ルラシドン塩酸塩

成分名

ルラシドン塩酸塩

適応症状

統合失調症
双極性障害におけるうつ症状の改善

簡易説明

統合失調症は感情や思考をまとめることが上手くできなくなる病気です。主に、統合失調症、双極性障害におけるうつ症状の改善に使用されます。作用としては、脳内のセロトニン5-HT2受容体やドパミンD2受容体などの拮抗作用により「妄想、幻覚、感情や意欲の障害」の陰性症状、「思考の混乱、幻覚症状、妄想」などの改善します。また、薬剤によっては認知症の周辺症状などへ使用することもあります。

処方可能な診療科目

内科/精神科/心療内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~5,000円
薬代1錠20mgあたりの目安:1錠20mg約174.2円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月 : 2020年6月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外のみ)

関連製品(先発薬)

ラツーダ錠20mg/40mg/60mg/80mg【製薬メーカー:住友ファーマ】

関連製品(ジェネリック)

Latuda tablet, film coated 60mg/80mg/120mg (NDA)【製薬メーカー:REMEDYREPACK INC.】
Latuda tablet, film coated 20mg/60mg/80mg/120mg (NDA)【製薬メーカー:REMEDYREPACK INC.】
Lurasidone Hydrochloride tablet, film coated 20mg/60mg/80mg/120mg (ANDA)【製薬メーカー:Alembic Pharmaceuticals Limited】
Lurasidone Hydrochloride tablet, film coated 20mg/80mg/120mg (ANDA)【製薬メーカー:Torrent Pharmaceuticals Limited】

効果・作用

非定型抗精神病薬の中でもSDAに分類されている薬です。中脳皮質系のセロトニン5-HT2A受容体の遮断作用によって陰性症状を改善する効果があり、中脳辺縁系のドパミンD2受容体の遮断作用によって陽性症状を改善すると考えられています。また、うつ症状には「5-HT1A受容体、セロトニン5-HT7受容体」が関係していることがわかっており、5-HT7受容体遮断作用と、5-HT1A受容体部分作動によって症状を改善すると考えられています。

▼特徴
ドパミン受容体とセロトニン受容体に選択的に作用する
抗ヒスタミン作用や抗コリン作用がわずか
双極性障害のうつ状態にしっかりとしたエビデンスがある
陰性症状や認知機能の改善にも効果が期待できる
鬱に効果が期待できる
鎮静作用が少なく賦活作用が期待できる

▼作用機序
ルラシドンは、セロトニン5-HT2A、ドパミンD2受容体、5-HT1Aまたは、5-HT7受容体に対して結合親和性を示します。セロトニン5-HT2Aアンタゴニスト作用、ドパミンD2受容体アンタゴニスト作用、5-HT7受容体アンタゴニスト作用及びセロトニン5-HT1A受容体部分アゴニスト作用を併せ持ち、この薬理作用が臨床における有用性に寄与しているものと考えられてます。

▼統合失調症とは
感情変化、認知機能障害、思考障害と情緒不安定な緊張性の行動を特徴とする精神障害。「陽性症状」と「陰性症状」の症状があります。
陽性症状⇒妄想や幻覚など
陰性症状⇒社会能力の欠乏、情動の平板化、感情鈍麻性、意欲低下、感情表現が乏しいなど
発症年齢は、一般的には10代後半から20代前半で、原因はさまざまで、遺伝的、環境的要因の両方が関係していると考えられています。

▼発症原因
陽性症状⇒神経伝達物質ドパミンの量が中脳辺縁系で過剰になってる状態です。ドパミンがドパミンD2受容体に作用することで陽性症状が発症すると考えられています。
陰性症状⇒中脳皮質系でドパミンの機能が低下していることが知られています。

▼他の非定型抗精神病薬(セロトニン・ドパミン拮抗薬)
リスパダール
インヴェガ
ゼプリオン水懸筋注 ゼプリオンTRI水懸筋注
ルーラン
ロナセン

使用方法

「統合失調症の場合」
成人には40mgを1日1回食後経口投与するしてください。
※年齢、症状により適宜増減しますが、1日量は80mgを超えないようにしてください。

「双極性障害でのうつ症状の改善の場合」
成人には20~60mgを1日1回食後経口投与してください
※開始用量は20mg。増量幅は1日量として20mgまでとします。
※年齢、症状により適宜増減しますが、1日量は60mgを超えないようにしてください。

【用法用量に関連する注意】
〈統合失調症〉
忍容性が確認され、効果不十分な場合にのみ増量を検討してください。
(投与量は必要最小限となるよう、慎重に観察しながら調節してください)

副作用

主な副作用
ルラシドン塩酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
ルラシドン塩酸塩を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

アカシジア、静坐不能、ジスキネジア、疼痛、脱力、そう痒、じん麻疹、湿疹、発疹、血管浮腫、顔面腫脹

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

遅発性ジスキネジア、ミオクローヌス発作、頻尿、口周部不随意運動、不随意運動、高血糖、白血球減少、悪性症候群、無動緘黙、脱力感、口渇、強度筋強剛、嚥下困難、頻脈、腎機能低下、血圧変動、発汗、発熱、白血球増加、血清CK上昇、CK上昇、ミオグロビン尿、高熱が持続、呼吸困難、尿中ミオグロビン上昇、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害、痙攣、糖尿病性昏睡、強直間代性痙攣、部分発作、糖尿病性ケトアシドーシス、高血糖悪化、糖尿病悪化、多飲、多尿、肺塞栓症、深部静脈血栓症、意識障害、静脈血栓症、血栓塞栓症、息切れ、胸痛、四肢疼痛、浮腫、横紋筋融解症、筋肉痛、血中ミオグロビン上昇、無顆粒球症

その他の副作用
不安、傾眠、月経異常、不眠、頭痛、浮動性めまい、激越、攻撃性、リビドー減退、幻覚、妄想、悪夢、鎮静、抑うつ、上腹部痛、自傷行為、自殺企図、落ち着きのなさ、振戦、自殺念慮、易刺激性、ジストニア、パーキンソニズム、筋固縮、運動緩慢、流涎過多、眼球回転発作、構語障害、筋緊張、筋痙縮、錐体外路障害、心電図異常、QT延長、PR短縮、房室ブロック、体重減少、血圧上昇、動悸、徐脈、血小板減少、好中球減少、プロラクチン上昇、甲状腺機能異常、舌腫脹、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、乳汁分泌、悪心、嘔吐、便秘、腹部不快感、胃腸障害、口内乾燥、腹痛、食欲亢進、肝障害、食欲減退、消化不良、腹部膨満、胃炎、下痢、ALT上昇、AST上昇、肝機能異常、ビリルビン上昇、排尿困難、尿蛋白陽性、多汗、熱感、疲労、筋力低下、筋骨格硬直、胸内苦悶感、胸部圧迫感、背部痛、耐糖能異常、体重増加、排尿異常、血糖上昇、HbA1c上昇、尿糖陽性、脂質異常症、多飲症、摂食障害、拒食、過食、咳嗽、鼻咽頭炎、アレルギー性鼻炎、色素沈着、突然死、脱毛、霧視、回転性めまい、糖尿病、過敏症、咽頭浮腫、失神、パニック発作、末梢性浮腫、眉間反射異常、錐体外路症状、開口障害、舌痙攣、嚥下障害、運動低下、斜頚、脳血管発作、狭心症、起立性低血圧、貧血、乳房腫大、乳房痛、勃起不全、腎不全、低ナトリウム血症

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ルラシドン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ラツーダは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ラツーダの有効成分
ルラシドン塩酸塩
▼代表薬の添加物
D-マンニトール、部分アルファー化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、ヒプロメロース、ステアリン酸マグネシウム、マクロゴール6000、酸化チタン、カルナウバロウ

妊婦/授乳者
過敏症
昏睡状態
中枢神経抑制剤の強い影響下
CYP3A4を強く阻害する薬剤投与中
アドレナリン投与中<アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く>
CYP3A4を強く誘導する薬剤投与中

使用に注意が必要な方
高齢者
新生児/乳児/幼児/小児
中等度以上の腎機能障害
中等度以上の肝機能障害
痙攣性疾患
高血糖
自殺企図
自殺念慮
脱水状態
低血圧
てんかん
糖尿病
パーキンソン病
肥満
不整脈
栄養不良状態を伴う身体的疲弊
脱水を伴う身体的疲弊
先天性QT延長症候群
心・血管疾患
中等度以上の腎機能障害
長期臥床
糖尿病の危険因子を有する
レビー小体型認知症
不動状態
中等度以上の肝機能障害
1.2mg/dL<Cr≦2.0mg/dLの双極性障害/統合失調症の女性
1.4mg/dL<Cr≦2.4mg/dLの双極性障害/統合失調症の男性
30mL/min≦CLcr<50mL/minの双極性障害/統合失調症
Child−Pugh分類Bの双極性障害/統合失調症/統合失調症
CLcr<30mL/minの双極性障害/統合失調症
Cr>2.0mg/dLの双極性障害/統合失調症の女性
Cr>2.4mg/dLの双極性障害/統合失調症の男性
重度肝機能障害の双極性障害/統合失調症
重度腎機能障害の双極性障害/統合失調症
中等度肝機能障害の双極性障害/統合失調症
中等度腎機能障害の双極性障害/統合失調症

上記にあてはまる方は、ルラシドン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ルラシドン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
アゾール系抗真菌剤<経口剤・口腔用剤・注射剤>
イトラコナゾール
ボリコナゾール
ミコナゾール<経口剤・口腔用剤・注射剤>
フルコナゾール
ホスフルコナゾール
ポサコナゾール
HIVプロテアーゼ阻害剤
リトナビル
ロピナビル・リトナビル配合剤
ネルフィナビル
ダルナビル
アタザナビル
ホスアンプレナビル
コビシスタットを含有する製剤
クラリスロマイシン
薬物代謝酵素<CYP3A4>を阻害する薬剤
ジルチアゼム
エリスロマイシン
ベラパミル
リファンピシン類
フェニトイン
肝薬物代謝酵素<CYP3A4>を誘導する薬剤
カルバマゼピン
バルビツール酸誘導体
ボセンタン
エファビレンツ
エトラビリン
モダフィニル
アドレナリン<アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く>
中枢抑制剤
エタノール摂取
ドパミン作動薬
レボドパ
ブロモクリプチン
セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)を含むもの
グレープフルーツ
アルコールを含むもの<ジン、ウオッカ、ラム、ウイスキー、ブランデー など>

上記を使用している方は、ルラシドン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ルラシドン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
服用中に気を付けることはありますか?

双極性障害におけるうつ症状の改善の場合⇒うつ病やうつ状態の人は死んでしまいたいと感じることがありますので十分な観察が必要です。

患者向医薬品ガイド

【上記引用元:住友ファーマ株式会社】

副作用の初期症状としてはなにがありますか?

筋肉のこわばり、手足のふるえ、けいれん、のどが渇く、水を多く飲むなどがあげられますのでご注意ください。

ラツーダ錠20mg

【上記引用元:住友ファーマ株式会社】

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。