レボメプロマジンマレイン酸塩

成分名

レボメプロマジンマレイン酸塩

適応症状

うつ病における不安・緊張、躁病、統合失調症

簡易説明

うつ病や躁病、統合失調症などを発症すると、極度の不安や過度な緊張状態におちいることがあります。また気持ちが高ぶっている状態のため、幻覚や妄想、イライラや不眠などの脳内における異常が表れます。上記の症状には脳内の伝達物質「ドパミン」や「ノルアドレナリン」の量のバランスに異常が生じている状況ですが、レボメプロマジンはドパミンやノルアドレナリンの作用を抑える作用を持っていて、躁病やうつ病だけでなく統合失調症においても過度な興奮状態を鎮めるために使用されています。

処方可能な診療科目

精神科、心療内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~1,500円
薬代1錠あたりの目安:25mg 5.7円
薬代1gあたりの目安:1g 11.8円
薬代後発薬1錠の目安:25mg 5.7円
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※「薬代1錠あたりの目安」はヒルナミン錠25㎎の薬価で算出しています。
※「薬代後発品1錠あたりの目安」はレボメプロマジン錠25mg「ツルハラ」の薬価で算出しています
※診察費は3割負担で算出しています。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:1960年10月(錠剤5㎎)/ 1959年2月(錠剤25㎎)/ 1963年4月(錠剤50㎎)/ 1962年3月(散剤)/ 1977年10月(細粒)

国内のジェネリック認可

レボメプロマジン錠25mg「ツルハラ」

関連製品(先発薬)

・ヒルナミン錠5㎎/25㎎/50㎎/散50%/細粒10%【共和薬品】
・レボトミン錠5㎎/25㎎/50㎎/散10%/散50%/細粒10%【田辺三菱製薬】

関連製品(ジェネリック)

レボメプロマジン錠25mg「ツルハラ」【鶴原製薬】

効果・作用

 うつ病や躁病、統合失調症などを発症すると、極度の不安や過度な緊張状態におちいることがあります。また気持ちが高ぶっている状態のため、幻覚や妄想、イライラや不眠などの脳内における異常が表れます。
幻覚や妄想に関わっている脳内の伝達物質として「ドパミン」が有名です。特に統合失調症の方では、脳内においてドパミンの量が非常に多くなっています。その結果、幻覚、幻聴などの症状が起こります。この症状を改善するためには、脳内で過剰に分泌しているドパミンの作用を抑えれば軽減します。
 また運動をする際、身体を興奮させる伝達物質が「ノルアドレナリン」です。躁病の方はノルアドレナリンの量も正常と比較して多い量となっており、脳内が興奮状態になっています。この症状を改善するには、脳内で過剰に分泌しているノルアドレナリンの作用を抑えれば軽減します。
 レボメプロマジンは上記のような「ドパミン」や「ノルアドレナリン」の作用を抑える作用を持っていて、躁病やうつ病だけでなく統合失調症においても過度な興奮状態を鎮めるために使用されています。また、レボメプロマジンは化学受容器引き金帯(CTZ)と呼ばれる部位をブロックする作用も持ち合わせており吐き気を抑える作用あります。

使用方法

■成人の場合
レボメプロマジンとして25~200ミリグラムを1日の間に分割して服用してください
※症状や年齢により、医師の指示の元、適宜増減して服用してください

副作用

重大な副作用
・悪性症候群:発症の初期では、白血球や血清 CKの上昇といった血液異常がみられることが多く、ミオグロビン尿を伴った腎臓機能の低下がみられることもあります。進行すると、強度の筋肉のこわばり、飲み込む能力の低下、頻脈、血圧の大きな変動、異常な発汗などが起こります。さらに進行すると、高熱が収まらず、意識を失い呼吸困難、脱水症状、急性な腎臓機能障害へと移行し、死亡したケースも報告されているため初期症状に注意してください
・突然死:心電図のQT部分に異常が起こった際は医師の指示のもと中止してください
・白血球の減少、再生不良性貧血、無顆粒球症:感染しやすくなったり、めまいふらつきなどの貧血症状が現れたりした際は医師に報告し、減量や中止の検討を行ってください
・麻痺性イレウス:食欲の不振、悪心・嘔吐、ひどい便秘、お腹のハリが現れたりした際は医師に報告し、減量や中止の検討を行ってください
・遅発性ジストニア/遅発性ジスキネジア:長期間投与し続けることで、不随意運動(意識していない筋肉が勝手に動くなど)が起きることがあります
・抗利尿ホルモン不適合分泌症候群:重度の意識障害、低ナトリウム血症などの血液の異常、けいれんなどがあらわれることがあります
・眼の障害:長期間の服用または大量の服用により、水晶体(眼のレンズ部分)のにごり、網膜や角膜に色素が沈着することがあります

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・心臓への血液の供給不全の状態、昏睡状態の方
・アドレナリンを投与されている方
・脳の障害(脳腫瘍、頭部外傷後遺症、脳炎など)のうたがいのある方
・フェノチアジン系の薬、またはその類似の薬に対して過敏症がある方
▼フェノチアジン系の薬の一例
クロルプロマジン/レボメプロマジン/ペルフェナジン/フルフェナジン/プロクロルペラジン/プロペリシアジンなど
・バルビツール酸誘導体の薬、麻酔などの中枢神経を抑制する薬の影響が大きい状況下で治療を行っている方
▼バルビツール酸誘導体の一例
チオペンタール/ペントバルビタール/アモバルビタール/フェノバルビタールなど

使用に注意が必要な方
・肝臓に障害または血液に障害のある方
※それらの症状を悪化させる可能性があります
・心臓の疾患、褐色細胞腫、動脈硬化のうたがいのある方
※異常な血圧の変動が起こる可能性があります
・重症のぜんそく、肺気腫、呼吸器感染症などの方
※呼吸ができなくなる可能性があります
・てんかんなどのけいれん性の疾患を治療中の方
※けいれんが起こりやすい状況になる可能性があります
・温度の高い環境下にいる方
※体温の調節に異常が生じ、体温調節が働かなくなる可能性があります
・脱水や栄養不良をともなった肉体的な疲労のある方
※重大な副作用である悪性症候群がおこる可能性があります
・高齢者
※急な脱力、起立性低血圧、運動機能障害、排泄機能障害などが起こる可能性があります
・妊娠している方
※動物試験では大量投与による胎児の死亡や流産などの胎児に対する毒性のデータがあります
・授乳をしている方
※レボメプロマジンが母乳中へ移行してしまうというデータがあります
・小児など
※錐体外路症状(とくにジスキネジア症)が起こる可能性があります

上記にあてはまる方は、レボメプロマジンマレイン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
レボメプロマジンマレイン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・中枢神経を抑制する薬、バルビツール酸誘導体、麻酔など
※お互いの作用を強め合ってしまう可能性があります
※バルビツール酸誘導体の薬、麻酔などの中枢神経を抑制する薬の「影響が強い」状況下で治療を行っている場合は併用ができません(使用が出来ない方の項目をご参照ください)
・アルコール
※お互いの作用を強め合ってしまう可能性があります(中枢神経の抑制)
・血圧を下げる薬
※お互いの作用を強め合ってしまう可能性があります(血圧の低下)
・アトロピン様作用を有する薬
※お互いの作用を強め合ってしまう可能性があります(抗コリン作用:便秘、口の渇きなど)
・リチウム
※心電図の異常、重症の悪性症候群、重度の脳障害を起こす可能性があります
・ドンペリドン/メトクロプラミド
※お互いの作用を強め合ってしまう可能性があります
・ドパミン作動薬
※お互いの作用を弱め合ってしまう可能性があります

上記を使用している方は、レボメプロマジンマレイン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
レボメプロマジンマレイン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
・アドレナリン
※アドレナリンの作用が逆転し血圧の急降下を起こす可能性があります
▼アドレナリンを含む薬
ボスミンなど

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

レボメプロマジンマレイン酸塩に関する
よくある質問
レボメプロマジンマレイン酸塩の粉を触ると皮膚に刺激を感じるのですが薬の影響でしょうか?

薬に触った場合、接触性皮膚炎など過敏症状を起こすことが知られています。とくに粉薬を取り扱うときにはゴム手袋などを使用することが推奨されている位なので、服用する際も直接触らず、もし触ってしまった場合は必ず手を洗ってください。ヒルナミン錠5㎎ 【ヒルナミン錠5㎎ 添付文書】

デスクワーク中での服用において注意が必要と聞きましたがなぜでしょうか?

長期間横になっている状態、肥満、脱水状態などの動かない状態が続くと「肺塞栓症」や「静脈血栓症」などの血管が詰まりやすくなる可能性があると報告されていますので注意が必要です。ヒルナミン錠5㎎ 【ヒルナミン錠5㎎ 添付文書】

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