クロルプロマジン塩酸塩

成分名

クロルプロマジン塩酸塩

適応症状

人工冬眠/麻酔前投薬/催眠鎮静鎮痛剤の効力増強/悪心/嘔吐/吃逆/神経症の緊張/神経症の不安/神経症の抑うつ/躁病/破傷風の痙攣/統合失調症など

簡易説明

クロルプロマジン塩酸塩は、主に脳内のドパミンに対して抑制作用をあらわす薬です。
幻覚・妄想・不安・緊張・興奮などの症状を改善するはたらきがあり、心の不調や不具合を調整して、神経の高ぶりや不安感をしずめ、気持ちをおだやかにします。
気分を落ち着ける作用があることから統合失調症のほか、躁病や神経症などいろいろな精神症状の改善に使われます。
また、寝つきをよくする作用もあることから、不眠治療に用いることもあります。

処方可能な診療科目

内科/心療内科/精神科/神経内科/脳神経内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約1000円~5000円程度
薬代1錠あたりの目安:12.5mg約9円/25mg約9円/50mg約9円/100mg約9円
薬代1管あたりの目安:10mg約94円/25mg約94円/50mg約96円
※病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要です。

厚生労働省による認可、または発売年月日

【クロルプロマジン塩酸塩錠25mg「ツルハラ」】
薬価基準収載年月 : 2009年9月
販売開始年月 : 1985年12月
再評価結果公表年月 : 1997年6月

【コントミン筋注10mg】
販売開始年月 : 1956年1月

【コントミン筋注25mg】
販売開始年月 : 1955年6月

【コントミン筋注50mg】
販売開始年月 : 1956年6月

【コントミン糖衣錠12.5mg】
販売開始年月 : 1955年6月

【コントミン糖衣錠25mg】
販売開始年月 : 1955年4月

【コントミン糖衣錠50mg】
販売開始年月 : 1955年8月

【コントミン糖衣錠100mg】
販売開始年月 : 1957年8月

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

【製薬メーカー:鶴原製薬】
クロルプロマジン塩酸塩錠25mg「ツルハラ」

【製薬メーカー:田辺三菱製薬】
コントミン筋注10mg
コントミン筋注25mg
コントミン筋注50mg
コントミン糖衣錠12.5mg
コントミン糖衣錠25mg
コントミン糖衣錠50mg
コントミン糖衣錠100mg

関連製品(ジェネリック)

【クロルプロマジン DDファーマ】
【塩酸クロルプロマジン50mg/100mg サンファーマ社】

効果・作用

クロルプロマジン塩酸塩は、主に脳内のドパミンに対して抑制作用をあらわすはたらきがあり、幻覚・妄想・不安・緊張・興奮などの症状を改善します。
心の不調や不具合を調整して、神経の高ぶりや不安感をしずめ、気持ちをおだやかにして、気分を落ち着ける作用があることから統合失調症のほか、躁病や神経症などいろいろな精神症状の改善に使われます。
また、寝つきをよくする作用により、不眠治療に用いることもあります。
統合失調症は感情や思考をまとめることが上手くできなくなってしまい、幻覚・妄想・会話や行動の障害・感情の障害・意欲の障害などがあらわれる病気です。
統合失調症では脳内の神経伝達物質のドパミンなどの働きに異常が生じて、幻覚・妄想・思考の混乱などの陽性症状では脳内のドパミンが過剰になっています。
ドパミンが作用する受容体の中でも特にドパミンD2受容体は統合失調症に関わるとされています。
本剤は主にドパミンD2受容体を阻害するはたらきにより、脳内のドパミンの働きを抑制して主に統合失調症における陽性症状の改善作用をあらわします。
同じく統合失調症の治療薬である非定型抗精神病薬に比べてドパミン抑制作用が強いとされ、陽性症状の顕著な改善が期待できる一方で、ドパミン抑制作用による錐体外路症状や高プロラクチン血症などがあらわれたり、統合失調症における感情の鈍麻や意欲減退などの陰性症状を強めたりする場合があります。

使用方法

・クロルプロマジン塩酸塩として、成人1日30mgから100mgを分割経口投与します。精神科領域において用いる場合には、通常1日50mgから450mgを分割経口投与します。なお、年齢や症状により適宜増減します。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

重大な副作用
Syndrome malin/悪性症候群/無動緘黙/強度筋強剛/嚥下困難/頻脈/血圧変動/発汗/発熱/白血球増加/血清CK上昇/CK上昇/血清CPK上昇/CPK上昇/ミオグロビン尿/腎機能低下/高熱が持続/意識障害/呼吸困難/循環虚脱/脱水症状/急性腎障害/突然死/心室頻拍/血圧降下/心電図異常/QT間隔延長/T波平低化/T波逆転/二峰性T波出現/二峰性U波出現/Torsades de Pointes/QT部分に変化/再生不良性貧血/溶血性貧血/無顆粒球症/白血球減少/麻痺性イレウス/腸管麻痺/食欲不振/悪心/嘔吐/著しい便秘/腹部膨満/腹部弛緩/腸内容物うっ滞/遅発性ジスキネジー/遅発性ジストニア/不随意運動/抗利尿ホルモン不適合分泌症候群/SIADH/低ナトリウム血症/低浸透圧血症/尿中ナトリウム排泄量増加/高張尿/痙攣/角膜混濁/水晶体混濁/網膜色素沈着/角膜色素沈着/SLE様症状/肝機能障害/黄疸/AST上昇/ALT上昇/γ?GTP上昇/横紋筋融解症/血中ミオグロビン上昇/尿中ミオグロビン上昇/肺塞栓症/深部静脈血栓症/静脈血栓症/血栓塞栓症/息切れ/胸痛/四肢疼痛/浮腫など

その他の副作用
下痢/錐体外路症状/パーキンソン症候群/手指振戦/流涎/口周部不随意運動/四肢不随意運動/眼球上転/眼瞼痙攣/舌突出/痙性斜頚/頚後屈/体幹側屈/後弓反張/アカシジア/静座不能/縮瞳/眼内圧亢進/視覚障害/体重増加/女性化乳房/乳汁分泌/射精不能/月経異常/糖尿/錯乱/不眠/眩暈/頭痛/不安/興奮/易刺激/過敏症状/光線過敏症/口渇/鼻閉/倦怠感/尿閉/無尿/頻尿/尿失禁/皮膚色素沈着など

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■昏睡状態、循環虚脱状態の患者
昏睡状態、循環虚脱状態の患者は、これらの状態を悪化させるおそれがあることから使用できません。投与しないでください。

■バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者
バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者は、中枢神経抑制剤の作用を延長し増強させるおそれがあることから使用できません。投与しないでください。

■アドレナリンを投与中の患者
アドレナリンを投与中の患者には使用できません。投与しないでください。(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)

■フェノチアジン系化合物及びその類似化合物に対し過敏症の患者
フェノチアジン系化合物及びその類似化合物に対し過敏症の患者には使用できません。投与しないでください。

使用に注意が必要な方
■肝障害又は血液障害のある患者
肝障害又は血液障害のある患者は、肝障害又は血液障害を悪化させるおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■褐色細胞腫、動脈硬化症あるいは心疾患の疑いのある患者
褐色細胞腫、動脈硬化症あるいは心疾患の疑いのある患者は、血圧の急速な変動がみられることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■重症喘息、肺気腫、呼吸器感染症等の患者
重症喘息、肺気腫、呼吸器感染症等の患者は、呼吸抑制があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者は、痙攣閾値を低下させることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■高温環境にある患者
高温環境にある患者は、体温調節中枢を抑制するため、環境温度に影響されるおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者
脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者は、Syndrome malin(悪性症候群)が起こりやすいです。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■高齢者
高齢者では起立性低血圧、錐体外路症状、脱力感、運動失調、排泄障害等が起こりやすいことから、患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。

■妊婦、産婦、授乳婦等
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましいです。

■小児等
幼児、小児には慎重に投与してください。幼児、小児では錐体外路症状、特にジスキネジアが起こりやすいです。

上記にあてはまる方は、クロルプロマジン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
クロルプロマジン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・中枢神経抑制剤
 (バルビツール酸誘導体・麻酔剤等)
・降圧剤
・アトロピン様作用を有する薬剤
・アルコール(飲酒)
・ドンペリドン
・メトクロプラミド
・リチウム
・ドパミン作動薬
 (レボドパ製剤、ブロモクリプチンメシル酸塩)

上記を使用している方は、クロルプロマジン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
クロルプロマジン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
・アドレナリン
 〔アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く〕
 (ボスミン)

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
クロルプロマジン塩酸塩を使った後に、農作業で殺虫剤を使用しても問題ないですか?

本剤は有機燐殺虫剤の抗コリンエステラーゼ作用を増強し毒性を強めることがある。

クロルプロマジン塩酸塩錠 - 医薬情報QLifePro

【上記引用元:田辺三菱製薬株式会社】

クロルプロマジン塩酸塩を過量投与した場合、どのような症状があらわれますか?

傾眠から昏睡までの中枢神経系の抑制,血圧低下と錐体外路症状である。その他,激越と情緒不安,痙攣,口渇,腸閉塞,心電図変化及び不整脈等があらわれる可能性がある。

クロルプロマジン塩酸塩錠 - 医薬情報QLifePro

【上記引用元:田辺三菱製薬株式会社】

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