モダフィニル

成分名

モダフィニル

適応症状

ナルコレプシー、治療抵抗性の閉塞性睡眠時無呼吸症候群に伴う過度な眠気

簡易説明

主にナルコレプシーの治療薬として第一に選択される薬です。
ヒルナミンの分泌を促し、GABAの働きを抑制することによって日中に生じる病的な眠気を取り除き、脳の覚醒レベルを高める作用があります。覚せい剤と似たような作用を持ちますが、作用機序も異なるため依存性や乱用リスクが低く、安全に使用することができます。

処方可能な診療科目

内科/神経内科/精神科/心療内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料の目安:1,000~2,000円
薬代の目安:モディオダール錠100mg/344.1円(アルフレッサファーマ)
病院によって差があり、薬代の他に初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2007年3月

国内のジェネリック認可

現在国内でのジェネリック製造はありません。

関連製品(先発薬)

モディオダール錠100mg(アルフレッサファーマ)

関連製品(ジェネリック)

Modafin200mg 日本販売用(Alpha Pharma)
Modalert 100 日本販売用(Indian Brand)
Modalert 200 日本販売用(Indian Brand)
Vilafinil 日本販売用(Centurion)

海外での使用実績

アメリカではプロビジルという名前で知られています。
米国では乱用薬物という認識はなく、処方も普通の処方箋で可能ではありますが、若年層においてスマートドラッグとして広まっており、また適応外処方の増加が懸念されています。
様々な病態へのモダフィニルの活用が模索されており、多発性硬化症、パーキンソン病、進行期・末期がんの倦怠感や、慢性疲労症候群への応用も視野に入れて研究がなされています。
進行期・末期がんの倦怠感について2010年に報告されたモダフィニルの効果に関する試験では元々の疲労が強度であった場合に有効であるという結果でした。
また、2014年に報告された試験では、進行期・末期がんの倦怠感の改善はプラセボと変わらないという結果でした。
ただ、モダフィニルを使った規模の大きい試験が少なく、結論は今後の追試を待つ必要があります。
モダフィニルはエネルギーの欠如や疲労の訴えに対して処方されるものではありませんが、そういった患者に対しても時には有効であることが分かっています。
さらには、1日に10時間以上も睡眠を必要とし、十分な睡眠を取ろうとするがために、日常生活において能力を十分に発揮できない過眠症の患者の治療にも使われてきています。
2005年1月に、ペンシルベニア大学の研究者たちは二重盲検プラセボ対照法による試験により、モダフィニルがコカインの依存症から回復する助けになる可能性があることが分かったと発表しています。

効果・作用

本剤の適応となるナルコレプシーとは過眠症の一つで、脳を覚醒させる物質が不足することによって日中に耐えがたい眠気が生じる病気です。
発作のように突然睡眠に入ってしまうこともあり、事故などが起こる可能性も考えると大変危険な状態です。
本剤は脳の覚醒レベルを上げることによって日中に起きる病的な眠気を改善させる薬です。
本剤の覚醒作用は比較的穏やかで、作用時間も長いです。
分類としては精神刺激薬で、いわゆる覚せい剤と似たような作用を持っています。
覚せい剤には強い依存性と乱用リスクがありますが、本剤は依存性が低く乱用リスクも低いため安全に使用できることから、ナルコレプシーの治療薬として第一に選択されます。
ドーパミンに強く作用すると、依存性や乱用リスクが高まります。本剤もドーパミンには多少作用しますが、ヒスタミンやGABA神経にも作用することで覚醒度をあげているため、相対的にリスクが低くなっています。
ヒスタミンの分泌量を増やし、GABAの働きを抑制することによって脳を覚醒させています。
そしてドーパミンに対してはGABA神経を通して少しだけ作用します。
このような複合的な作用機序をもたらすことによって依存・乱用リスクを減らし、穏やかに作用してくれる薬です。

使用方法

成人にはモダフィニルとして1日1回200mgを朝に経口投与します。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は300mgまでとされています。

副作用

主な副作用
頭痛・不眠・動悸・口渇・体重減少・そう痒・AST上昇・ALT上昇・γ-GTP上昇・Al-P上昇・LDH上昇

重大な副作用
中毒性表皮壊死融解症・Toxic Epidermal Necrolysis・TEN・皮膚粘膜眼症候群・Stevens-Johnson症候群・多形紅斑・薬剤性過敏症症候群・発疹・発熱・肝機能障害・リンパ節腫脹・白血球増加・好酸球増多・異型リンパ球出現・遅発性の重篤な過敏症状・ショック・アナフィラキシー・蕁麻疹・そう痒感・血管浮腫・呼吸困難・血圧低下・チアノーゼ

その他の副作用
めまい・傾眠・イライラ感・カタプレキシー憎悪・しびれ・神経過敏・振戦・ジスキネジー・不安・うつ状態・躁状態・血圧上昇・頻脈・胸痛・食欲不振・胃部不快感・悪心・嘔吐・下痢・便秘・胃炎・腹痛・口内炎・食欲亢進・舌炎・鼓腸・鼻咽頭炎・肩こり・発汗・倦怠感・トリグリセリド上昇・コレステロール上昇・白血球数減少・熱感・耳鳴・体重増加・背部痛・鼻炎・咳嗽・尿臭異常・過敏症・錯感覚・幻覚・妄想・攻撃性・興奮・思考異常・消化不良・血管拡張・潮紅・末梢性浮腫

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■モダフィニルを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、モディオダールはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼モディオダールの有効成分
モダフィニル100mg
▼モディオダールの添加物
乳糖水和物、部分アルファー化デンプン、結晶セルロース、ポビドン、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム

■他に使用できない方
・重篤な不整脈のある方
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方

使用に注意が必要な方
・心障害またはその既往歴のある方
・高血圧の方
・うつ病、躁病、その他の精神系疾患またはその既往のある方
・てんかんまたはその既往のある方
・薬物依存、アルコール依存等の既往歴のある方
・重篤な腎機能、肝機能障害のある方
・妊婦、授乳婦
・小児等
・高齢者

上記にあてはまる方は、モダフィニルを使用する事が出来ない可能性があります。
モダフィニルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・経口避妊薬
・エチニルエストラジオール
・シクロスポリン
・トリアゾラム
・昇圧剤
・ノルエピネフリン
・エピネフリン
・モノアミン酸化酵素阻害剤
・セレギリン塩酸塩
・ラサギリンメシル酸塩
・サフィナミドメシル酸塩
・ワルファリン
・フェノバルビタール
・CYP2C19の基質
・プロトンポンプ阻害剤

上記を使用している方は、モダフィニルを使用する事が出来ない可能性があります。
モダフィニルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬は報告されていません

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ナルコレプシーには眠気以外にどのような症状がありますか?

情動脱力発作(笑ったり泣いたり怒ったりすると力が抜けてしまう)、入眠時幻覚(寝入りばなに幻覚が生じる)、睡眠麻痺(金縛りが生じる)、熟眠障害(夜に深い眠りが取れない)などの症状が代表的です。ただしこれらの症状は本剤で改善することはできず、一部の抗うつ剤や睡眠薬が用いられることが多いです。

服用のタイミングを教えてください。

本剤は作用時間も長いため、服用時間を間違えると夜眠れなくなってしまうので注意が必要です。基本的には朝服用することで、就寝前まで効果が持続します。最大で1日3錠まで増量することができますが、医師の指示に従って処方通りに服用してください。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。