チミペロン

成分名

チミペロン

適応症状

双極性障害・統合失調症

簡易説明

第一世代のブチロフェノン系に属する抗精神病薬です。
本剤がドーパミン受容体に結合することによってドーパミンを強力にブロックする効果があり、統合失調症における陽性症状に対して効果を示します。
また第一世代の薬としては珍しいのですが、陰性症状に対しても若干の効果が期待でき、鎮静作用も持ち合わせています。
ドーパミンに対してピンポイントで作用することが特徴的な薬です。

処方可能な診療科目

精神科/心療内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料の目安:1,000~2,000円
薬代の目安:
 トロペロン錠0.5mg/6.1円(アルフレッサファーマ)
 トロペロン錠1mg/11.3円(アルフレッサファーマ)
 トロペロン錠3mg/31.6円(アルフレッサファーマ)
 トロペロン細粒1%/90.5円(アルフレッサファーマ)
 トロペロン注4mg/192円(アルフレッサファーマ)
 チミペロン錠0.5mg「アメル」/5.9円(共和薬品工業)
 チミペロン錠1mg「アメル」/5.9円(共和薬品工業)
 チミペロン錠3mg「アメル」/15.9円(共和薬品工業)
 チミペロン細粒1%「アメル」/43.1円(共和薬品工業)
病院によって差があり、薬代の他に初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1984年3月

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

トロペロン錠0.5mg(アルフレッサファーマ)
トロペロン錠1mg(アルフレッサファーマ)
トロペロン錠3mg(アルフレッサファーマ)
トロペロン細粒1%(アルフレッサファーマ)
トロペロン細粒1%(アルフレッサファーマ)
トロペロン錠0.5mg(アルフレッサファーマ)
トロペロン錠1mg(アルフレッサファーマ)
トロペロン錠3mg(アルフレッサファーマ)
トロペロン注4mg(アルフレッサファーマ)
トロペロン注4mg(アルフレッサファーマ)

関連製品(ジェネリック)

チミペロン錠0.5mg「アメル」(共和薬品工業)
チミペロン錠1mg「アメル」(共和薬品工業)
チミペロン錠3mg「アメル」(共和薬品工業)
チミペロン細粒1%「アメル」(共和薬品工業)

効果・作用

統合失調症は、脳内で情報の伝達等がうまくいかなくなり、情報の統合が困難になって幻覚や妄想・意欲減退などを呈する病気です。
発症する原因ははっきりしていません。
ですが、脳内の情報伝達物質であるドーパミンの過剰分泌および分泌不足によって生じるとされています。
そして統合失調症には陽性症状と陰性症状が存在し、陽性症状の代表は幻覚や妄想、陰性症状の代表は意欲減退です。
本剤はどちらに効果が出るのかというと、陽性症状に効果を示します。
陽性症状はドーパミンの過剰分泌によって引き起こされます。
本剤はドーパミンの受容体に結合し、ドーパミンが受容体に結合できなくなることによって、過剰な分泌を抑制することができます。
抗ヒスタミン作用も強く出るため眠気も出ます。
そのため、就寝前の処方となることが多いです。
本剤は第一世代のブチロフェノン系に属する抗精神病薬で、現在はほとんど第一選択薬として使用されることはありませんが、第二世代の抗精神病薬では効果が得られない方などに使用されることがあります。
また、第一世代の向精神薬は主に陽性症状へ効果を示しますが、ほんざいはわずかに陰性症状へも効果を示し、鎮静作用も持っています。
ブチロフェノン系は陽性症状に強力な効果を示します。
ドーパミンをブロックする力が強いので陽性症状によく働くのですが、ブロックしすぎてしまうことによる副作用も問題で、医師はその点を十分に説明し、服用者もよく理解と同意をして使用する必要があります。

使用方法

チミペロンとして、1日0.5~3mgよりはじめ徐々に増量し、通常成人1日3~12mgを分割経口投与します。
なお、年齢、症状により適宜増減します。

副作用

主な副作用
錐体外路症状・アカシジア・静座不能・パーキンソン症候群・手指振戦・固縮・流涎・睡眠障害・便秘・ジスキネジア・血圧低下

重大な副作用
Syndrome malin・悪性症候群・無動緘黙・強度筋強剛・嚥下困難・頻脈・血圧変動・発汗・発熱・白血球増加・血清CK上昇・ミオグロビン尿・腎機能低下・高熱が持続・意識障害・呼吸困難・循環虚脱・脱水症状・急性腎障害・麻痺性イレウス・腸管麻痺・食欲不振・悪心・嘔吐・著しい便秘・腹部膨満・腹部弛緩・腸内容物うっ滞・遅発性ジスキネジア・口周部不随運動・不随運動・無顆粒球症・白血球減少・肺塞栓症・深部静脈血栓症・静脈血栓症・血栓塞栓症・息切れ・胸痛・四肢疼痛・浮腫

その他の副作用
血圧上昇・胸内苦悶感・心電図変化・洞性徐脈・洞性頻脈・洞性不整脈・不完全脚ブロック・T波変化・QT間隔延長・AST上昇・ALT上昇・痙攣・痙攣性斜頸・顔面攣縮・頚部攣縮・後弓反張・眼球回転発作・構音障害・舌のもつれ・歩行異常・視調節障害・かすみ目・過敏症・発疹・貧血・血小板減少・血小板増加・血糖値低下・血糖値上昇・口渇・腹痛・下痢・食欲亢進・月経異常・錯乱・眠気・不安・焦燥・興奮・易刺激性・めまい・ふらつき・頭痛・知覚異常・衝動行為・性的高揚・抑うつ・しびれ感・倦怠感・脱力感・立ちくらみ・鼻閉・排尿障害・総コレステロール上昇・BUN上昇・クレアチニン値上昇・血中プロラクチン値上昇・徐脈・動悸・乳汁分泌・乳房痛・耳鳴・鼻血など

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■チミぺロンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、トロペロン錠3mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼トロペロン錠3mgの有効成分
チミペロン 3mg
▼トロペロン錠3mgの添加物
乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム

■他に使用できない方
・昏睡状態の方
・バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある方
・重症の心不全の方
・パーキンソン病またはレビー小体型認知症のある方
・本剤の成分またはブチロフェノン系の化合物に対して過敏症の既往歴のある方
・アドレナリンを服用中の方
・妊婦または妊娠している可能性のある女性

使用に注意が必要な方
・心疾患、血管疾患、低血圧またはこれらの疑いのある方
・てんかん等の痙攣性疾患、またはその既往歴のある方
・甲状腺機能亢進状態にある方
・脱水、栄養不良状態を伴う身体的疲弊のある方
・不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の方
・肝機能障害の方
・授乳婦
・小児等
・高齢者

上記にあてはまる方は、チミペロンを使用する事が出来ない可能性があります。
チミペロンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・中枢神経抑制薬(バルビツール酸誘導体等)
・アルコール
・リチウム
・メトクロプラミド、ドンペリドン
・タンドスピロンクエン酸
・ドーパミン作動薬(レボドパ等)
・カルバマゼピン

上記を使用している方は、チミペロンを使用する事が出来ない可能性があります。
チミペロンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
・アドレナリン(ボスミン)

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
効果があらわれるのに、どのくらいの時間がかかりますか?

インタビューフォームによる研究の結果では、およそ1時間ほどで最高血中濃度に達するとされています。よって効果が出始めるのは、服用から1時間ほどであると考えられます。

妊娠に気づかずに服用を続けてしまった場合、どのようなリスクが考えられますか?

類似化合物を用いた例ですが、催奇形性を疑う症例が報告されています。また妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害・傾眠・呼吸障害・筋緊張低下・易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告があります。こういったリスクが考えられますので、妊娠が判明した時点で医師に相談し、薬の変更などを検討してください。

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医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。