成分名 |
トフィソパム |
適応症状 |
うつ病、自律神経失調症、頭部・頸部損傷、更年期障害・卵巣欠落症状における頭痛・頭重、倦怠感、心悸亢進、発汗などの自律神経症状 |
簡易説明 |
脳(中枢)に作用し自律神経系の乱れを調整することで、頭痛、めまい、不安、意欲低下などの症状を改善する薬です。
作用機序はベンゾジアゼピン系抗不安薬と同じですが、多種多様な人に使用することができ、非常に穏やかに作用する薬です。抗不安薬よりか自律神経症状を整えるために使われることが多いので、薬効分類名では自律神経調整薬といわれています。このため、心療内科や精神科よりも、内科や産婦人科などで処方されることの方が多いかもしれません。抗不安作用、催眠作用、筋弛緩作用はとても弱く、抗けいれん作用はわずかだといわれており、効き目も緩やかですが、副作用も少ない薬になっています。
なお、眠気や注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがありますので、車の運転や機械の操縦、高所での作業などは避けてください。初回に使った方の感想として強い眠気が見受けられました、十分に注意してください。 |
処方可能な診療科目 |
精神科/心療内科/内科/産婦人科など |
健康保険の適応 |
健康保険適用 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診療代の目安:1,000~2,000円
薬代の目安:トフィソパム錠50mg1錠/5.9円
診察料は病院によって差があり、薬代の他に診察料・初診料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1994/7/1販売開始 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
グランダキシン錠50/持田製薬 |
関連製品(ジェネリック) |
トフィソパム錠50mg「トーワ」、トフィソパム錠50mg「日医工」、トフィソパム錠50mg「サワイ」 |
効果・作用 |
自律神経が乱れると、眠気やふらつき、口渇、めまい、吐き気、便秘、食欲不振等の症状があらわれます。これらの症状が慢性的に起き、日常生活に支障をきたす場合に自律神経失調症という診断が下りることがあります。そこで、自律神経失調症を治療するために、様子見としてトフィソパムが処方されることがあります。トフィソパムはベンゾジアゼピン系と呼ばれる種類の薬です。
運動をしているとき、たくさん空気を取り入れるために気管支は拡張し、多くの血液を送るために心拍数は上昇します。大量の汗が出るようになり、相手をよく見るために瞳孔は散大します。以上の働きをする神経を交感神経といいます。
一方で、食事中や睡眠中などの休息時では気管支が収縮し心拍数は減少します。その代わりに胃や腸の動きが活発になります。以上の働きをする神経を副交感神経といいます。
運動時には交感神経優位、リラックス時には副交感神経優位といわれることもあります。
自律神経失調症では、これら自律神経のバランスが崩れてどちらかの神経が優位になることによって、先に挙げた症状があらわれるようになります。自律神経失調症の出現は、交感神経や副交感神経による緊張のバランスの崩れによって起こります。また、自律神経が過度に興奮することによっても生じますが、これはストレスなどで緊張状態が続くことが原因であるとされています。恐怖や不安により、これが身体症状としてあらわれるのです。
といっても、自律神経は自分の意志でなんとかなるものではありません。そこでトフィソパムという薬の力を借りてこれらの神経の異常興奮をゆっくりと抑えていくことにより、自律神経失調症等の症状を抑えることにつながるとされています。
脳の視床下部と呼ばれる部位に作用し、自律神経系の崩れたバランスを正してくれる作用がありますので、神経興奮が抑制されればされるほど、不安や身体症状を誘発しにくくなります。
自律神経失調症の他に、頭部・頸部損傷、更年期障害・卵巣欠落症状における頭痛・頭重、倦怠感、心悸亢進、発汗などの自律神経にかかわる症状の治療に用いられています。
トフィソパムは最高血中濃度到達時間が1時間、その後の半減期が0.5時間という短時間型抗不安薬です。効果の持続時間は2~6時間ほどでトフィソパムを服用後、短時間で緩やかに症状に作用し、すぐに血中濃度が下がっていきます。0.5時間ほどで血中濃度が半分になり、そこからはゆっくりと下がっていきながら、12時間もすると身体から完全に抜けていきます。このような作用時間の短い抗不安薬は短時間型抗不安薬と呼ばれます。
用量は50~150mgで、1日に最大150mgまで使える抗不安薬です。トフィソパムを使う時は短時間型のため、1回50mgを1日3回に分けて服用します。
トフィソパムは短時間型の抗不安薬なので、即効性を期待して処方されることが多いです。作用時間による副作用の違いとしては、短いほど依存しやすいとされていますが、トフィソパムは副作用も少なく、依存性も低いとされています。
副作用や依存が心配な方、自律神経症状が中心で軽度の方、高齢の方、ゆっくりと治療ができる方は比較的トフィソパムが向いていると考えられています。 |
使用方法 |
通常、成人にはトフィソパムとして1回50mg、1日3回経口投与します。
なお、年齢・症状により適宜増減していきます。 |
副作用 |
薬物依存、眠気、めまい・ふらつき、頭痛、不眠、不安、焦躁、抑うつ症状、手足のふるえ、しびれ等、悪心・嘔吐、口渇、食欲不振、便秘、腹痛、下痢等、過敏症、発疹、そう痒感、発熱、顔面浮腫等、肝臓AST(GOT)・ALT(GPT)の上昇等、倦怠感、脱力感、動悸、血圧上昇、ほてり、乳房痛、乳汁分泌、月経異常 などがありますが、出現頻度は明らかになっていません。
上記のような症状が現れた場合は、医師の指示に従って適切な処置を行います。
なお、過敏症が出現した場合は服用を中止し、医師の指示を仰いでください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 トフィソパム50mgを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
トフィソパム50mgの有効成分
日局トフィソパム50mg
▼代表薬の添加物
結晶セルロース、ステアリン酸Mg、乳糖、ヒドロキシプロピルセルロース、リン酸水素Ca
・ロミタピドメシル酸塩を服用中の方
使用に注意が必要な方 ・急性閉塞隅角緑内障の方(抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがあります)
・重症筋無力症の方(筋弛緩作用を若干有するためです)
・脳に器質的障害のある方(作用が強くあらわれることがあります)
・中等度または重篤な呼吸不全のある方(呼吸機能が低下することがあります)
上記にあてはまる方は、トフィソパムを使用する事が出来ない可能性があります。 トフィソパムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体・バルビツール酸誘導体等)・アルコール・ タクロリムス水和物
上記を使用している方は、トフィソパムを使用する事が出来ない可能性があります。 トフィソパムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ロミタピドメシル酸塩(ジャクスタピッド)
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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