成分名 |
安息香酸ナトリウムカフェイン |
適応症状 |
ねむけ、倦怠感、頭痛など |
簡易説明 |
安息香酸ナトリウムカフェインはキサンチン系の中枢興奮・鎮痛剤に分類されています。
アンナカ「ホエイ」(以下、本剤)がマイラン製薬が1953年に上市し、現在は、ヴィアトリス製薬が販売しています。
安息香酸ナトリウムカフェインは日本薬局方(厚生労働大臣が定めた医薬品の規格基準書。繁用されている医薬品が中心に掲載されています)に収載されているほか、一般用医薬品のかぜ薬や眠気覚ましなどにも含まれています。 |
処方可能な診療科目 |
内科、精神科、心療内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:300円(10円(*)×30日)
(*)薬剤費は1円単を四捨五入し、10円1点で計算しますが、薬価10円以下の薬剤費は全て1点として計算されます。
薬代1gあたりの目安:7.30円
薬代後発品1gの目安:7.30円~8.60円(安息香酸ナトリウムカフェイン原末「マルイシ」)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
製造販売承認年月日:1986年2月25日 |
国内のジェネリック認可 |
国内ジェネリック認可あり |
関連製品(先発薬) |
アンナカ「ホエイ」【製薬メーカー:ヴィアトリス製薬株式会社】
【安息香酸ナトリウムカフェインを含む一般用医薬品】(2023年1月現在)
・ザイルシロップ小児用(指定第二類医薬品):かぜ薬(小児用液剤)【製薬メーカー:中外医薬生産株式会社】
・ザ・リンクフィル(第三類医薬品):その他女性用薬(錠剤)【製薬メーカー:株式会社富山常備薬グループ】
・ハイエナル"88"内服液、コーヒー風味(第三類医薬品):眠気防止薬(液剤)【製薬メーカー:米田薬品株式会社】
・三和生薬ぜんそく散(指定第二類医薬品):鎮咳去痰薬(散剤)【製薬メーカー:三和生薬株式会社】
・新コルゲンコーワ咳止め透明カプセル(指定第二類医薬品):鎮咳去痰薬(カプセル剤)【製薬メーカー:興和株式会社】
・新小児用ニギンS(指定第二類医薬品):かぜ薬(小児用液剤)【製薬メーカー:中外医薬生産株式会社】
・新小児用パラローンS(指定第二類医薬品):かぜ薬(小児用液剤)【製薬メーカー:中外医薬生産株式会社】
※一般用医薬品のリスク分類
・第一類医薬品:その副作用等により日常生活に支障をきたす程度の健康被害を生ずるおそれのある医薬品であって、その使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するもの
新一般用医薬品として承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないもの
・第二類医薬品:その副作用等により日常生活に支障をきたす程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品であって厚生労働大臣が指定するもの(第一類医薬品を除く)
・指定第二類医薬品:第三類医薬品のうち、特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するもの
・第三類医薬品:第一類、第二類以外の一般用医薬品(日常生活に支障をきたす程度ではないが、身体の変調・不調がおこるおそれのあるもの) |
関連製品(ジェネリック) |
安息香酸ナトリウムカフェイン「ケンエー」【製薬メーカー:健栄製薬株式会社】
安息香酸ナトリウムカフェイン原末「マルイシ」【丸石製薬株式会社】 |
効果・作用 |
本剤の薬理作用は主にカフェインによります。
カフェインは中枢の大脳皮質に働き、感覚受容能や精神機能を高める働きをします。また、脳の血流量や脳脊髄圧の低下させるなどの働きもあります。この働きにより、本剤は、中枢興奮作用、頭痛緩解作用による、ねむけ、倦怠感や頭痛を改善します。
本剤を過量投与すると、上記の薬理作用が増強され、消化器症状(吐き気、嘔吐等)、循環器症状(不整脈、血圧上昇等)、精神神経症状(痙攣、昏睡)、呼吸器症状(呼吸促進、呼吸麻痺等)などが悪化することがあります。このような興奮状態になったときは、ジアゼパム(注射剤)、フェノバルビタール(注射剤)などの中枢神経を抑える薬を使い、呼吸管理を行います。
本剤の臨床試験による有効性は添付文書等に記載はありませんが、日本頭痛学会が作成した。「頭痛の診療ガイドライン2021」には、カフェインとしての有効性が記載されています。※カフェイン類という記載で、安息香酸ナトリウムカフェインの記載ではありません(無水カフェインの他コーヒーも含まれています)。
この中で、カフェインは「穏やかな興奮薬であり、血管拡張作用により片頭痛を楽にすると考えられており、急性期の代替療法として使用されている」と記載されています。また、カフェイン単独での明確なエビデンスはないが、アセトアミノフェン・アスピリン・カフェイン配合剤(以下、3剤配合剤)が片頭痛の急性期治療に有効でであると報告されています。このカフェイン類の働きにより緊張型頭痛、睡眠時頭痛(予防含む)、小児・思春期の慢性連日性頭痛、低髄液圧による頭痛などにその有効性が示されています。
一方、カフェインの過剰摂取は片頭痛を誘因するなどの危険因子となるため、200mg/日以上の連用には注意が必要とされています。また、依存性に対する注意も記載されています。
また、当ガイドラインには一般用医薬品に含まれるカフェイン類についても記載があります。カフェインは上記3剤配合剤の効果が紹介されていますが、アセトアミノフェンのような鎮痛剤の効果を高めるための補助剤とされています。
※ガイドラインは厚生労働省、PMDA等とは異なる独立した組織(学会等)が作成しています。このため、一部添付文書等の公的文書とは異なる記載も含まれています。 |
使用方法 |
1回100mg~600mgを1日2~3回に分けて飲みます。 |
副作用 |
主な副作用
頻脈、期外収縮、振戦、耳鳴、不眠、不穏
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■安息香酸ナトリウムカフェインを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
使用に注意が必要な方 ・胃潰瘍の方、以前胃潰瘍になった方:胃酸分泌を促進するため。
・心疾患のある方:徐脈や頻脈をおこすことがあるため。
・緑内障の方:症状が悪化するおそれがあるため。
・妊婦:胎児に移行するおそれがあるため。
・授乳婦:母乳に移行するため。
・高齢者:生理機能が低下しているため。
上記にあてはまる方は、安息香酸ナトリウムカフェインを使用する事が出来ない可能性があります。 安息香酸ナトリウムカフェインを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 他のキサンチン系薬剤(アミノフィリン水和物、ジプロフィリン、テオフィリン等)、中枢神経興奮薬(エフェドリン塩酸塩、マオウ等):中枢神経刺激作用があらわれることがあります。
MAO阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩):頻脈、血圧上昇等があらわれることがあります。
シメチジン:過度の中枢神経刺激作用があらわれることがあります。
上記を使用している方は、安息香酸ナトリウムカフェインを使用する事が出来ない可能性があります。 安息香酸ナトリウムカフェインを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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