セコバルビタールナトリウム

成分名

セコバルビタールナトリウム

適応症状

不眠症/麻酔前投薬/全身麻酔の導入/不安緊張状態の鎮静

簡易説明

セコバルビタールナトリウムは、鎮静催眠作用により、寝つきをよくするはたらきがあります。気持ちをおちつかせ、不安や緊張をやわらげます。
通常、不眠症、麻酔前投薬、全身麻酔の導入、不安緊張状態の鎮静に用いられます。
麻酔の前の気分を落ち着かせ、寝つきをよくしたり、不安や緊張をしずめます。静脈内または筋肉内にする注射剤です。

処方可能な診療科目

内科/心療内科/精神神経科/精神科/麻酔科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
注射用アイオナール・ナトリウム(0.2) 228円/瓶(薬価)
*病院によって差が有り。初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1962年4月認可

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

注射用アイオナール・ナトリウム(0.2) 【製薬メーカー:日医工】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

セコバルビタールナトリウムは、1934年に米国で特許を取得した短時間作用型バルビツール酸誘導体薬です。麻酔、抗けいれん、抗不安、鎮静、および催眠の特性を持ちます。英国では、キナルバルビタールとして知られていました。米国内において医師による自殺幇助で最も頻繁に使用される薬です。セコバルビタールは、時代遅れの鎮静催眠薬(睡眠薬)と見なされており、その結果、ベンゾジアゼピンファミリーに大きく取って代わられています。セコバルビタールナトリウムは広く乱用され、路上では「赤い悪魔」または「赤」として知られています。
2017年、カナダではセコバルビタールが医師による自殺幇助に利用できるようになりました。

効果・作用

セコバルビタールナトリウムは、催眠鎮静剤で、バルビツール酸誘導体と呼ばれるグループに属するお薬です。
脳の過剰な興奮をしずめることにより、寝つきをよくし、不安や緊張をやわらげる働きがあります。
不眠症・麻酔前投薬・不安緊張状態の鎮静等で使用される、尿素と脂肪族ジカルボン酸とが結合した環状の化合物であるバルビツール酸系の短時間作用型の睡眠薬で、脳の覚醒を抑えて眠りやすくしたり、不安や緊張を鎮めたりする効果があります。
睡眠障害は、脳の大脳皮質や脳幹が過度に覚醒している状態などによっても起こるため、大脳皮質や脳幹に作用して脳の覚醒を抑えることで、眠気や鎮静作用をあらわします。
「セコバルビタールナトリウム」は依存や耐性が生じることもあり、血中濃度の上昇に伴い呼吸中枢や血管中枢などへの抑制作用が増強することから、過量投与になると呼吸麻痺などの重篤な症状を引き起こすこともあります。
また、中断によって、せん妄・痙攣発作などの離脱症状が生じることがある為、睡眠改善目的での使用は限定的となっており、慢性的な不眠の改善に使われる睡眠薬としては、セコバルビタールナトリウムに比べ依存や耐性などの懸念がより少ない、ベンゾジアゼピン系睡眠薬や非ベンゾジアゼピン系睡眠薬などが主流になっています。
麻酔科領域では鎮静作用を利用して麻酔前投薬としてのみ使用されます。内服薬が存在しないこと、呼吸抑制、習慣性とも強いことから、神経・精神科領域でも用いられる頻度は低です。

使用方法

▼用法用量
・成人には1回100~200mg(5%溶液2~4mL)を徐々に静脈内注射や筋肉内注射します。なお、症状や年齢によって適宜増減しますが、総量500mg(5%溶液10mL)を超えないことが望ましいです。
▼重要な基本的注意
・本剤の投与中の患者には自動車の運転や危険を伴う機械の操作をさせないようにしてください。また、連用することで薬物依存を生じる可能性があり、漫然とした継続投与による長期使用を避けて、投与を継続する場合は十分に治療上の必要性を検討してください。

副作用

重大な副作用
▼皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
発熱、皮膚・粘膜の発疹又は紅斑、壊死性結膜炎等があらわれることがあります。
▼チアノーゼ、呼吸抑制(0.1~5%未満)
▼薬物依存(頻度不明)
連用により薬物依存を生じることがあります。観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与してください。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、不安、不眠、痙攣、悪心、幻覚、妄想、興奮、錯乱又は抑うつ状態等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には徐々に減量するなど、慎重に行ってください。

その他の副作用
・発疹等
・知覚異常、構音障害、精神機能低下、せん妄、昏迷又は運動失調
・ヘマトポルフィリン尿、蛋白尿、低カルシウム血症
・巨赤芽球性貧血
・悪心.嘔吐
・眠気、頭重感、めまい、脈拍異常、興奮、腱反射亢進、痙攣、口渇

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■バルビツール酸系化合物に対し過敏症の患者
バルビツール酸系化合物に対し過敏症の患者には投与しないでください。
■急性間歇性ポルフィリン症の患者
急性間歇性ポルフィリン症の患者には酵素誘導によりポルフィリン合成を促進して、症状を悪化させるおそれがある為、投与しないでください。

使用に注意が必要な方
■心障害を有する患者
心障害を有する患者には治療上やむを得ないと判断される場合を除き投与しないでください。バルビツール酸系化合物を大量投与した場合、血管拡張作用、心拍出量の減少が知られており、血圧下降が増強されるおそれがあります。
■呼吸機能の低下している患者
呼吸機能の低下している患者は呼吸中枢抑制作用により、症状を悪化させるおそれがあります。治療上やむを得ないと判断される場合を除き投与しないでください。
■虚弱者
虚弱者は呼吸抑制を起こすことがある為、治療上やむを得ないと判断される場合を除き投与しないでください。また、離脱症状に特に注意してください。
■頭部外傷後遺症又は進行した動脈硬化症等の脳の器質障害のある患者
頭部外傷後遺症又は進行した動脈硬化症等の脳の器質障害のある患者は中枢作用が増強されるおそれがあります。治療上やむを得ないと判断される場合を除き投与しないでください。
■アルコール中毒、薬物依存の傾向又は既往歴のある患者、重篤な神経症患者
アルコール中毒、薬物依存の傾向又は既往歴のある患者、重篤な神経症患者には、連用により薬物依存が生じることがある為、治療上やむを得ないと判断される場合を除き投与しないでください。
■肝機能障害患者
肝機能障害患者には代謝・排泄の遅延により副作用発現のおそれがあります。治療上やむを得ないと判断される場合を除き投与しないでください。
■腎機能障害患者
腎機能障害患者には代謝・排泄の遅延により副作用発現のおそれがあります。治療上やむを得ないと判断される場合を除き投与しないでください。
■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。新生児の出血傾向、呼吸抑制等を起こすことがあります。
分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状(多動、振戦、反射亢進、過緊張など)があらわれることがあります。
■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討してください。
■小児等
呼吸抑制を起こすことがあります。
■高齢者
高齢者は一般的に生理機能が低下していることや、呼吸抑制を起こすことがあるため、薬を減らす場合は離脱症状に注意してください。
上記にあてはまる方は、セコバルビタールナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
セコバルビタールナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

上記にあてはまる方は、セコバルビタールナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
セコバルビタールナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・アルコール(飲酒)
・抗不安薬
・抗精神病薬
・催眠鎮静薬
・抗うつ薬
・抗ヒスタミン薬
・抗パーキンソン薬
・解熱鎮痛薬
・チアジド系薬物
・クラーレ様物質
・ジスルフィラム
・クマリン系抗凝血薬
・ドキシサイクリン

上記を使用している方は、セコバルビタールナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
セコバルビタールナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
向精神薬を使用するにあたり規制はありますか?

向精神薬は、その乱用の危険性及び治療上の有用性により第1種から第3種までの3種類に分類され、それぞれの規制内容が異なります。
セコバルビタールナトリウムは第1種向精神薬に該当します。

向精神薬と麻薬はどう違うのですか?

「向精神薬」は麻薬と同様に中枢神経系に作用して精神機能に影響を及ぼす薬物のうち、依存性があり、かつ乱用された場合に有害作用が麻薬、覚せい剤より低いものをいいます。ある種の睡眠薬・精神安定剤・鎮痛剤が該当します。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。