成分名 |
フルトプラゼパム |
適応症状 |
神経症または心身症における不安、緊張、抑うつ、易疲労性、睡眠障害など |
簡易説明 |
フルトプラゼパムは、ベンゾジアゼピン系に分類される、抗不安薬の一種です。
気分をリラックスさせる作用がある薬です。
不安や緊張をやわらげる、寝つきをよくするなどの効果があります。
様々な神経症やうつ病などの心の不調や、心身症と言われる様々な体の不調に対しても処方されることがあります。
具体的な病気の名前として、パニック障害、不安神経症、自律神経失調症、うつ病、更年期障害、不眠症、統合失調症などが挙げられます。
病気の名前こそありませんが、ストレスで胃腸の調子が悪くなる、緊張から動悸がする、生理不順になるなどの精神的な原因から引き起こされる症状に対して処方されることもあります。
この他に、筋肉の緊張をほぐす作用(筋弛緩作用)も持っていることから、緊張型の頭痛や頚椎症、肩こりや腰痛など、整形外科的な病気にも処方されることがあります。
比較的重い副作用が出にくく安全性が高いとされおてり、様々な病院で処方されている薬です。
ただし、連用による薬物依存性が確認されており、長期服用や、長期服用後の中止については離脱症状に注意する必要があります。 |
処方可能な診療科目 |
心療内科/精神科/内科 |
健康保険の適応 |
健康保険適応あり |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :およそ1000円
薬代1錠あたりの目安:レスタス錠2mg 16.4円/錠
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
それぞれの病院によって差が有り、薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
また、それぞれ加入の健康保険の負担額の割合によっても異なります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1986年6月販売開始 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません |
関連製品(先発薬) |
レスタス(日本ジェネリック)原料調達の問題から2022.10.19現在販売中止中(販売再開時期未定) |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません |
効果・作用 |
抗不安薬であるフルトプラゼパムですが、世間では精神安定剤ともいわれています。
フルトプラゼパムはベンゾジアゼピン系抗不安薬に分類され、GABAと言われる脳の神経伝達物質の働きを強めることによって不安を緩和する作用があります。
そもそも神経伝達物質とは、それぞれの神経伝達物質とその受容体が合わさることによって我々は活動しています。
神経伝達物質と神経伝達物質受容体は、ちょうど鍵と鍵穴のような関係で、他の神経伝達物質同士とは合わさることはありません。
GABAとは、脳の異常な興奮を抑える働きをしている神経伝達物質です。
GABAが脳神経のGABA受容体に合わさることで脳神経の働きが抑制されます。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、このGABA受容体に合わさる作用を強める働きがあり、それによりリラックス効果をもたらします。
GABA受容体には5種類あります。①気持ちをリラックスさせる働き ②不安をやわらげ、緊張をほぐす働き ③⑤筋肉をほぐす働き ④については詳細はまだはっきり分かっていません。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬がこの5種類のうちどこにどの程度作用するかによって、薬の効果や副作用の特徴が変わります。
抗不安薬は薬の作用時間による分類、不安を緩和する効果の強さによる分類、薬の強さによる分類の3つの分類があります。
①作用時間による分類:薬を飲むと、胃や腸から吸収されます。その後時間の経過とともに体の中で分解され、やがて尿などに混ざって体の外に出されます。薬の血液中の濃度はそれに応じて増減しますが、その濃度がピーク時の半分に低下するまでの時間を半減期と呼び、その半減期をもとに分類したものです。フルトプラゼパムは超長期作用型の抗不安薬とされています。
②不安を緩和する効果の強さによる分類:強い、中程度、弱いの3段階で評価されており、フルトプラゼパムは「強い」に分類されています。
③薬の強さによる分類:ジアゼパムを基準として、それぞれの薬の強さを数値化し比較した分類です。フルトプラゼパムは1.67とされておりジアゼパムよりは強いということにはなりますが、16種類あるベンゾジアゼピン系抗不安薬のうち下から6番目相当です。
この3つの分類がありますが、治療のには一般的に①の作用時間による分類が用いられています。他の2つは患者さんにわかりやすく説明する為に用いられることが多いです。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬は即効性があり、またその効果から長期連用にいたる危険性があります。アメリカのガイドラインでは4週を超えて服用しないことと明記されるほど、依存が起こりやすいことが問題点です。普段の日常生活でのストレスやイライラなどを解消する為に安易に服用するのではなく、あくまで症状に対して必要な場合に必要最低限の期間にとどめる努力が必要です。薬以外にも心理療法や自律神経訓練法も併用するなども効果的とされています。
生活上の注意として、薬剤の添付文書に眠気や集中力・反射運動能力などの低下が起こる可能性があるので、車の運転や危険な作業を伴う仕事には従事させないことと明記されています。医師の指示に従うようにしましょう。
また、お酒を飲むと薬の副作用が強まる可能性があります。アルコールも控えるようにしましょう。
薬を服用する他に、休養やリフレッシュ、生活環境の調整も合わせておこなうことも、治療には大切です。焦らずゆっくり自分と向き合いましょう。 |
使用方法 |
大人に対してはフルトプラゼパムとして2~4mg/日を1~2回に分けて内服します。
年齢や症状に合わせて適宜量を調整しますが、高齢者に対しては1日4mgを最大用量とします。 |
副作用 |
重大な副作用
依存性:長い期間続けて飲み続けることにより、薬の依存が起きることがあります。服用中の観察十分に行い、服用する用量や期間に注意が必要です。
続けて服用したのちに急激な減少や中止により、けいれん発作やせん妄、手が震える、不眠、不安、幻覚などの離脱症状があらわれることがあります。服用を中止する場合には、少しずつ減量するなど慎重に行わなければなりません。
その他の副作用
総症例10794例中558例(5.2%)に副作用が出現
1~5%未満に眠気、0.1~1%未満ではふらつき、めまい、頭痛、便秘、のどが渇く、疲れやすい、だるい、脱力感など、0.1%未満では眼の調節障害、気持ちが悪い、食欲がない、下痢、発疹などが挙げられています。
どの副作用に対しても、出現が認められた場合には服用を中止するのが原則です。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・フルトプラゼパムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、レスタス錠はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼レスタス錠の有効成分
フルトプラゼパム
▼代表薬の添加物
乳糖水和物、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム
・急性閉塞隅角緑内障の患者(薬の抗コリン作用から眼圧が上昇し、症状を悪化させる可能性があるため)
・重症筋無力症の患者(薬の筋弛緩作用から、症状が悪化する可能性があるため)
使用に注意が必要な方 【慎重投与】
心臓病の患者さん、肝臓や腎臓の病気の患者さん、脳の器質的障害がある患者さん、子供、高齢者、体力が低下している方、中等度以上の呼吸障害がある患者さんに対しては、必要性を十分に検討し慎重に処方する必要があります。
特に高齢者では、運動機能に関連した副作用が出やすいため、少量から服用をはじめるなどの対応が必要です。
妊娠中の方にしては、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとされています。妊娠中の場合、その服用する時期によって異なる新生児の奇形が報告されています。妊娠前期では奇形児の出産例、後期のでは新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、過緊張、呼吸抑制、振戦、低体温、頻脈などの報告例があります。分娩前に薬を連用した場合、出産後の新生児に離脱症状があらわれる例も報告されており、妊娠中の服用はより慎重に検討する必要があります。
授乳中の方については、やむをえず服用する場合には、授乳を避ける必要があります。授乳により赤ちゃんの体内に薬の成分が移行し、眠りすぎる、体重が減る、黄疸が強く出るなどの症状があらわれることがあります。
小児に対する安全性は確率されていません
上記にあてはまる方は、フルトプラゼパムを使用する事が出来ない可能性があります。 フルトプラゼパムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ①中枢神経抑制剤(お互いに薬の作用が強くなると考えられます)
代表薬:クロルプロマジン、イソミタール、フェノバール、エフピー
②シメチジン(同時に服用すると、フルトプラゼパムの作用時間が長くなります)
③オメプラゾール(薬が効きにくくなります)
④マプロチリン塩酸塩(お互いに薬の作用が強くなったり、マプロチリンの効果の判定がしにくくなるなどが考えられます。)
⑤ダントロレンナトリウム水和物(薬の効果が強くなると考えられます)
上記を使用している方は、フルトプラゼパムを使用する事が出来ない可能性があります。 フルトプラゼパムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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