プロペリシアジン

成分名

プロぺリシアジン

適応症状

統合失調症

簡易説明

統合失調症の陽性症状(幻覚・妄想など)に対して、補助的にアプローチします。過剰に分泌されたドーパミンを抑制することによって陽性症状の改善が期待できる薬です。鎮静作用も強く、攻撃性や衝動性、不穏時などに使用されます。錐体外路症状や高プロラクチン血症の副作用が、第一世代の抗精神病薬の中では比較的少ないとされています。現在は第一選択として使われることはほとんどなく、第二世代の非定型抗精神病薬の補助薬として使われることが多くなっています。

処方可能な診療科目

精神科/心療内科など

健康保険の適応

健康保険適用

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料の目安:1,000~2,000円
薬代の目安:
 ニューレプチル錠5mg/5.7円(高田製薬)
 ニューレプチル錠10mg/5.9円(高田製薬)
 ニューレプチル錠25mg/10.9円(高田製薬)
 ニューレプチル細粒10%/42円(高田製薬)
 ニューレプチル内服液1%/12.1円(高田製薬)
病院によって差があり、薬代の他に初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1964年8月発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリックはありません。

関連製品(先発薬)

ニューレプチル錠5mg(高田製薬)
ニューレプチル錠10mg(高田製薬)
ニューレプチル錠25mg(高田製薬)
ニューレプチル細粒10%(高田製薬)
ニューレプチル内服液1%(高田製薬)

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリックはありません。

効果・作用

本剤は、古くから使用されている第一世代の抗精神病薬(定型抗精神病薬)です。
主に統合失調症の方に処方されますが、鎮静作用が強く攻撃性の強い方に今でも処方されることがあり、認知症やせん妄にも使われることがあります。
ドーパミンの量を調節することで、統合失調症の症状を改善させる薬です。統合失調症のメカニズムや原因は、はっきりわかっていないことが多いです。
しかし、脳内で引き起こされる何かによってドーパミンのバランスが崩れたりして脳内での情報伝達がうまくいかなくなり、情報の統合が難しくなるのではないかと考えられています。陽性症状では幻覚や妄想があり、陰性症状では意欲低下などがみられます。陽性症状ではドーパミンの過剰分泌、陰性症状ではドーパミンの不足があるとされています。
本剤は過剰なドーパミンを遮断する作用があります。これによって陽性症状である幻覚や妄想を抑制します。ノルアドレナリンも遮断する作用ももっており、攻撃性や衝動性を和らげる働きがあります。その他の受容体にも作用し、鎮静作用が強い薬として使用されます。また抗精神病薬の中ではドーパミン遮断による副作用が比較的少なく、錐体外路症状(そわそわする・筋肉のこわばり・ふるえ)や高プロラクチン血症(乳汁分泌・生理不順・性欲低下・性機能障害)の副作用は少ないといわれています。

使用方法

錠剤、細粒、内服液ともに、成人にはプロペリシアジンとして、1日10〜60mgを分割経口投与します。なお、年齢、症状により適宜増減します。
内服液に関しては、誤用(過量を飲み込むなど)の危険を避けるため、原液のままは避け、1回の服用量を水、ジュース又は汁物等に混ぜて、コップ一杯くらいに、必ず希釈して使用することとされています。
希釈後はなるべく速やかに使用してください。
添付のスポイトの目盛はそれぞれ約0.5mL、1mL、2mL、3mLに相当します。

副作用

主な副作用
体重増加・女性化乳房・乳汁分泌・月経異常・糖尿・射精不能・筋強剛・食欲不振・悪心・嘔吐・便秘がみられます。

重大な副作用
遅発性ジスキネジー・悪性症候群・無動緘黙・強度筋強剛・嚥下困難・頻脈・血圧変動・発汗・発熱・白血球増加・血清CK上昇・血清CPK上昇・ミオグロビン尿・腎機能低下・高熱が持続・意識障害・呼吸困難・循環虚脱・脱水症状・急性腎障害・突然死・血圧降下・心電図異常・QT間隔延長・T波平低化・T波逆転・二峰性T波出現・二峰性U波出現・QT部分に変化・再生不良性貧血・無顆粒球症・白血球減少・角膜混濁・水晶体混濁・網膜色素沈着・角膜色素沈着・SLE様症状・肺塞栓症・深部静脈血栓症・静脈血栓症・血栓塞栓症・息切れ・胸痛・四肢疼痛・浮腫・麻痺性イレウス・腸管麻痺・著しい便秘・腹部膨満・腹部弛緩・腸内容物うっ滞・抗利尿剤hホルモン不適合分泌症候群・SIADH・低ナトリウム血症・低浸透圧血症・尿中ナトリウム排泄量増加・高張尿・けいれんなどがみられることがあります。

その他の副作用
ジスキネジー・口周部不随運動・不随運動・過敏症状・光線過敏症・白血球減少症・顆粒球減少症・血小板減少性紫斑病・不整脈・心疾患悪化・食欲亢進・舌苔・下痢・錐体外路症状・パーキンソン症候群・手指振戦・流延・四肢不随運動・ジストニア・眼球上転・眼瞼痙攣・舌突出・痙性斜頸・頚後屈・体感側屈・後弓反張・アカシジア・静座不能・縮瞳・眼圧亢進・視覚障害・持続勃起・錯乱・不眠・めまい・頭痛・興奮・易刺激・口渇・鼻閉・倦怠感・尿閉・無尿・頻尿・尿失禁・皮膚色素沈着・肝障害などがみられる場合があります。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■プロぺリシアジンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ニューレプチル錠5mg/10mg/25mg、ニューレプチル細粒10%、ニューレプチル内用液1%はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ニューレプチル錠5mg/10mg/25mg、ニューレプチル細粒10%、ニューレプチル内用液1%の有効成分
プロペリシアジン5mg/10mg/25mg、プロペリシアジン100mg、プロペリシアジン10mg
▼ニューレプチル錠5mg/10mg/25mg、ニューレプチル細粒10%、ニューレプチル内用液1%の添加物
乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、白糖、ゼラチン、アラビアゴム末、タルク、沈降炭酸カルシウム、安息香酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルナウバロウ、黄色5号/乳糖水和物、トウモロコシデンプン、含水二酸化ケイ素、メチルセルロース/酒石酸、アスコルビン酸、乾燥亜硫酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、塩酸

■他に使用できない方
・昏睡状態、循環虚脱状態にある方
・バルビツール酸誘導体、麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある方
・アドレナリンを投与中の方
・フェノチアジン系化合物及びその類似化合物に対して過敏症の既往歴のある方
・皮質下部の脳障害(脳炎、脳腫瘍、頭部外傷後遺症等)の疑いのある方

使用に注意が必要な方
・肝障害または血液障害のある方
・褐色細胞腫、動脈硬化症あるいは心疾患の疑いのある方
・重症喘息、肺気腫、呼吸器感染症等の方
・てんかん等のけいれん性疾患またはこれらの既往歴のある方
・幼児、小児等
・高齢者
・高温環境にある方
・脱水、栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある方

上記にあてはまる方は、プロぺリシアジンを使用する事が出来ない可能性があります。
プロぺリシアジンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体、麻酔剤等)
・アルコール
・降圧剤
・アトロピン様作用を有する薬剤
・リチウム
・ドンペリドン、メトクロプラミド
・ドーパミン作動薬(レボドパ製剤、ブロモクリプチンメシル酸塩)

接触注意
・有機燐殺虫剤

上記を使用している方は、プロぺリシアジンを使用する事が出来ない可能性があります。
プロぺリシアジンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
・アドレナリン

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
そもそも、抗精神病薬とはなんですか?

「主に統合失調症で使用される薬の総称」を指しています。本剤の説明でドーパミンを遮断すると記載しましたが、抗精神病薬はどれもドーパミンを遮断する作用をもっています。そして本剤はフェノチアジン系と呼ばれるさまざまな受容体に作用する類の薬ですが、ブチロフェノン系というドーパミンのみを選択的にブロックするのに優れた薬もあります。第一世代の抗精神病薬は陽性症状の改善に用いられますが、現在出ている第二世代の抗精神病薬はセロトニンの働きも一緒に抑制してくれるため、陰性症状の改善が期待できます。場合によっては第一世代と第二世代を併用することもあるかと思われますので、医師とよく相談して処方してもらってください。

適応する病気としては、統合失調症以外に何かありますか?

本剤には気分安定作用があるとされ、双極性障害のような気分の波が生じる病気にも使用されることがあります。気分安定薬に比べると効果は速くあらわれますが、鎮静作用による眠気や体重増加の副作用も多くなります。このような場合は第二世代の抗精神病薬が先に使われますが、効果が十分に得られない等の理由で本剤を使用することがあります。その他に衝動性を抑制する、食欲増加、睡眠を深くする、抗うつ剤の効果を強くするなどの目的で使用されることもあります。

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