を形成しており、シナプス前終末から神経伝達物質がシナプス間隙へ遊離され、神経後シナプスの受容体へ作用することで情報が伝達されることから、遊離された神経伝達物質の一部は再取り込みを行い、神経前終末へ回収されます。
この再取り込みを阻害すると伝達に使われる神経伝達物質を増やすことがでることから、その神経伝達物質の働きを増強できます。
また、ノルアドレナリンに関しては、前シナプスの神経細胞にあるα2受容体を阻害することで、シナプス間隙へのノルアドレナリン遊離が促進されて、ノルアドレナリンの働きを増強することが期待できます。
本薬は、脳内のノルアドレナリンの再取り込みを阻害して、その働きを増強する作用があることから作用がマイルドで、三環系抗うつ薬の主な副作用となっている抗コリン作用などへの懸念が少ない特徴があります。 |
使用方法 |
▼用法用量
・成人にはマプロチリン塩酸塩として1日30mgから75mgを2回から3回に分割経口投与します。また上記用量は1日1回夕食後あるいは就寝前に投与できます。なお、年齢や症状により適宜増減します。 |
副作用 |
次の副作用があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
重大な副作用
てんかん発作/悪性症候群/Syndrome malin/無動緘黙/強度筋強剛/嚥下困難/頻脈/血圧変動/発汗/発熱/白血球増加/血清CK上昇/CK上昇/血清CPK上昇/CPK上昇/ミオグロビン尿/腎機能低下/高熱が持続/意識障害/呼吸困難/循環虚脱/脱水症状/急性腎障害/横紋筋融解症/筋肉痛/脱力感/血中ミオグロビン上昇/尿中ミオグロビン上昇/皮膚粘膜眼症候群/Stevens?Johnson症候群/無顆粒球症/間質性肺炎/好酸球性肺炎/咳嗽/肺音異常/捻髪音/QT延長/心室頻拍/Torsades de Pointes/肝機能障害/黄疸/AST上昇/ALT上昇/γ?GTP上昇/麻痺性イレウス/腸管麻痺/嘔吐/著しい便秘/腹部膨満/腹部弛緩/腸内容物うっ滞など
その他の副作用
起立性低血圧/心悸亢進/心電図異常/不安/眠気/パーキンソン様症状/アカシジア/錐体外路障害/知覚異常/睡眠障害/集中力欠如/思考力低下/頭がボーッとする/躁状態/排尿困難/視調節障害/散瞳/胃部不快感/胃腸症状/腹痛/口内苦味感/味覚異常/ふらつき/熱感/頭重/頻尿/夜尿/浮腫/血圧降下/血圧上昇/激越/ミオクロヌス/情緒不安/抗コリン作用/口渇/緑内障/尿閉/紫斑/脱毛/過敏症/皮膚血管炎/好酸球増多/血小板減少/乳房肥大/乳汁漏出/気管支痙攣/心ブロック/不整脈/失神/幻覚/陰萎/譫妄/運動失調/錯乱状態/悪夢/記憶障害/離人症/鼻閉/光線過敏症/蕁麻疹/そう痒感/白血球減少/白血球増多/Al?P上昇/異常食欲亢進/口内炎/下痢/体重増加/耳鳴/流涎など
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■マプロチリン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方は、ルジオミールにアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ルジオミールの有効成分
マプロチリン塩酸塩
▼代表薬の添加物
・ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、無水ケイ酸、第三リン酸カルシウム、D-マンニトール、トウモロコシデンプン、ポリソルベート80、酸化チタン、ヒプロメロース、三二酸化鉄
■閉塞隅角緑内障の患者
閉塞隅角緑内障の患者は、抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがあることから使用できません。投与しないでください。
■心筋梗塞の回復初期の患者
心筋梗塞の回復初期の患者は、症状を悪化させるおそれがあることから使用できません。投与しないでください。
■てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者は、痙攣を起こすことから使用できません。投与しないでください。
■尿閉(前立腺疾患等)のある患者
尿閉(前立腺疾患等)のある患者は、抗コリン作用により症状が悪化することから使用できません。投与しないでください。
■MAO阻害剤の投与を受けている患者
MAO阻害剤の投与を受けている患者は、発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等があらわれるおそれがあることから使用できません。投与しないでください。
使用に注意が必要な方 ■排尿困難又は眼内圧亢進等のある患者
排尿困難又は眼内圧亢進等のある患者は、抗コリン作用により症状が悪化することがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、用量の減量や投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈(発作性頻拍・刺激伝導障害等)等の心疾患のある患者又は甲状腺機能亢進症(または甲状腺ホルモン剤投与中)の患者
心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈(発作性頻拍・刺激伝導障害等)等の心疾患のある患者又は甲状腺機能亢進症(または甲状腺ホルモン剤投与中)の患者は、循環器系に影響を及ぼすことがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、用量の減量や投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■躁うつ病患者
躁うつ病患者は、躁転、自殺企図があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、用量の減量や投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■脳の器質障害又は統合失調症の素因のある患者
脳の器質障害又は統合失調症の素因のある患者は、精神症状を増悪させることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、用量の減量や投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■衝動性が高い併存障害を有する患者
衝動性が高い併存障害を有する患者は、精神症状を増悪させることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、用量の減量や投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者
自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者は、自殺念慮、自殺企図があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、用量の減量や投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫、神経芽細胞腫等)のある患者
副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫、神経芽細胞腫等)のある患者は、高血圧発作を引き起こすことがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、用量の減量や投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■重篤な肝・腎障害のある患者
重篤な肝・腎障害のある患者は、代謝・排泄障害により副作用があらわれやすいです。観察を十分に行い、慎重に投与してください。
■低血圧のある患者
低血圧のある患者は、高度の血圧低下が起こることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、用量の減量や投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■高度な慢性の便秘のある患者
高度な慢性の便秘のある患者は、抗コリン作用により症状が悪化することがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、用量の減量や投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■三環系抗うつ剤に対し過敏症の患者
三環系抗うつ剤に対し過敏症の患者は、交差過敏反応があらわれるおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、用量の減量や投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■開放隅角緑内障の患者
開放隅角緑内障の患者は、抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、用量の減量や投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■高齢者
高齢者は少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。
■妊婦、産婦、授乳婦等
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましいです。
■小児等
低出生体重児、新生児、乳児又は幼児に対する安全性は使用経験がないことから、確立していません。
上記にあてはまる方は、マプロチリン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 マプロチリン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・痙攣閾値を低下させる薬剤
フェノチアジン誘導体等
・副交感神経刺激剤
ピロカルピン
・ベンゾジアゼピン誘導体
・抗コリン作用を有する薬剤
トリヘキシフェニジル
アトロピン等
・アドレナリン作動薬
アドレナリン
ノルアドレナリン
フェニレフリン等
・アトモキセチン
・フェノチアジン誘導体
レボメプロマジン等
・リスペリドン
・選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
フルボキサミン
パロキセチン等
・テルビナフィン
・中枢神経抑制剤
バルビツール酸誘導体等
・全身麻酔剤
ハロタン
・抗不安剤
ベンゾジアゼピン誘導体等
・アルコール
・サリドマイド
・肝酵素誘導作用をもつ薬剤
バルビツール酸誘導体
フェニトイン等
・アドレナリン作動性神経遮断作用を有する降圧剤
グアネチジン等
・肝初回通過効果を受けやすいβ-遮断剤
プロプラノロール塩酸塩等
・フェニトイン
・電気ショック療法
・抗不整脈剤
キニジン
プロパフェノン
・メチルフェニデート
・シメチジン
・インスリン製剤
インスリン
・スルフォニル尿素系糖尿病用剤
グリベンクラミド
・クマリン系抗凝血剤
ワルファリン
・スルファメトキサゾール.トリメトプリム
・QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤
スニチニブ
ダサチニブ
イミプラミン等
・ゾニサミド
上記を使用している方は、マプロチリン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 マプロチリン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・MAO阻害剤
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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